2015.09.18 | ニュース

子どもの敗血症性関節炎の治療、抗生物質+デキサメタゾンで治りが早く

116人の観察研究
from Pediatrics
子どもの敗血症性関節炎の治療、抗生物質+デキサメタゾンで治りが早くの写真
(C) vinnstock - Fotolia.com

関節に細菌などが感染し、全身で炎症反応が起こる敗血症性関節炎は、子どもにも起こり、命に関わることもある危険な状態です。治療として抗菌薬に加え、ステロイド薬の一種であるデキサメタゾンを併用したときの効果を調べる研究が行われました。

◆抗菌薬だけの場合と、デキサメタゾンを併用する場合を比較

敗血症の治療として、ステロイド薬を使うことで結果がよくなるかどうかについては議論が分かれています。この研究は、子どもの敗血症性関節炎に対して、抗菌薬とデキサメタゾンを併用したときの効果を調べました。

敗血症性関節炎で入院した子どもの患者を対象として、診療データを集め、そのうち抗菌薬だけで治療された患者と、抗菌薬とデキサメタゾンの併用で治療された患者で、治療後の経過を比較しました。

 

◆デキサメタゾン併用で治療が早くなった

次の結果が得られました。

コホートは116人の患者から成り、うち90人は抗菌薬のみ、26人は抗菌薬とデキサメタゾンで治療された。

単独治療に比べて、抗菌薬とデキサメタゾンの併用治療は発熱期間がより短く(平均2.3日 vs 3.9日、P=0.002)、臨床的軽快がより早く(痛み/可動域制限がなくなるまで平均6.3日 vs 10.0日、P<0.001)、CRP値がより早く1mg/dl未満にまで減少し(平均5.3日 vs 8.4日、P<0.002)、非経口抗菌薬治療の期間が短く(平均7.1日 vs 11.4日、P<0.001)、入院期間が短く(平均8.0日 vs 10.7日、P=0.004)なることと関連した。抗菌薬+デキサメタゾン群の患者のうち4人で、ステロイド治療の完了後に、発熱と関節痛の再発症状が起こった。

対象となった116人のデータを解析したところ、抗菌薬とデキサメタゾンを併用したときのほうが、発熱などの症状や検査値が改善するのが早く、入院期間が短くなっていました

 

この研究の方法では、抗菌薬だけで治療された子どもと、デキサメタゾン併用で治療された子どもの重症度などが対等だったかどうかを考えに入れる必要があり、もし偏りがあった場合、結論に影響する可能性があります。

敗血症に対してステロイド薬をどう使うかについては複雑な議論がなされていますが、こうした研究も論点に加わるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Dexamethasone Therapy for Septic Arthritis in Children.

Pediatrics. 2015 Sep 7 [Epub ahead of print]

[PMID: 26347429]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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