はいこうけつあつしょう
肺高血圧症
肺動脈圧が高くなっている状態の総称。さまざまな原因によって起こる
13人の医師がチェック 201回の改訂 最終更新: 2024.10.08

肺高血圧症の治療について:原因別の治療方針、治療薬、肺移植など

肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送るための血管である「肺動脈」の血圧が高くなる病気です。どのような原因によって肺高血圧症になっているかによって治療戦略が大きく変わってきます。ここでは原因別に肺高血圧症の治療方針を説明し、使用される薬や、行われる手術内容などを解説します。

1. 肺高血圧症の原因と分類による治療方針

肺高血圧症は肺動脈の血圧が高くなる病気です。正確には、心臓カテーテル検査で測定した際の平均肺動脈圧が25 mmHgを超える人が肺高血圧症と診断されます。肺高血圧症そのものに対する治療が必要かどうか、また治療するならばどのような内容になるか、は肺高血圧症を引き起こしている原因によって大きく異なります。肺高血圧症を原因別に分け、治療方針が分かりやすくなるように、以下のような国際的な分類があります。

【肺高血圧症の分類(ニース分類)】

  • 第1群 肺動脈性肺高血圧症(PAH)
     第1’群 肺静脈閉塞性疾患(PVOD)および / または肺毛細血管腫症(PCH)
     第1’’群 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)
  • 第2群 左心性心疾患に伴う肺高血圧症
  • 第3群 肺疾患および / または低酸素血症に伴う肺高血圧症
  • 第4群 慢性血栓塞栓性肺高血圧症CTEPH)
  • 第5群 詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症

以下ではこの分類に沿った治療戦略を説明していきます。

第1群:肺動脈性肺高血圧症(PAH:Pulmonary Arterial Hypertension)

第1群は肺動脈そのものの異常が原因となって、肺動脈の血圧が上がる肺高血圧症です。PAHの人は多くないものの、早期発見が難しく、若い人に発症し、治療されなければ命の危険がある病気です。そのため、厚生労働省の指定難病に指定されています。近年、多くの治療薬が出てきて治療成績が大きく進歩している病気でもあります。第1群はさらに以下のように分類されます。

【第1群肺高血圧症の分類】

  • 特発性PAH
  • 遺伝性PAH
  • 薬物・毒物誘発性PAH
  • 各種疾患に伴うPAH

「特発性PAH」は他の原因がはっきりとしないPAH、「遺伝性PAH」は両親からの遺伝によるPAHです。特発性PAHは若い女性に発症しやすい病気ですが、100万人に1-2人ほどの発症頻度であり、それほどよくある病気ではありません。特発性PAHや遺伝性PAHの治療としては、肺動脈を広げる薬(肺血管拡張薬)を使用する「特異的薬物治療」、直接は肺動脈に作用しないが良い作用があると考えられる「支持療法」、肺や心臓を他の人から移植する「肺移植・心肺移植」があります。これらの治療の詳細は、このページの下(2. 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療)でより詳しく解説していきます。

「薬物・毒物誘発性PAH」は食欲抑制剤、アミノレックス、フェンフルラミンといった薬剤が原因で発症するPAHです。日本ではあまり多くないと推定されています。治療としてはまずは原因となる薬剤を中止します。これだけで改善する人もいますが、改善しない人では特発性PAHと同様の治療が行われます。

「各種疾患に伴うPAH」の「各種疾患」としては全身性強皮症混合性結合組織病全身性エリテマトーデスSLE)、HIV感染症門脈圧亢進症先天性心疾患、寄生虫感染などが知られています。日本では全身性強皮症混合性結合組織病SLEなどの膠原病と呼ばれる病気が原因となったPAHの人が比較的多いと考えられています。そのような人では、もともとの膠原病に対する治療を行ったうえで、特発性PAHに準じた治療が行われることが多いです。

