つうふう
痛風
血液中の尿酸が結晶化し、急激な関節の痛みと炎症を起こすこと。症状は足の親指の付け根、膝、足首に出やすい。腎機能低下の原因にもなる
17人の医師がチェック 209回の改訂 最終更新: 2017.12.06

痛風の基礎知識

痛風について

  • 血液中に含まれる尿酸が、体内で結晶化して固まることで炎症を引き起こす病気
    • 炎症により急激な関節の痛みが出現する
    • 風が当たるだけで痛むくらいの強い痛みから「痛風」と呼ばれたとする説がある
    • 英語ではgout(ガウト)
  • 関節だけでなく腎臓にも尿酸の結晶ができる
    • 腎機能低下の原因になる
  • 血液中の尿酸が多い人は痛風発作を起こす危険性が高い
    • 血液検査で尿酸値が高いことを高尿酸血症と言う
    • 目安として尿酸値が6mg/dl程度を超えると痛風発作が多くなる
    • 尿酸値が正常の人でも、比較的頻度は低いが痛風発作は起こる
    • 尿酸はプリン体と呼ばれる物質から生成される
    • プリン体は肉や魚に多く含まれている(ビールなど酒類には微量)
    • プリン体の極端な摂りすぎが高尿酸血症を引き起こすことがある
  • 高尿酸血症を起こす要因の例
  • 痛風発作が起こりやすくなる要因の例
    • 腎臓の機能低下
    • 大量の飲酒
    • 糖類の摂りすぎ
    • 肥満
    • 高尿酸血症
    • 尿酸値を下げる薬
      ・特に使い始めに痛風発作を起こすことがある
    • ステロイド薬の急な中止
    • 外傷
    • 手術後
    • 心筋梗塞脳卒中など
  • 痛風発作を減らす要因の例
    • 牛乳
  • 食事は痛風の原因のごく一部
    • 食事の改善で痛風を予防できるという強い証拠はない

痛風の症状

  • 主な症状
    • 急激に関節が赤く腫れ上がり、強い痛みが出る
    • 痛みが出る部位は、足の親指の付け根(MTP関節)が半数以上を占める
    • 痛みは膝や足首に出ることもある
    • 痛みより先に出る初期症状と言えるものはない
  • 関節の痛みが同時に2部位以上に出ることは少ない
    • 閉経後の女性、高血圧で多量飲酒のある男性に現れることがある
  • その他の症状
    • 痛風結節:関節にできる数mmから数cmのマメのような塊(痛みはない)
    • 高熱を伴う場合もある

痛風の検査・診断

  • 典型的な場合は、症状と痛みの部位からある程度診断をつけることができる
  • 関節に針を刺して内部に溜まった液体を吸い出し検査する
    • 尿酸の結晶ができている
    • 多数の白血球が混ざる
  • 痛風の発作が出たときに採血をしても、高尿酸血症があるとは限らない
    • 尿酸値が高いことに加え、上がったり下がったりと安定していないと、痛風になりやすいと考えられている
  • 24時間蓄尿検査
    • 尿に排泄される尿酸の量を調べる
    • 尿酸の生成が多いのか、排泄が悪いのかを見分ける
  • レントゲン(X線写真)
    • 関節の骨や周りの組織に異常が見えることがある
  • 似た症状のある病気
    • 偽痛風:ピロリン酸カルシウムの結晶による関節の痛み
      ・症状は膝や肘に出やすい
    • ヘバーデン結節、ブシャール結節:指の関節がすり減って起こる炎症
      ・症状は手の指の先の関節(DIP関節)に出やすい
    • 関節リウマチ免疫の異常による関節の炎症
      ・症状は手首、手の指の付け根(MP関節)、手の指の第2関節(PIP関節)に出やすい
      ・左右対称の位置が痛むことが多い
    • 乾癬性関節炎:皮膚の症状がある乾癬(かんせん)にともなう関節の炎症
      ・症状は手の指の先の関節に出やすい

