だんせいこうねんきしょうがい
男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)
性欲低下や、倦怠感、ほてりなどを主な症状とする男性の更年期障害
9人の医師がチェック 115回の改訂 最終更新: 2025.02.12

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)の基礎知識

POINT 男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)とは

男性ホルモンの低下が心や体に影響を及ぼした状態です。40代後半から50代前半で発症することが多く、性欲の低下・発汗・ほてり・うつ状態など女性の更年期障害でよく見られる症状が現れます。問診や血液検査(男性ホルモンの値などを調べる)などで診断が行われ、治療には男性ホルモンや抗うつ薬などが用いられます。男性更年期障害が心配な人は、泌尿器科を受診して相談してみてください。また、うつ症状が目立つときは心療内科や精神科での診察を並行することがあります。

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)について

  • 性欲低下や倦怠感、ほてりなどを主な症状とする男性の更年期障害
    • 男性ホルモンテストステロン)が年齢とともに低下することによって、様々な症状が生じる
    • 加齢による男性ホルモンの低下やストレスが原因だと考えられている
  • 40-60歳の男性で発症することが多い
  • 以前は「歳のせい」と言われていたが、近年「加齢男性・性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれ、病気として認識されるようになった

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)の症状

  • 性欲低下
  • 勃起障害ED
  • 抑うつ
  • だるさ
  • 不眠
  • 集中力低下
  • いらつき

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)の検査・診断

  • 問診
    • ADAM質問票AMS質問票と呼ばれる質問のセットで症状を確認する
  • 血液検査
    • 男性ホルモンの測定や全身の状態の把握のため
  • 尿検査
    • 男性ホルモンの測定など

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)の治療法

  • ホルモンテストステロン)補充療法
    • テストステロンが低値の人に行う
    • 目安として遊離テストステロン値7.5pg/ml、または血清(総)テストステロン値250ng/dl以下の人が対象となるが、総合的な判断の元に行われる
    • テストステロンエナント酸エステルという薬を1回あたり125-250mg、2-4週間ごとに筋肉注射するのが一般的な治療
    • その他にはヒト絨毛性性腺刺激ホルモンや男性ホルモンが含まれたクリーム剤などがある
    • 治療を開始した場合、約3か月ごとに血液検査などで全身の臓器への影響を調べる
    • 以下に当てはまる人はホルモン補充療法が行えない(または慎重に行わなければならない)
  • 漢方薬:当帰芍薬散、抑肝散、柴胡桂枝乾姜湯、補中益気湯、八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、加味逍遙散など
  • なるべく一定のリズムで生活し、ストレスが溜まりにくい日常を目指すことが望ましい
  • 肥満の解消
  • 有酸素運動、筋力トレーニング

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)の経過と病院探しのポイント

男性更年期障害(LOH症候群:加齢男性・性腺機能低下症)が心配な方

男性更年期障害は泌尿器科で診療を受けることができるので、泌尿器科の受診をおすすめします。ただし、男性更年期障害の症状は他の病気でも現れるものがあります。例えば、気分の落ち込みや不眠などはうつ病などの精神面の病気でもよく見られるものです。精神的な落ち込みを中心に詳しく調べてほしい場合には、精神科や心療内科を受診するのもよい選択です。

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