第1’群、第1’’群には肺静脈閉塞性疾患(PVOD)および / または肺毛細血管腫症(PCH)、新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)という病気があります。第1群のPAHに似た特徴があるもののわずかに異なる点もあり、このように第1群の亜型に分類されています。治療も他の第1群の肺高血圧症とは異なり、PVODやPCHでは肺高血圧症の治療薬が効きにくいことが分かっています。したがって現状では肺移植以外に確立された治療が乏しい状況です。また、PPHNは新生児に対する治療ということもあり、やはり他の第1群とは治療戦略が異なります。新生児科のお医者さんが人工呼吸器などを管理し、一酸化窒素の吸入療法などを中心とした集中治療が行われます。

第2群:左心性心疾患に伴う肺高血圧症

第2群の肺高血圧症は、もともと心臓が悪いことに伴って肺動脈の血圧が上がる肺高血圧症です。虚血性心疾患不整脈心臓弁膜症、高血圧といった病気が原因で左心系(左心房左心室)の機能が低下している人で、第2群肺高血圧症を発症することがあります。これは左心系の機能が低下していると、心臓から全身へと血液がうまく流れていかないので、心臓や肺の血管では先が詰まった状態になり血圧が上がってしまうためです。

第2群肺高血圧症の人は第1-5群の中で最も多いと考えられています。日本には100万人を超える心不全の人がいますが、そのうち20-40%以上の人は肺高血圧症であるという報告もあります。もともとの心臓病に肺高血圧症を合併すると、その後の治療経過に悪影響を与えることも知られています。しかし一方で、肺高血圧症そのものに対する治療を受けても有効ではなく、もともとの心臓病の治療に専念するのがよいという報告が多くあります。そのため、第2群では肺高血症そのものに対する治療は原則として行われません。

第3群:肺疾患および / または低酸素血症による肺高血圧症

第3群の肺高血圧症は、もともと肺が悪いことなどが原因で肺動脈の血圧が上がる病気です。肺が悪い人でなぜ肺動脈の血圧が上がるのかというのは難しい話ではありますが、肺の血管がダメージを受けること、酸素不足になると肺の血管が縮むこと、などが関係していると推定されています。第3群の肺高血圧症は慢性閉塞性肺疾患COPD)、特発性肺線維症(IPF)の人でよく発症します。他にも肺結核の後遺症がある人、睡眠時無呼吸症候群の人などでも発症することがあります。

ある程度以上に重症の肺の病気がある人では、肺動脈圧は多少高めのことが多いと言われています。しかし、多少高い程度であれば、肺高血圧症としての治療は行わず、もともとの肺の病気の治療に専念するのがよいだろうと考えられます。一方で、平均肺動脈圧が35 mmHgを超える高度の肺高血圧症がある人では、第1群の肺高血圧症を合併している可能性があることが分かっています。このような人では、第1群の肺高血圧症の治療方針に準じて、肺高血圧症そのものに対する治療が考慮されることもあります。

第4群:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH:Chronic ThromboEmbolic Pulmonary Hypertension)

第4群の肺高血圧症は肺血栓塞栓症(肺塞栓症)という、肺動脈に血の塊(血栓)が詰まることに引き続いて起こると考えられる肺高血圧症です。肺塞栓症で肺動脈に詰まった血栓は治療によって、あるいは自然に溶かされますが、うまく溶けきらないで長期間残ると肺動脈の壁にへばりついて固まったり、肺動脈を塞いだままになってしまうことがあります。そうすると、肺動脈が狭くなり血圧が高まって肺高血圧症を発症します。これを慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH(シーテフ))と呼びます。第1群の肺動脈性肺高血圧症と同様に、CTEPHは厚生労働省の指定難病に指定されています。

