しょくどうがん

食道がん

食道の表面の粘膜にできたがん。たばこ、飲酒などが一因であると言われている

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15人の医師がチェック 211回の改訂 最終更新: 2017.08.04

食道がんの基礎知識

POINT食道がんとは

食道がんは食道の粘膜にがんができる病気です。喫煙者やアルコール多飲者に多いことが分かっています。食道がんの初期には症状が出ることはありませんが、病状が進行すると飲み込んだ際の違和感やしみる感じを感じるようになります。また、さらに進行すると声がれや体重減少が起こります。 症状や身体診察に加えて、血液検査・画像検査・内視鏡検査を行って診断します。治療法には手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療があります。食道がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

食道がんについて

  • 食道の粘膜の部分から発生するがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある
    • 食道の壁は層構造になっていて、内側に粘膜があり外側に筋肉の層がある
    • 粘膜に出来たがんが進行すると大きくなり、筋肉など壁の深いところにまで入り込んでいく
    • さらに進行すると、血管やリンパ管にがん細胞が流れだし他の臓器やリンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れる転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いする
  • 男性に多く、年間約2万人に食道がんが発生し、1万人が食道がんで死亡している
  • 原因

食道がんの症状

  • 主な症状
    • 初期の食道がん(がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるが粘膜の部分だけ)には症状が出ないことが多い
    • 進行の程度によって軽い症状が出ることがある
      ・食べ物がわずかにしみる感じる
      ・飲み込んだときにものが通る感じがする
    • がんがさらに進行して大きくなると食道の内側が狭くなる
      ・(特に固めのものが)飲み込みづらい
      ・体重が減る
    • がんの影響がしゃべる時に必要な神経(反回神経)に及ぶと、声がかすれること(嗄声)もある

食道がんの検査・診断

  • 上部消化管造影検査造影剤を飲んだ上で、X線(レントゲン)で食道や胃、十二指腸の状態を調べる検査(食道造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること検査)
    • 造影剤を用いて放射線検査を行い、食道の内腔に変形がないかなどを調べる
  • 上部消化管内視鏡検査口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる
    • 食道の内側の壁に変化がないかを観察する
    • 内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある検査を用いて超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができるをすることもある(超音波内視鏡検査上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)などに用いられる内視鏡の一種で、カメラの脇にエコー装置がついていて、超音波と直視の両方で病気を診断するための検査
    • 場合によっては疑わしい部分の組織を採取して顕微鏡検査を行う(生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われる
      ・生検:胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれるの際にがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの疑いのある部分の一部を取り、がん細胞の有無や悪性度悪性腫瘍(がん)の進行・転移・再発のしやすさを総合的に判断する指標を詳しく調べる
  • 画像検査:がんの大きさや広がり、転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いなどを調べる
    • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査頚部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、首の前方にある甲状腺の形状や状態を調べる検査
    • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査
    • PET検査放射線を発する物質(放射性物質)を体内に入れて、特定の臓器や腫瘍にそれが集まる性質を利用して病気の有無や位置を調べる検査:全身にがんが広がっているかを調べる
  • 血液検査
    • 全身状態や腫瘍マーカーがんになると高値を示す採血上の項目。がんによっては固有の腫瘍マーカーがあるので、採血検査によってがんがありそうかどうかを調べることができるを調べる
      ⇨内視鏡検査や画像検査でがんの広がり・リンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れる・他の臓器への転移があるかどうかを調べて、がんの進行度(ステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響する)を判断する

食道がんの治療法

  • 早期がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの治療
    • 内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある治療
      ・早期がんのうちよりがんの深さが浅くリンパ節転移がんが周りのリンパ節に転移している状態。通常、がんは周りのリンパ節に転移した後、さらに遠くの臓器に転移する(遠隔転移)の可能性が極めてまれと思われる病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことに対して行う
      ・内視鏡を使ってがんの部分のみを切り取る治療法
      ・内視鏡治療のほうが身体への負担が少ないが、初期のがんにのみ行うことができる
    • 内視鏡治療でがんが取りきれなかった場合には、手術(外科治療)・化学放療法・放射線治療主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法または化学放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法などの追加治療が必要になることもある
    • 早期がんでも内視鏡で取り除くことが困難と考えられる場合には、内視鏡治療を行わずに手術を行うこともある
  • 進行がんの治療
    • 進行したがんの場合も、外科手術・化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称・放射線療法を組み合わせて治療を行う
      ・リンパ節転移の広がりや他の臓器への転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いの有無に加えて、全身状態やそれぞれの治療法のメリット・デメリットを考慮して治療が選択される
    • 腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類される自体は大きいが他の臓器への転移がなく切除できると考えられる病変に対しては、手術前に化学療法を行ってがんを小さくしてから手術をすることが多い
    • かなり広くリンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れるへの転移が起こっていたり、他の臓器への転移がある場合は手術を行わないのが一般的
    • 他の臓器への転移がないが外科手術治療を選択しない場合、化学療法と放射線療法を併用して治療を行う
    • 他の臓器への転移がある場合は化学療法を行う
      ・放射線治療を追加することがある
  • その他の治療
    • あらゆる場面で苦痛を和らげるための治療(緩和治療)を行うことができる
      ・緩和治療は決して諦めた人の治療ではないので、全ての段階の人が受けることができる
    • 食道ががんで狭くなっている場合、内視鏡を使って「ステント細い金属のワイヤーを編み込んだ、チューブ型の医療器材。カテーテルで血管の中に挿入し、血管が狭くなるのを予防する」という柔軟性のある金属製の筒で拡げる治療がある
  • 予後病気の長期的な経過や、回復の見込み(診断後の経過)
    • 食道がんの中でも早期がんでは、治療を行えば5年生存率診断、治療開始から5年経過後に生存している患者の割合。命に関わるがんなどの病気で用いられることが多い数値は75%前後である
    • がんが進行するにつれて5年生存率は下がっていく