縦隔気腫 - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
じゅうかくきしゅ
縦隔気腫
胸部の中央(心臓や気管の周囲)にある縦隔という部分に空気がたまった状態
5人の医師がチェック 23回の改訂 最終更新: 2020.10.17

縦隔気腫の基礎知識

POINT 縦隔気腫とは

心臓や気管、食道などの両肺の間にある臓器を固定するように存在する組織のことを縦隔といい、ここに空気が入り込んだ状態を縦隔気腫といいます。交通事故や医療事故、病気(気胸・食道がん・気管穿孔など)の影響などで縦隔気腫は起こりますが、原因のわからない場合も多くあります。主な症状は胸の痛み・呼吸困難感などです。 診断はレントゲン(X線)検査やCT検査などの画像検査を用いて行われます。縦隔気腫の原因となっている病気を治療することが最優先ですが、症状が軽ければ安静にして経過を見ていく場合が多いです。症状が強かったり悪化する場合は手術が必要なこともあります。また、縦隔に感染が起こって縦隔炎になると重症になるので、感染がある場合は抗菌薬を用いて治療します。縦隔気腫が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

縦隔気腫について

  • 胸部の中央にある縦隔という部分に空気がたまった状態
  • 主な分類と原因
    • 外傷性縦隔気腫:外傷によって、気管や気管支、食道などにできた傷が原因となる
      • 交通事故
      • 医療事故
    • 症候性縦隔気腫:喘息や肺の病気による激しい咳込みでできた傷が原因となる
    • 特発性縦隔気腫
      • 関連する病気や外傷が分からない状態で突然発生したものを指す
      • 若年男性で痩身高身長の方に起こりやすい
      • 原因がハッキリしない場合、実は喘息が隠れていることがよくある

縦隔気腫の症状

  • 主な症状
    • 胸の痛み
    • 喉の痛み
    • 嚥下困難(飲み込みにくい)
    • 呼吸困難 など

縦隔気腫の検査・診断

  • 主な検査
    • 胸部レントゲンX線)検査
    • 胸部CT検査  溜まっている空気の量が多ければレントゲンでも診断できるが、多くない場合にはCTを撮影しないと診断が難しい

縦隔気腫の治療法

  • 縦隔気腫になった原因の治療が最も重要である
    • 原因が取り除ければ、空気は自然に吸収されていずれ消失する
    • 気管や気管支の傷が大きい場合には、手術を行う場合がある
  • 溜まった空気が多すぎる場合には、空気が溜まった場所まで管を刺して空気を抜くこともある(縦隔ドレナージ
  • 感染が疑われるあるいは感染の危険性が高い状態(食道穿孔など)では抗菌薬抗生物質)の投与や、手術をして縦隔の洗浄を行うことがある
  • 高い圧がかかると空気漏れが悪化することがあるので、激しい運動や大声を出すこと、ダイビングすることなどは避けることが無難である

縦隔気腫のタグ

縦隔気腫に関わるからだの部位