CTEPHでは「古くなった血栓が詰まっている」という比較的分かりやすい原因があるので、他のグループと比べると治療戦略が大きく異なります。まず、血栓を溶かすために血液をサラサラにする飲み薬(抗凝固薬)を使用します。しかし、古くなった血栓はこれだけでは溶けきらないため、可能であれば手術を行って古くなった血栓を除去します。手術が成功すれば、症状の大きな改善が期待できるのは他の肺高血圧症と異なる点です。手術ができない人や効果が不十分な人では、カテーテルを用いて肺動脈を物理的に広げる治療や、薬物治療、肺移植なども検討されます。これらの治療の詳細については、このページの下(3. 肺血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療)でより詳しく解説していきます。

第5群:詳細不明な多因子のメカニズムによる肺高血圧症

第5群の肺高血圧症は、複合的な原因で肺動脈の血圧が上昇すると考えられ、十分にメカニズムが分かっていない病気の集まりです。第5群の肺高血圧症の原因となる病気としては、以下のようなものがあります。

【第5群肺高血圧症の分類】

これらの中には、今後原因がはっきりして第1群などの肺高血圧症に分類される病気も含まれている可能性があります。しかし、第5群の肺高血圧症に対して、第1群と同様の治療を行って有効であったというようなデータは今のところありません。

2. 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療

ここまで第1群から第5群まで肺高血圧症の分類について説明しました。その中で一部の例外はあるものの、基本的には第2、3、5群ではもともとの病気に対する治療を行い、肺高血圧症そのものに対する治療はあまり行われないことを解説しました。

そこで以下では、肺高血圧症そのものに対する積極的な治療が行われることの多い第1群の治療薬や移植手術について説明していきます。第1群の治療では、肺動脈を拡張させる「肺血管拡張薬」、その他の薬や酸素療法などの「支持療法」、他の人から肺や心臓の提供を受ける「移植手術」があります。以下でそれぞれについて見ていきます。

肺血管拡張薬(プロスタサイクリン系)

プロスタサイクリン系の薬剤は血管を拡張させる力が強く、重要な役割を果たしています。主な薬剤には以下のようなものがあります。

【主なプロスタサイクリン系薬剤】

エポプロステノールは最も効果の高い薬剤と考えられていますが、十分な効果を得るためには24時間持続的に薬剤を注入する必要があります。そのため、使用する人は薬剤を注入するためのカテーテルを胸に植え込む処置を受けます。また、家庭で自分や家族で薬剤を交換して適切にカテーテルを管理できるようになるために、事前に病院で練習を行います。

肺血管拡張薬(エンドセリン受容体拮抗薬)

エンドセリン受容体拮抗薬は、エンドセリンという血管を収縮させる物質の働きを妨げる薬です。副作用も少なめで効果が期待できるので、しばしば使われています。主な薬剤には以下のようなものがあります。

【主なエンドセリン受容体拮抗薬

PAHの治療では、肺血管拡張薬を複数組み合わせて使用されることがよくあります。エンドセリン受容体拮抗薬は副作用と効果のバランスもよく、最初から使われることも多いです。

肺血管拡張薬(ホスホジエステラーゼ-5阻害薬)

体内では一酸化窒素が血管を広げてくれる役割を持っています。ところがPAHの人では、肺の血管で働く一酸化窒素の量が減ってしまっていることが分かっています。そこで、ホスホジエステラーゼ-5(PDE-5)という一酸化窒素を減らす作用のある物質の働きを弱める薬がPAHの治療に使われています。主な薬剤には以下のようなものがあります。

【主なホスホジエステラーゼ-5阻害薬

よく使われている薬ではありますが、頭痛の副作用が出やすいことが知られています。

肺血管拡張薬(グアニル酸シクラーゼ刺激剤)

グアニル酸シクラーゼ刺激剤は、上記で説明した一酸化窒素を増やしてくれる系統の薬です。この系統の薬としてはリオシグアト(商品名:アデムパス®)という内服薬が使われています。副作用としては頭痛やふらつきなどが知られています。

