かのうせいかんせつえん
化膿性関節炎
関節が細菌に感染し、炎症を起こした状態
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最終更新: 2022.03.18
化膿性関節炎の基礎知識
POINT 化膿性関節炎とは
細菌感染によって関節に炎症が起こった病気です。関節にはあまり白血球が存在しないため、自分の免疫力で細菌感染を抑えることができません。そのため、感染の進行は早く関節が破壊されてしまうこともあります。症状は関節の腫れや赤み・関節の痛み・発熱などです。特に免役力の落ちた人が関節周囲に傷を負った時には注意が必要です。 診察や画像検査(レントゲン検査、CT検査、MRI検査)の結果を踏まえて、関節液を細菌検査して診断します。治療として関節に溜まっている膿を抜くことと抗菌薬を使用します。化膿性関節炎が心配な人や治療したい人は、整形外科や感染症内科を受診して下さい。
化膿性関節炎について
- 関節が
細菌 に感染し、炎症 を起こした状態 - 感染は進行性のもので、その速さも早い
膿 が関節の中にたまり、痛みや腫れを引き起こす- 素早く適切な治療をしないと、関節が破壊されてしまうことも多い
- 起炎菌は以下が多い
黄色ブドウ球菌 - レンサ球菌
- 淋菌
- 以下のことが原因で起こる
免疫 力の低下- けがの傷口から細菌が入ること
- 関節の手術中に感染してしまうこと
- 幼児や高齢者に多い
- 膝関節に
発症 することが多い
化膿性関節炎の症状
- 乳幼児では、足を動かされるのを嫌がったり、
麻痺 のように見えたりする- 関節を押したりすると泣き叫ぶほど痛みがある
- 年長児、大人では以下の
症状 が見られる- 関節の痛み
- 関節の腫れ、
発赤 - 関節の動かしづらさ、運動時の痛み
- 発熱
- 悪寒
化膿性関節炎の検査・診断
- 血液検査:
炎症 の程度を調べる - 画像検査:関節と周りの骨に炎症が起きていないか、また関節のすき間の状態などを調べる
レントゲン 検査CT 検査MRI 検査
細菌検査 :関節穿刺 を行い関節中に溜まった液体を採取して、感染の原因となっている細菌 を調べる
化膿性関節炎の治療法
- 原則として、関節を安静にして
抗菌薬 を使用して治療する- 関節の中に溜まっている
膿 を取り除く手術をすることもある(関節鏡 下郭清術)
- 関節の中に溜まっている
- 治療後に関節の動きを改善するためのリハビリテーションも重要
- 関節
軟骨 の破壊が進んだり骨溶解(骨が溶けること)が残った場合は、関節を固定する手術や関節を再建する手術が行われることもある