偽痛風の基礎知識
POINT 偽痛風とは
偽痛風は肩・肘・手首・股関節・膝・足・首などの関節でピロリン酸カルシウムという物質が結晶をつくり炎症を起こす病気です。膝関節で多く起こります。症状としては関節の痛みや腫れ、発熱などがあります。同時に複数の関節が腫れることは少ないですが、以前膝に偽痛風が起きていたが今回は首に起きた、というようなケースはしばしば起こります。診断は症状や診察、画像検査(レントゲン検査・CT検査・MRI検査)、関節穿刺などで行います。治療としては痛み止めの飲み薬により、数日から数週間ほどで痛みが改善することが多いです。ただし、再発するケースも多く見られます。偽痛風が心配な方や治療したい人は整形外科を受診してください。リウマチ内科や救急科で対応できることもあります。
偽痛風について
偽痛風の症状
- 主な
症状 - 急激に関節が赤く腫れ上がり、強い痛みがでる
- 同時に複数の関節が腫れることは珍しい
- 症状が出やすい関節
- 肩
- 肘
- 手首
- 股関節
- 膝
- 足
- 首 など
- まれに首に痛みが出現する場合があり、痛みのために首を左右に回すことができなくなる(Crowned dens症候群)
- 場合によっては高熱を伴うこともある
- 入院患者さんなど、身体的なストレスがかかる状況で偽痛風の
発作 は起こりやすく、入院中の発熱の原因となることがある
- 入院患者さんなど、身体的なストレスがかかる状況で偽痛風の
偽痛風の検査・診断
- 画像検査:偽痛風特有の石灰化が起こっていないか、などを調べる
レントゲン (X線 )検査CT 検査MRI 検査
- 関節の腫れが強い場合や、
症状 が典型的でない場合には、関節に注射をして内部に溜まった液体を検査することで、偽痛風かどうかを調べることができる(関節穿刺 )- 治療方法や経過が大きく異なる化膿性関節炎との区別をはっきりさせる必要がある際にしばしば関節穿刺が必要になる
- 偽痛風の可能性があっても、無症状であれば治療の必要はない
偽痛風の治療法
- 痛み止めを飲みながら、
症状 の改善を待つことが基本的な治療方針- 数日から数週間程度で良くなることが多い
- 痛みに応じて普段よりも多い量の痛み止めを使用したり、
ステロイド薬 という炎症 を抑える薬を使用することもある
- 体が脱水になりがちな睡眠中や飲酒後に
発作 が起きやすいため、寝る前や飲酒中には水分を十分に摂取することが大事 - 痛風は食事との関連性があるが、「偽痛風」は食事との関連は薄い
- 1回きりでその後再発しない人もいるが、習慣的に発作を繰り返す人もいる
偽痛風の経過と病院探しのポイント
偽痛風が心配な方
偽痛風は、様々な関節に生じる痛みや熱感が特徴です。膝や肘、手首など手足の関節に特に多いです。膝が腫れたり、手首が腫れたりして受診をご希望の方は、整形外科のクリニックでの受診をお勧めします。
偽痛風に関連する専門科は整形外科ですが、痛みが強くて全く歩けない場合などは、救急科を受診する方もいます。救急科は多くの疾患に対応可能ですが、応急処置に留まることが多いため、もしご自身で歩いて受診できる状況であれば整形外科で専門家からの診察を受けることをお勧めします。
偽痛風の診断では、痛みの出方や腫れ方といった診察の結果に加えて、レントゲン(X線)検査で関節内に異常が写らないかを確認します。たいていの場合はそれで診断がつくのですが、紛らわしい場合には、関節の注射(関節穿刺)・CT検査・MRI検査を行うケースがあります。そのような場合(特にCT検査やMRI検査を行う場合)ではクリニックだけで対応できないこともあるかもしれません。
夜間や土日祝日に病院を受診する際には注意が必要です。救急科が24時間受付をしていたとしても、整形外科や救急科の医師が常に院内に常駐しているとは限りません。専門外の医師だけでは診断が難しい場合もありますので、整形外科医がいるかどうかを受診前に病院に確認してから受診することも選択肢の一つです。
偽痛風でお困りの方
偽痛風の治療は対症療法です。痛み止めや炎症を抑える薬を使用しながら、自然に症状が良くなることを待ちます。病院によって受けられる治療が変わってくるということはありませんので、特別に専門的な医療機関を探して受診する必要性は低い病気です。
偽痛風のタグ
偽痛風に関わるからだの部位