抗凝固薬

PAHではワルファリンなどの血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)が、他の治療薬に併用されることがあります。ただしエポプロステノール持続静脈注射を行っている人では、出血して困ることがあるため、基本的にはワルファリンとエポプロステノールは併用されません。

利尿薬

肺高血圧症では病状が進行すると心臓の機能が低下してきます。全身に血液を巡らせるポンプの役割を果たす心臓が弱ると、余分な水分がうまく尿として排泄されなくなるなどして、体内で水分が過剰な状態となります。これを改善するために、水分が尿として出やすくなる「利尿薬」と呼ばれる薬が使われることもあります。心臓が悪い時に使われる利尿薬について詳細を知りたい人はこちらも参考にしてください。

カルシウム拮抗薬

PAHの診断は心臓カテーテル検査で確定されます。その検査の際に、一酸化窒素を吸入するなどして肺高血圧が改善するかどうかを確認する「急性肺血管反応性試験」が行われることがあります。もしこれが陽性、つまり一酸化窒素の吸入などで急激に肺高血圧が改善する人は、カルシウム拮抗薬というタイプの薬が有効である可能性があります。急性肺血管反応性試験で陽性になる人の割合はあまり多くありませんが、カルシウム拮抗薬は安価で副作用も少なく、使えれば有効性も高い薬となります。

在宅酸素療法

ある程度以上に重症のPAHでは、酸素をうまく肺で取り込んで全身に巡らせることが難しくなります。そこで、身体に必要な酸素濃度を維持するために酸素療法が必要となります。家で出来る酸素療法のことを在宅酸素療法といい、英語での「Home Oxygen Therapy」の頭文字をとってHOT(ホット)と呼ばれます。どんな人がHOTを行うべきか、というのは実はまだ十分なデータがある状況ではありません。動脈血液ガス分析でPaO2が60Torr以下、あるいはSpO2が90%以下、という検査値が一つの目安とされることが多いです。自宅に高濃度の酸素を作り出す機械を設置したり、酸素ボンベを持ち歩くのはそれなりに負担のあることなので、HOTを始めるかどうかについては担当のお医者さんとよく相談してください。

肺移植、心肺移植

薬による治療でうまくいかない重症のPAHの人では、肺移植や心肺同時移植が検討されることがあります。PAHの人では原則として両方の肺を同時に移植することとなり、移植の待機者として登録される時点で55歳未満であることが必要です。心臓の機能も著しく低下していて治療困難な人では心肺同時移植が考慮されることもありますが、実際に行われるケースは多くありません。

移植手術を受けるためには、臓器を提供してくれるドナーが必要となります。多くは脳死になったドナーからの提供を待つこととなりますが、日本ではドナーの数は近年増えてきたとはいえ不足しています。そのため、移植待機者として登録しても2年ほど待たないといけないケースが多く、その間に病状が進行して亡くなることもあるなど問題が残っています。親族から臓器提供を受ける「生体肺移植」という方法もありますが、十分な量の肺をもらうためには通常2名のドナーが必要となります。そのため、決して気軽に行うことができる移植手術ではありません。

日本では肺移植手術を受けた人の5年後の生存率は80%以上と報告されるなど、世界的に見ても素晴らしい治療成績です。ただし、移植を受けたから完全に元通りの生活が送れるというわけではなく、拒絶反応や手術後の感染症などのトラブルはつきものです。こうした合併症と付き合いながら、なるべく生活の質を維持していく治療が移植手術後の目標となります。

3. 肺血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療

CTEPH(シーテフ)では古くなった血栓が肺動脈の壁にへばりついて固まったり、肺動脈を塞いだままになってしまうことで肺動脈が狭くなり血圧が高まって肺高血圧症を発症します。他の肺高血圧症と異なり、古くなった血栓を物理的に除去することで改善が期待できます。ここではCTEPHに対する手術「外科的肺動脈内膜摘除術(PEA)」、カテーテル治療である「バルーン肺動脈形成術(BPA)」、薬物治療、酸素療法、肺移植について説明します。

