いがん
胃がん
胃の壁の粘膜にできたがんのこと。ピロリ菌への感染や喫煙、塩分の多い食事などでリスクが上がる
24人の医師がチェック 326回の改訂 最終更新: 2024.11.08

胃がんとは?胃がんが心配な人や診断された人へ、治療法の選び方など

胃がんを経験する人は現在大腸がん肺がんに次いで3番目に多く、死亡者数でも第3位です。胃がんは進行度によって治療法は多様です。胃がんの症状・治療などのあらましを解説します。 

胃がんにだけ特徴的な症状はないと考えられています。特に早期胃がんでは症状で気付くことは期待しにくいと考えていいでしょう。

胃がんの症状の例を挙げます。

  • 腹痛
  • 体重減少
  • 食思不振
  • みぞおちのあたりの不快感
  • お腹に塊を触れる(腹部腫瘤感(ふくぶしゅりゅうかん))
  • からだがだるい感じ(全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん))
  • 嘔吐
  • 血を吐く(吐血(とけつ))

胃がんの症状は多様です。胃がんの症状で多いのは腹痛ですが、これはがんによる痛みよりは同時に発生することがある胃炎や胃潰瘍などの症状とも考えられています。その他かなり進行した状態では吐血をきっかけに発見されることもあります。

ほか胃がんの症状について詳しくは「胃痛は胃がんと関係ある?胃がんの症状を解説」で説明します。

国立がん研究センターによる「がん情報サービス」では、2019年に胃がんと新しく診断された人は男性が85,325人、女性が38,994人、計124,319人と発表されています。また、2020年に胃がんで死亡した人は男性が27,771人、女性が14,548人、計42,319人と発表されています。胃がんはがんの中でもかかる人・死亡する人がともに多い種類のがんです。

胃がん生存率はステージごとに集計され発表されています。ステージは胃がんの進行度を表し、ステージIからステージIVに大きく分けられます。詳しくは後述します。

がんの治療では5年後に生存している人の割合(5年生存率)を目安にすることが多く、「がんの統計’22」も5年生存率を掲載しています。

ステージ 5年生存率(%)
ステージI 96.0
ステージII 69.2
ステージIII 41.9
ステージIV 6.3

解説をします。

この生存率は胃がんと診断された時点のステージで分類を行った結果です。この統計を読み取るときにはいくつか注意することがあります。

まずこの統計結果は2012-2013年に診断された人々の結果です。現在より10年も前の結果になりますが、がんの生存率について網羅的に記した「がんの統計」としてはこれが最新版です。胃がんの治療は近年目覚ましい進歩を遂げています。この数値には新しい薬の治療の効果などは含まれていません。

統計はあくまで多くの人の情報を集めたものです。一人一人にどの程度当てはまるかは予測できません。診断時には高い5年生存率が予想されていても予想に反して早く亡くなってしまう人がいる一方で、ステージIVと診断されてから5年以上生存する人もいます。

がんと診断された場合には、どうしても生存率に目が行きがちです。しかしそれは、胃がんと診断された人を大きく4つに分類して統計がとられただけに過ぎません。人それぞれ顔が異なるようにがんの性質も異なり、個性があります。生存率は一つの目安として考えても良いかもしれませんが、あくまでも目安です。自分の状態に向き合い行える治療について考え日々を大事に過ごしていくことが大事です。

ほか胃がんの生存率については「胃がんの生存率は?」でも説明しています。

胃がんの説明のために、胃の正常な構造や機能を説明します。

胃は食道と小腸の間にある袋状の臓器です。胃の入り口の部分は食道との境目にあり噴門部といいます。胃の真ん中を胃体部、胃の出口を幽門部といいます。

胃には小弯(しょうわん)、大弯(だいわん)と呼ばれる部分があります。小弯は、胃の向かって左側にある、小さく曲がっている場所のことを指します。大弯は向かって右側の、胃が長く大きく曲がっている場所のことを指しています。

胃の壁を拡大してみると、内側から粘膜上皮、粘膜筋板(ねんまくきんばん)、粘膜下層(ねんまくかそう)、固有筋層、漿膜(しょうまく)といくつもの層が重なりあって構成されています。胃の最も外側にある漿膜は胃全体を包んでいます。

胃がんの進行度を評価する時は、胃の壁のどこまで深く胃がんが入り込んでいるかが重要になります。

胃の主な役割は、噛み砕かれた食べ物を胃液という消化液とともに一時的に溜めておくことです。胃液は強い酸性で胃酸とも言われます。胃酸には殺菌などの作用があります。胃は蠕動運動(ぜんどううんどう)といって食べ物を送り出すように動いています。胃の動きで食べ物をかき混ぜて粥状にします。胃で十分に消化された食べ物は胃から十二指腸へ運ばれ、栄養が吸収されていきます。ほかには小腸でビタミンが吸収されるのを助けるための物質を作ったり、アルコール(エタノール)を吸収するのも胃の役割です。

