かんせつりうまち
関節リウマチ
免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気
14人の医師がチェック 139回の改訂 最終更新: 2020.02.14

関節リウマチとは別の「リウマチ」がある?

もともと「リウマチ」という言葉は全身の筋肉や関節にこわばりを自覚する病気を指します。関節リウマチは「リウマチ」の中で圧倒的に多い病気であるため、一般的に「リウマチ」と言うと関節リウマチのことを指して使われていることが多いです。

しかし病名に「リウマチ」とつく病気は他にもいくつかあります。ここでは関節リウマチと紛らわしい病気である回帰性リウマチ、リウマチ性多発筋痛症リウマチ熱若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)について説明をします。いずれも関節リウマチとは別の病気です。

あわせて関節リウマチを含む膠原病(こうげんびょう)という言葉についても説明します。

回帰性リウマチとは関節の腫れ、痛み、熱感などの関節リウマチに見られる症状が周期的に現れる病気です。関節リウマチは治療を受けない限り症状が持続します。症状が持続するか、良くなったり悪くなったりを繰り返すか、という点が関節リウマチと回帰性リウマチの大きな違いです。
回帰性リウマチの一部の方でリウマチ因子や抗CCP抗体などの関節リウマチに特徴的な抗体が見られること、回帰性リウマチの半数近くの方が関節リウマチに移行することから、回帰性リウマチと診断される方の中には関節リウマチの初期の方が混ざっているとも考えられています。
治療として症状が出たときに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用します。

リウマチ多発性筋痛症は首、肩、股関節の痛みや全身のこわばりを伴うお年寄りに多い病気です。特徴・症状としては以下のものがあります。

  • 50歳以上の方に多い
  • しばしば38度近い発熱を認める
  • 全身のこわばりを自覚し、朝に症状が強い
  • 両肩の痛みのため、バンザイができない
  • 倦怠感があり、腰回りの痛みのため、寝返りが打てない

特に原因が思い当たらず、上記の症状が週単位で続く場合は、リウマチ性多発筋痛症の可能性があります。関節リウマチと似た症状であることも多いのですが、リウマチ性多発筋痛症では関節リウマチの検査であるリウマチ因子や抗CCP抗体は陽性になりません。また関節リウマチで見られるような関節の変形も見られません。ステロイド薬がよく効くことが多いです。そのため、ステロイド薬を中心に治療をされることが多いです。

リウマチ熱は関節、心臓の炎症、発熱を認める病気です。現在では溶連菌(ようれんきん)と呼ばれる細菌が原因とわかっています。溶連菌はA群β溶血性連鎖球菌(エーぐんベータようけつせいれんさきゅうきん)の略です。のどに感染して、咽頭炎(いんとうえん)によるのどの痛みや発熱などの症状を起こします。リウマチ熱は溶連菌の菌体の一部が心臓組織と類似していることで起こる炎症性疾患です。
原因が分からない頃は膠原病(こうげんびょう)の一つとして扱われ、名前にも「リウマチ」とついていますが、溶連菌が原因であると分かってからは膠原病には分類されないことが多いです。膠原病についてはあとの章で説明しています。
リウマチ熱の症状・特徴として以下のものがあります。

  • 部位が移動する関節の腫れや痛み
  • 38.5度を超える発熱
  • 息切れ、動悸(心臓の炎症)
  • 丸い形をした赤い発疹(輪状紅斑)
  • 手足が意図しないのに勝手に動いてしまう(不随意運動、舞踏病)
  • 皮膚にできるしこり(皮下結節)

上記の症状は溶連菌に対する反応の結果起こります。そのため最初にのどが痛い・高熱が出るなど、溶連菌に感染したと思われるエピソードがあり、2-4週経ってリウマチ熱の症状が現れる場合が多いです。
リウマチ熱が適切に治療されないと、心臓の炎症の結果、心臓の弁の機能がおかしくなり、僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)という後遺症が残ります。
診断のためにはリウマチ熱を疑わせる症状がいくつ揃っているか、また血液検査で溶連菌に最近感染したかを調べます。心電図超音波検査で心臓の炎症を確認することもあります。治療としては非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬が有効です。また再度溶連菌に感染すると症状が悪化するため、予防的に抗生物質の内服をします。
ただし、日本ではのどの痛みや熱がある場合に抗生物質が処方されることが多いので、結果的にリウマチ熱の発生頻度はかなり少なくなっています。

若年性特発性関節炎は子供(16歳未満)に起こる関節の腫れや痛みを自覚する病気です。以前は若年性関節リウマチという病名で呼ばれていました。
関節リウマチと同様、全身の関節の痛み、腫れが起こり、持続することで関節の変形を来します。一方、関節リウマチと異なり、38度を超える発熱を繰り返したり、赤い発疹(リウマトイド疹)が胸やお腹に出ることがあります。
治療としては非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、メトトレキサートなどが用いられます。重症例では生物学的製剤が使われることもあります。

ヒトの身体はたくさんのタンパク質が組み合わさって構成されています。その中で、皮膚、靭帯(じんたい)、骨、軟骨、血管などを構成する重要なタンパクの一つにコラーゲン(膠原)があります。
膠原病(こうげんびょう)はコラーゲンに慢性的な炎症が起こる病気の総称です。現在、膠原病やその仲間の病気とされているものの例を挙げます。

これらの病気は免疫がコラーゲンが豊富な場所を攻撃することで起こります。免疫は本来、細菌などの外敵から自分の体を守ってくれるものですが、膠原病では免疫に異常が起こることで、外敵と自分の身体の区別がつかずに攻撃してしまうのではないかと考えられています。またこれらの病気はコラーゲンの多い関節や皮膚に症状が出やすいという共通点があります。