かんせつりうまち
関節リウマチ
免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気
14人の医師がチェック 139回の改訂 最終更新: 2020.05.08

関節痛だけで関節リウマチの診断になるか?

関節痛は関節リウマチの主な症状の一つです。しかし、関節痛を起こす病気は関節リウマチ以外にも風邪インフルエンザなどたくさんあります。関節症状がどういった性質でどの関節に起こっているのかに加えて、血液検査や画像検査などの結果を踏まえて診断されます。 

関節リウマチは関節痛を起こしますが、関節リウマチ以外の病気にも関節痛が起こるものがたくさんあります。関節痛を起こす病気の例を挙げます。

日本リウマチ学会 関節リウマチ鑑別疾患リストを参考に作成

関節が痛い時に、お医者さんは状況や検査の結果を踏まえて、上の病気の中からどの病気が疑わしいのかを考えます。また、これらの病気を見分けることは簡単ではありません。そのため、問診や身体診察、血液検査などを行いながら診断されます。

「関節リウマチ」が病気の正式な名称ですが、「リウマチ」や「リュウマチ」と呼ばれることもあります。英語ではRheumatoid Arthritisであり、専門家の間ではRA(アールエー)という略称で呼ばれることもあります。関節の痛みや腫れが持続し徐々に関節変形が進行していくことから、以前は慢性関節リウマチと呼ばれていました。しかし医療の発展に伴い、早期に治療することで、症状をなくし関節変形を防ぐことができるようになったため、「慢性」がなくなり関節リウマチという名称になった経緯があります。

変形性関節症は関節痛を引き起こす代表的な病気の一つです。関節リウマチよりも多くの人が変形性関節症を経験します。関節が痛くて「リウマチだ」と思って病院に行くと変形性関節症と言われたという人も大勢います。変形性関節症は関節の曲げ伸ばしを長年行った結果起こる病気であるのに対し、関節リウマチは免疫の異常により関節の炎症が起こる病気です。そのため、変形性関節症と関節リウマチでは治療の方法が大きく異なります。
関節には骨と骨の間に軟骨があります。曲げた時に骨同士がぶつかるのを防ぐため、軟骨がクッションの役割を果たしています。しかし、関節を長年使うことで軟骨がすり減ります。すると関節を曲げた際に骨同士がぶつかることとなり、痛みが生じます。これが変形性関節症の主な原因と考えられています。
変形性関節症は関節リウマチと原因は異なりますが、関節リウマチによる関節の炎症が軟骨の消耗をきたすことがあり、関節リウマチと変形性関節症が一緒に進んでいく場合もあります。
変形性関節症は症状のある関節位置に応じて、変形性股関節症変形性膝関節症、変形性手関節症と呼ばれることがあります。
変形性関節症は加齢が主な原因です。また、すり減った軟骨が元に戻ることはありません。高齢化に伴い患者数はかなり多いと考えられています。東京大学の疫学調査の結果では変形性膝関節症の患者だけでも2500万人程度はいると推測されています。
治療法は大きく手術とそれ以外に分けられます。

出典 Clin Calcium. 2011;21:821-5

変形性関節症の代表的な分類としてKellgrenとLawrenceの重症度分類があります。これはレントゲン写真で見える特徴をもとに関節の変形を評価する分類方法です。変形性関節症では関節裂隙(かんせつれつげき)が狭くなる、骨棘(こつきょく)ができるなどの変形が現れます。変形性関節症の分類では、これらの特徴が強いほど重症と判定します。
KellgrenとLawrenceの重症度分類は手術に適しているかの判断にも用いられます。

変形性関節症の治療は次のように、大きく分けて保存的治療(手術を行わない治療)と手術があります。

  • 保存的治療
    • ヒアルロン酸の関節注射
    • 体重の減量
    • リハビリテーション
    • 装具
  • 手術
    • 骨切り術
    • 人工関節置換術

保存的治療として装具を身に着ける方法があります。O脚などで関節への荷重が均等でなくなると変形性関節症発症しやすくなります。そのため足底板やサポーターなどの装具を用いて、関節の負担が均等になるようにします。また、重量物を取り扱う作業を避けることは変形性関節症の予防につながります。
保存的治療で症状がコントロールできない場合などは手術になります。手術の選択肢としては骨切り術や人工関節置換術があります。