じゅうかくえん
縦隔炎
左右の肺の間にある縦隔に細菌が入り込み、感染から炎症を引き起こした状態
6人の医師がチェック 82回の改訂 最終更新: 2017.10.18

縦隔炎の基礎知識

POINT 縦隔炎とは

心臓や気管、食道などを固定するように存在する組織のことを縦隔といい、ここで起こった炎症を縦隔炎といいます。本来は縦隔内は無菌状態なので、感染が重症化することがあります。原因としては、手術の影響や食道穿孔や気道損傷、気胸などがあげられます。縦隔炎になると、発熱・胸痛・息苦しさなどが出現します。診断をつけるために、画像検査や血液検査、胃カメラなどを行います。 治療は縦隔炎の原因となっているものによって変わりますが、感染に対しては抗菌薬を用いることになります。手術をして縦隔を洗浄することが必要になる場合もあります。縦隔炎を疑った場合は、呼吸器内科・感染症内科・消化器内科を受診してください。

縦隔炎について

  • 左右の肺の間にある縦隔細菌が入り込み、感染から炎症を引き起こした状態
    • 縦隔には心臓や気管、気管支、食道、胸腺など様々な臓器がある
    • 本来は無菌状態である縦隔で感染が起こるので、重症になることがある
  • 以下のことが原因で起こることが多い
    • 心臓、食道、肺など胸(胸腔内)の手術をした患者
      ・胸骨を切る手術をした患者に起こりやすい
    • 抜歯後の感染や、扁桃周囲炎などの口や喉の感染
    • 食道穿孔
    • 気道損傷
    • 結核等の感染症 
    • 縦隔気腫
    • 気胸
  • 糖尿病患者など免疫力が低下している人に起こりやすい
  • 感染を起こす細菌は単一でなく複数菌であることも多い

縦隔炎の症状

  • 主な症状
    • 発熱
    • 顔、首、胸の皮膚が赤くなる
    • 胸痛
    • 息苦しさ
  • 感染が重症化した場合は敗血症ショックが起こることもある

縦隔炎の検査・診断

  • 画像検査
    • 胸部レントゲンX線写真)検査
    • 胸部CTMRI検査:炎症がありそうか、膿瘍があるかどうかを検査
  • 血液検査
    • 全身の炎症の程度や臓器への影響の有無を調べる
  • 上部消化管内視鏡検査胃カメラ
    • 気管の損傷が疑われれば気管支鏡を、食道の損傷が疑わしければ胃カメラを行う
  • 培養検査
    • 液体の貯留がある場合は排液(ドレナージ)を行い、得られた液を培養して原因菌を特定する

縦隔炎の治療法

  • 内科的治療
    • 抗菌薬を使用
    • 気管や食道に穴が開いて縦隔炎になった場合は、小さければ保存的治療
      ・穴がふさがるまでは、絶飲絶食として点滴で栄養を補給
  • 手術
    • 頚部ドレナージ(排)治療
    • 開胸術による縦隔胸腔ドレナージ・洗浄治療
  • 以下のような場合は経過が不良であることが知られている
  • 一旦重症化すると治りづらく、治療に難渋することが多い
    • 重症になると死亡することもあるので、ドレナージと抗菌薬治療を確実に行う必要がある

縦隔炎のタグ

縦隔炎に関わるからだの部位

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