胃がんにはいくつかの種類があります。胃がんの種類は組織型(そしきけい)によって分類されます。組織型とは、胃がんの組織を取り出して顕微鏡で観察したときの特徴のことです。多くの胃がんは、顕微鏡で観察すると正常な胃の組織と似た特徴があります。胃がんを作っている1個ずつの細胞の見た目、細胞の配列の特徴などに注目して観察します。

胃がんの組織型は次のように分類されます。

一般型

  • 分化型
    • 乳頭腺癌
    • 管状腺癌
      • 高分化 
      • 中分化
  • 未分化型癌
    • 低分化腺癌
      • 充実型 
      • 非充実型
    • 印環細胞癌
    • 粘液癌

特殊型

  • カルチノイド腫瘍
  • 内分泌細胞癌
  • リンパ球浸潤癌
  • 肝様腺癌
  • 腺扁平上皮癌
  • 扁平上皮癌
  • 未分化癌

最も多いのは、管状腺癌です。胃がんの組織型は紹介したように多くありますが、一般型がほとんどです。一般型を分化型癌と未分化型癌に分けます。分化型癌は正常な胃に比較近い形をとります。未分化型癌は正常な胃と形がかなり異なります。進行が速いスキルス胃がんになる場合もあります。分化型癌と未分化型癌の区別は内視鏡治療ができるかどうかに関わります。

スキルス胃がんは、胃がんの中でも見つかりにくく治療の難しいタイプの胃がんです。進行が早い理由は小さながん細胞が胃の壁の中でばらばらと散らばり増殖していくからと考えられています。スキルス胃がんは内視鏡で見て正常に見える粘膜の下に広がっていることがあります。スキルス胃がんは進行が早く治療が難しいです。詳しくは「スキルス胃がんとは?」で説明しています。

  • 胃がんを見つける主な検査
    • 胃内視鏡検査
    • バリウム検査
  • 胃がんのステージを決める主な検査
    • CT検査
    • 超音波内視鏡検査
    • 腹部超音波検査

胃がんを見つける検査は胃内視鏡検査とバリウム検査があります。胃がんと確定診断するためには胃の病変をつまみ取り顕微鏡で観察します。胃がんはステージによって治療方針が変わります。ステージとはがんが進行している度合いを分類したものです。ステージを決めるためにがんの胃壁での深さ、転移の有無などを調べます。

早期がんで一定の条件を満たしたものは内視鏡による治療が可能です。手術の方法も様々です。進行度に応じて胃を切除する方法やリンパ節郭清(かくせい)の範囲が変わります。

胃がんが診断された後に遠隔転移が見つかった場合には抗がん剤による治療が検討されます。

胃がんのステージは「がんの胃壁での深さ」、「リンパ節転移の有無・個数」、「遠隔転移の有無」の3つの因子をまず評価してその組み合わせで決定します。

詳しくは「胃がんのステージとは?」で説明しています。

がんの大きな特徴のひとつが転移を起こすことです。転移とは、がんが元あった場所とは違うところにも移動して増殖することです。元あった場所のがんを原発巣(げんぱつそう)または原発腫瘍と言います。転移によってできたがんを転移巣(てんいそう)と言います。

がんの進行度を判定するには、原発巣と転移巣の両方を考えに入れる必要があります。TNM分類という方法で両方を評価します。

TNM分類は、原発巣の状態(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔転移(M因子)の3点の組み合わせによってがんの状態を評価する方法です。TNM分類を元にしてステージを決定します。

以下では基準として使われている専門用語をそのまま紹介しますが、続きを理解するには詳細にこだわる必要はありません。

参考:胃癌取扱い規約 第14版

TはTumor(腫瘍)の頭文字です。胃でのがんの状態を表しています。がんがもともと発生した場所のことを原発巣(げんぱつそう)と言います。T因子は原発巣の評価です。胃がんのT因子は腫瘍の大きさではなく胃の壁に浸潤する深さで決定されます。粘膜下までの浸潤例はT1で早期がん、固有筋層より深い浸潤例は進行がんと定義されます。

