こうねんきしょうがい
更年期障害
閉経の前後で女性ホルモンが減ることによって、自律神経と精神状態に異常が起こった状態
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最終更新: 2023.10.18
更年期障害の基礎知識
POINT 更年期障害とは
閉経の前後で女性ホルモンの減少することによって、さまざまな症状が現れることです。代表的な症状としては「ほてり」や「のぼせ」「動悸」「イライラ」などがあります。症状の強さに応じて対応が変わり、軽症の場合には漢方薬の処方を受けたり様子をみることもありますが、重症の場合は薬でホルモンを補います。更年期障害が心配な人は産婦人科を受診してください。
更年期障害について
- 閉経の前後で、卵胞から出る女性
ホルモン (エストロゲン )が減ることにより、自律神経 症状と精神症状が起きる病気 - 日本人の平均閉経年齢は約50歳であるが、その前後の約5年間に起こることが多い
- 男性更年期障害という疾患もあるが、本項では「更年期障害」としてより広く認知されている、女性の更年期障害ついて記している
更年期障害の症状
- 主な症状は「
自律神経 症状」と「精神神経症状」の2タイプ - 自律神経症状
- ほてり、のぼせる感覚
動悸 - 発汗
- 手足の冷え
- 精神神経症状
- 不安感
抑うつ 気分- イライラ
- 恐怖感
- 疲労感
- 不眠
- それ以外
- 腰痛
- 筋肉痛
- 頭痛
- 消化器症状(胃痛、胃部不快感)
更年期障害の検査・診断
- 血液検査:血中の
ホルモン 濃度を調べる - Kupperman更年期指数:治療効果を評価する目的に用いる
- 心理検査:心理状態に異常がないか調べる
- 精神的疾患が疑われる場合に併用
更年期障害の治療法
- 主な治療は
対症療法 とホルモン 剤による治療(ホルモン補充療法)- 対症療法
- 漢方薬
抗不安薬 - 抗うつ薬
- 胃腸調整薬
- 胎盤由来成分(プラセンタ)
- ホルモン補充療法
- ホルモン補充療法によって、乳がんや
血栓症 のリスクが上がることがあるので、リスクと治療のメリットのバランスを考える必要がある 自律神経 調整剤を使用する
- 対症療法
更年期障害に関連する治療薬
自律神経調整薬
- 脳(中枢)に作用し自律神経系の乱れを調整することで、頭痛、めまい、不安、意欲低下などの症状を改善する薬
- 自律神経失調症は自律神経系のバランスの崩れや過度な興奮などによりめまい、不安、意欲の低下など様々な症状があらわれる
- 自律神経のバランスが崩れると内臓や血管の働きが乱れ、頭痛、動悸、発汗などの症状があらわれる場合もある
- 本剤は脳の視床下部という部位に作用し自律神経系のバランスや過度な興奮を調整する作用をあらわす
- 頭部などの損傷や更年期障害などによる自律神経症状に使用する場合もある
卵胞ホルモン製剤(エストロゲン製剤)
- 卵胞ホルモンを補充し、更年期障害によるほてり、発汗などの症状や不妊症、卵巣欠落症状などを改善する薬
- 更年期障害では卵胞ホルモン(エストロゲン)が減ることで自律神経失調や精神症状がおこる
- 更年期障害では、血管運動症状(ほてり、発汗など)や冷え、不眠、疲労感などがあらわれる
- 卵巣機能不全による不妊症や卵巣摘出による卵巣欠落症状などでは卵胞ホルモンの不足がおこる
- 薬剤よっては不妊治療や骨粗しょう症に使用する場合もある
- 薬剤によって剤形が内服薬、貼付剤、塗布剤など様々であり各製剤毎に適切な使用方法などの理解が必要となる