痛風の治療法

  • 痛風発作の痛みを抑える治療
    • 発作の症状は数日で改善することが多い
    • 痛み止めを飲みながら、症状の改善を待つ
    • 痛み止めには、関節で生じている炎症そのものを抑える効果もある
    • 薬の種類や量は症状などに合わせて変える
  • 痛風発作の痛みと炎症を抑える薬
    • コルヒチン
      ・発作が始まってすぐに使うと効果的
      ・再発予防効果もあるとされる
      ・副作用に胃腸症状など
    • NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)
      ・再発予防効果もあるとされる
      ・インドメタシン(商品名:インテバン)、ナプロキセン(商品名:ナイキサン)など
      ・副作用に胃腸症状、腎障害、喘息など
    • ステロイド薬
      ・飲み薬や関節内注射として使う
      ・副作用に高血糖骨粗鬆症感染症など
  • 尿酸値を下げる治療
    • 痛みが治まってから始める
    • まだ痛風発作を起こしたことのない人に尿酸値を下げる薬は必要ないという意見がある
    • アロプリノール(商品名:ザイロリックなど)、フェブキソスタット(商品名:フェブリク)など:尿酸の生成を減らす
      ・副作用に皮疹、腎障害など
    • ベンズブロマロン(商品名:ユリノームなど)、プロベネシド(商品名:ベネシッド):尿酸の排泄を促進する
      ・使用中は十分に水分を取る
      ・副作用に胃腸症状など
    • 尿酸値を下げる薬は使い始めに痛風発作を引き起こすことがある
  • 1年以内に症状が再発する可能性は60%前後
  • 何度も繰り返す場合や痛風結節ができる場合は腎臓の障害を引き起こしやすい

痛風に関連する治療薬

尿酸生成阻害薬(高尿酸血症治療薬)

  • 体内でプリン体から尿酸を生成する酵素を阻害し、尿酸生成を抑えて高尿酸血症を改善したり、痛風発作などを予防する薬
    • 高尿酸血症では血液中の尿酸濃度が高く、痛風や腎臓障害の原因となる
    • 尿酸は肝臓でプリン体がキサンチンオキシダーゼ(XO)という酵素により代謝され生成される
    • 本剤はXOを阻害する作用により、尿酸の生成を阻害する

  • 薬剤によっては尿酸結石の予防で使用する場合もある
尿酸生成阻害薬(高尿酸血症治療薬)についてもっと詳しく

尿アルカリ化薬

  • 酸性に傾いている尿や体液をアルカリ性にし、高尿酸血症における酸性尿や尿路結石などを改善する薬
    • 高尿酸血症は血液中の尿酸濃度が高い状態で、尿の通り道に結石(尿路結石)ができやすくなる
    • 尿酸が多いと酸性に傾き尿酸が溶けにくいため、結晶になりやすく尿路結石もできやすくなる
    • 本剤は尿や体液をアルカリ性にする作用をもち、尿路結石をできにくくする

  • アシドーシス(血液が過度に酸性に傾いている状態)を改善する目的で使用する場合もある
尿アルカリ化薬についてもっと詳しく

尿酸排泄促進薬

  • 尿細管での尿酸の再吸収を抑え、尿酸の尿への排泄を促進し高尿酸血症を改善する薬
    • 高尿酸血症では血液中の尿酸が高い状態で、痛風や腎臓障害の原因となる
    • 尿中に排泄された尿酸の多くは腎臓の尿細管というところで再び血液中へ吸収(再吸収)される
    • 本剤は尿細管での尿酸の再吸収を阻害し尿酸排泄を促す

  • 高尿酸血症に伴う高血圧治療に使用する薬剤もある
尿酸排泄促進薬についてもっと詳しく

痛風の経過と病院探しのポイント

痛風が心配な方

痛風は、足や膝に生じる痛みや熱感が特徴です。ある日突然急激な痛みの発作で発症します。痛風の発作のときには、整形外科か救急科のクリニックが適しています。その時点では診断をつけることと、とりあえず痛みや炎症を抑えることが治療の目的です。

痛風の診断で最も重要なのは検査ではなく、症状の出現の仕方といった問診の内容や、診察の結果です。

それでも診断が紛らわしい場合には、関節の注射(関節穿刺)やレントゲン、CT、MRIなどを行うケースがあります。そのようなときには整形外科医が常駐している病院や、もし祝日や時間外であればその時間でもレントゲンが撮影できる体制が整っている病院が良いかもしれません。しかしそれはあくまでもまれなケースであり、病院の選択で大きな差がつくことは少ない病気です。

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痛風でお困りの方

痛風の治療は対症療法です。痛み止めや炎症を抑える薬を使用しながら、自然に症状が良くなることを待ちます。病院によって受けられる治療が変わってくるということはありませんので、特別に専門的な医療機関を探して受診する必要はない病気です。

一方で、痛風の原因となる高尿酸血症の治療には、長期的に取り組む必要があります。これは整形外科でも構いませんが、内科が専門となることも多いです。長期的な通院が必要となりますので、何よりも主治医との相性や病院の通いやすさが重要です。信頼できて食事や運動など日常生活の悩みをしっかり相談できる主治医を見つけることはとても大切で、細かな薬の使い分けなどよりも影響が大きい部分かもしれません。

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