  • TX:癌の浸潤の深さが不明なもの
  • T0:癌がない
  • T1:癌の局在が粘膜(M)または粘膜下組織(SM)にとどまるもの
    • T1a:癌が粘膜にとどまるもの
    • T1b:癌の浸潤が粘膜下組織にとどまるもの(SM)
  • T2:癌の浸潤が粘膜下組織を超えているが、固有筋層にとどまるもの(MP)
  • T3:癌の浸潤が固有筋層を超えているが、漿膜下組織にとどまるもの(SS)
  • T4:癌の浸潤が漿膜表面に接しているかまたは露出、あるいは他臓器に及ぶもの
    • T4a:癌の浸潤が漿膜表面に接しているか、またはこれを破って遊離腹腔内に露出しているもの(SE)
    • T4b:癌の浸潤が直接他臓器までおよぶもの(SI)

浸潤という言葉について説明します。がんは周りの組織に入り込んでいく性質を持っています。浸潤とはがん細胞が隣り合った正常組織を破壊しながら中に入り込んで広がっていくことです。胃がんでは深い範囲に浸潤を認めるほどに進行していると判断されます。

N因子はリンパ節転移についての評価です。Nはリンパ節(lymph node)を指すNodeの頭文字です。

がんは時間とともに徐々に大きくなり、リンパ管の壁を破壊し侵入していきます。リンパ管にはところどころにリンパ節という関所があります。リンパ管に侵入したがん細胞はリンパ節で一時的にせき止められます。がん細胞がリンパ節に定着して増殖している状態がリンパ節転移です。リンパ節転移があるとリンパ節は硬く大きくなります。リンパ節が大きくなる原因にはがん以外にも感染症などがあります。がんのリンパ節転移は大きくなると1cmを超え、典型的には硬いなどの特徴があります。

がん細胞が最初の段階でたどり着くリンパ節を領域リンパ節と呼びます。領域リンパ節のみの転移であれば領域リンパ節を切除することでがんを体から取り除く可能性が残されています。領域リンパ節以外のリンパ節に転移をしている場合は、手術で取り切れる可能性は少なく、全身化学療法(抗がん剤)が検討されます。治療前にリンパ節転移を評価するにはCT検査が使われます。

  • NX:領域リンパ節転移の有無が不明
  • N0:領域リンパ節に転移を認めない
  • N1 : 領域リンパ節に1-2個の転移を認める 
  • N2 : 領域リンパ節に3-6 個のリンパ節転移を認める
  • N3:領域リンパ節に7個以上の転移を認める
    • N3a:領域リンパ節に7-15個の転移を認める
    • N3b:領域リンパ節に16個以上の転移を認める

がん細胞が最初の段階でたどり着くリンパ節を領域リンパ節と呼びます。臓器ごとに領域リンパ節の場所は決まっています。胃では胃に近い場所のリンパ節が領域リンパ節になります。

領域リンパ節のみの転移であれば領域リンパ節を切除することで全てのがん細胞を体から取り除く可能性が残されています。領域リンパ節以外のリンパ節に転移をしている場合は、手術で取り切れる可能性は少なく、全身化学療法(抗がん剤)が検討されます。

治療前にリンパ節転移を評価するにはCT検査やMRI検査が使われます。

胃がんにおける領域リンパ節には以下の番号と名前がついています。名前を覚える必要はありませんが、領域リンパ節の中にも細かい分類があることに注目してください。

番号 名称
1 右噴門
2 左噴門
3a 小弯(左胃動脈に沿う)
3b 小弯(右胃動脈に沿う)
4sa 大弯左群(短胃動脈に沿う)
4sb 大弯左群(左胃大網動脈に沿う)
4d 大弯左群(右胃大網動脈に沿う)
5 幽門上
6

幽門下

7 左胃動脈幹

8a

総肝動脈幹前上部
8p 総肝動脈後部
9 腹腔動脈周囲
10 脾門
11p 脾動脈幹近位
11d 脾動脈幹遠位
12a 肝十二指腸間膜内(肝動脈に沿う)
12b 肝十二指腸間膜内(胆管に沿う)
12p 肝十二指腸間膜内(門脈に沿う)
14v 上腸間膜静脈に沿う

M因子は遠隔転移の評価です。MはMetastasis(転移)の頭文字です。胃から離れた臓器に胃がんが転移することを遠隔転移と言います。領域リンパ節転移は遠隔転移とは言いません。単に「転移」と言うと遠隔転移を指す場合が多いです。

