2017.01.23 | ニュース

髄膜炎菌B群を予防、ワクチン2回注射で症例数は半減

イギリスで導入後の実績から
from Lancet
髄膜炎菌B群を予防、ワクチン2回注射で症例数は半減の写真
(C) famveldman - Fotolia.com

髄膜炎菌は、敗血症や髄膜炎などの命に関わる感染症を起こす細菌です。国によっては標準的に予防接種が行われています。イギリスで新しく導入されたワクチンの効果が報告されました。

イギリスで行われた髄膜炎菌の予防接種についての研究を紹介します。

髄膜炎菌にはA群、B群、C群ほかいくつかの種類があります。B群髄膜炎菌に対するワクチンは、ほかの種類の髄膜炎菌のワクチンよりも遅れて開発されました。イギリスでは2015年に世界で初めて、B群髄膜炎菌のワクチンを公共的費用により全国で行うプログラムが始まりました。

触れたことのないB群髄膜炎菌に対して免疫をつけること(プライミング)を目的に、乳児を対象として生後2か月と4か月の2回注射するよう決められています。

ここで紹介する研究では、新しいプログラムの導入後の接種状況と髄膜炎菌B型による感染症の発生率を調べています。

 

調査から次の結果が得られました。

ルーチンの予防接種対象となる乳児の間で4CMenBのカバー率は高く、生後6か月までで1回注射は95.5%、2回注射は88.6%だった。

ワクチン導入前の時期と比べて[...]接種対象コホートにおけるB群髄膜炎菌の症例の発生率比は50%減少した(平均74例に対して37例、発生率比0.50、95%信頼区間0.36-0.71、P=0.0001)。

予防接種の対象となる乳児のうち88.6%が、生後6か月までにB群髄膜炎菌の予防接種を2回受けていました。B群髄膜炎菌による病気の症例数は、プログラム開始前と比べて50%少ないと計算されました。

研究班は「4CMenBの2回注射によるプライミングスケジュールは乳児のB群髄膜炎菌疾患を予防するために高い効果があった」と結論しています。

 

B群髄膜炎菌に対する予防接種の結果が示されました。

髄膜炎菌による重い感染症は、日本では昔に比べて少なくなっていますが、アメリカ、イギリス、オーストラリア、サハラ砂漠以南の「髄膜炎ベルト」地域などでは大きな問題になっています。このため、海外渡航前に髄膜炎菌の予防接種を勧められる場合があります。

予防接種の効果が確かめられ、必要な人に届くようになることで、安心して子育てができる環境が進歩していきます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Effectiveness and impact of a reduced infant schedule of 4CMenB vaccine against group B meningococcal disease in England: a national observational cohort study.

Lancet. 2016 Oct 27.

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31921-3/

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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