外科的肺動脈内膜摘除術(PEA)

外科的肺動脈内膜摘除術は、人工心肺を使って心臓や肺の血液の流れを一時的に止め、肺動脈内の古い血栓を血管の内膜ごと切り取ってくる大掛かりな手術です。英語で「Pulmonary EndArterectomy」というので、「PEA」と略されることがよくあります。危険を伴う手術であり、入院中の死亡率が10%前後とも報告されていますが、CTEPHの根治も期待できる唯一の治療法です。日本では毎年50人前後がこの手術を受けています。通常は心臓血管外科のお医者さんが中心となって手術が行われます。しかし、この手術に慣れているお医者さんは決して多くないため、治療の際には特定の医療機関に紹介されることが一般的です。

バルーン肺動脈形成術(BPA)

カテーテルを用いて肺動脈に風船状に膨らむ管を通し、肺動脈内で膨らませることで狭くなったり詰まった肺動脈を物理的に開く治療法です。英語で「Balloon Pulmonary Angioplasty」というので、「BPA」と略されることがよくあります。PEAのように根治を目指せる治療ではありませんが、以下のような人にBPAが適しています。

【バルーン肺動脈形成術の適応】

  • 肺動脈の狭くなっている部分が手術では到達できない細い部位にある
  • PEAに耐えられる体力がない
  • PEAの手術をしたが症状が残っている など

PEAが可能な状況ならば、BPAよりもPEAが優先されることが一般的です。一方で、日本の経験豊富な医療機関ではBPAでもPEAに近いほどの治療成績が報告されており、効果が期待できる治療法と言えます。

抗凝固薬

CTEPHの根本的な原因は血栓であるため、血液をサラサラにする薬「抗凝固薬」の内服が必要となります。PEAやBPAなどの治療を行った後でも、ワルファリンという抗凝固薬を無期限に使用し続けるのが原則です。その際、ワルファリンの効き具合は人によって差が大きいので、血液検査で効き具合を確認しながら用量が調整されます。具体的には、PT-INRという検査値が1.5-2.5くらいになるようにコントロールされることが多いです。近年ではワルファリンと異なり、血液検査で効き具合を確認しなくてもよい抗凝固薬が多数実用されています。しかし、CTEPHにおいては使用データが豊富なワルファリンが使われることが多いのが現状です。

肺血管拡張薬

CTEPHでは、肺動脈の中に血栓がへばりつくことによって肺動脈が狭くなり肺高血圧となっています。そのため、ここまでに挙げた治療法以外にも、肺動脈を拡張させる薬剤による治療も行われます。しかし、第1群肺高血圧症(PAH)で使われる薬が全てCTEPHにも有効なわけではありません。CTEPHでは肺動脈を広げる薬「グアニル酸シクラーゼ」の一種であるアデムパス®(一般名:リオシグアト)という飲み薬が保険適用となっています。

在宅酸素療法

ある程度以上に重症のCTEPHでは、酸素をうまく肺で取り込んで全身に巡らせることが難しくなります。そこで、身体に必要な酸素濃度を維持するために酸素療法が必要となります。家で出来る酸素療法(在宅酸素療法)はCTEPHにおいても、他の肺高血圧症と同様に使われることがあります。

肺移植

第1群肺高血圧症(PAH)と同様にCTEPHでも肺移植が行われることがあります。しかし、PAHの項目でも説明した通り、肺移植にはドナー不足の問題、拒絶反応や感染症の問題などもつきまといます。したがって、肺移植をしたからといって心配のタネがなくなるわけではありません。CTEPHにおいてはPEAやBPAなどの治療成績が良く、肺移植後のデメリットも考慮すると、肺移植の適応となる人は多くありません。PEAやBPAなどの治療が困難な人や、それらの治療後に再発してしまった人などで肺移植が検討されることとなります。

参考文献

肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)(2020.8.20閲覧)