遠隔転移がある胃がんは、手術が勧められません。余命の延長を目的とした全身化学療法(抗がん剤治療)を行います。

  • Mx:領域リンパ節以外の転移の有無が不明である
  • M0:領域リンパ節以外に転移を認めない
  • M1:領域リンパ節以外の転移を認める

T因子、N因子、M因子をそれぞれ評価したところで、下の表のようにステージを定めます。

  N0 N1 N2 N3
T1a IA IB IIA IIB
T1b IA IB IIA IIB
T2 IB IIA IIB IIIA
T3 IIA IIB IIIA IIIB
T4a IIB IIIA IIIB IIIC
T4b IIIB IIIB IIIC IIIC
遠隔転移 IV     

ステージのほかにも胃がんの分け方があります。早期胃がんと進行胃がんの2つに分ける区分もあります。早期胃がんは粘膜下層にとどまるがんのことを指します。筋層より深く浸潤しているがんを進行胃がんといいます。

胃がんの転移で多いのがリンパ節、肝臓、腹膜への転移です。領域リンパ節転移とそのほかの転移(遠隔転移)で大きく違った意味合いがあります。

詳しくは「ステージIVは末期がんなのか?胃がんの転移とは」で説明しています。

肝臓に転移した胃がんを肝臓がんと呼ぶことはありません。胃がんの肝臓転移と呼びます。腹膜への転移は腹膜播種(ふくまくはしゅ)ということが多いです。腹膜は胃や腸を覆う膜です。胃の構造の説明で「漿膜」と呼んだ層が腹膜に当たります。播種とは種を蒔くという意味があります。ここではがん細胞が蒔かれたということを意味しています。

胃がんが胃壁に深く浸潤すると、胃を貫通してお腹(腹腔)の中にがんが露出する状態になることがあります。こうなるとがん細胞がお腹の中にばらまかれて腹膜や大腸などに生着してそこで大きくなっていったりします。これが腹膜播種です。腹膜播種は腹水の原因にもなります。

胃がんの原因としてはピロリ菌が知られています。ピロリ菌が胃に感染すると胃に炎症が起きて慢性胃炎の状態になり、その後胃がんが発生する危険性が上昇します。ピロリ菌を除菌すれば胃がんになる確率が減少する可能性があります。

ピロリ菌の除菌と胃がんの発生について研究した報告では、胃がんに対して内視鏡治療をした後に、ピロリ菌の除菌を行うとその後胃がんの再発を減らせたとするものがあります。除菌を行った人々の3.3%が胃がんを再発したのに対して、除菌を行わなかった人たちの中では8.8%が再発しました。

ピロリ菌を除菌すれば胃がんにならない訳ではありませんが、胃がんを発生する確率を減らすことはできると考えられます。

そのほかでは喫煙や塩分の過剰摂取でも胃がんを発生する危険性が上昇することが明らかになっています。

がんは遺伝子の異常が原因で発生します。遺伝子の変異は他の要因でも起きるので胃がんを完全に予防することはできません。発生する危険性をいくらか下げることは可能です。しかし、あらゆる場合に共通する「胃がんの原因」を一言で言うことはできません。上に挙げた要素のどれにも当てはまらなかったとしても胃がんになる人はいます。心当たりなく胃がんになったとしても、予防が足りなかったせいではありません。

参照:Lancet.2008;372:392-397 国立がん研究センター 予防研究グループ British journal of cancer.2004;90:128-34

胃がんはほかのがんに比べると早い段階で発見されることが多いがんです。「がんの統計 2022」をもとにほかのがんと比較してみます。

2015年にがんと診断された患者さんのうち、胃がん、大腸がん肺がん(非小細胞肺がん)が診断(発見)されたときのステージの割合を表に示します。

  胃がん 大腸がん 非小細胞肺がん
ステージ I 63.9% 27.4% 42.8%
ステージ II 8.8% 25.7% 8.7%
ステージ III 10.0% 26.2% 16.3%
ステージ IV 15.8% 19.1% 30.5%

ステージは数値が大きいほど進行していることを示します。がんの種類によってステージの定め方が異なるので一概に比較はできませんが、胃がんは大腸がん肺がんと比べるとステージIで見つかる人が多い傾向にあります。

胃がんは進行するまで症状が出にくいがんなので、早期で診断された人は症状が出る前に検査によって発見されたと推測することができます。胃がんの検診は内視鏡検査(もしくは胃部X線検査)が厚生労働省から推奨されています。

参照:がんの統計2022

胃がんの治療は内視鏡治療、手術、抗がん剤治療などがあります。治療の選択はステージ分類をもとにして行われます。手術後に切除した組織の検査(病理検査)を行い、がんがどれほど深く達していたのかやリンパ節転移の個数などが調べられます。その結果をもとにして手術後の抗がん剤の必要性などについて検討されます。診断時に遠隔転移があった場合は抗がん剤による治療が主体になります。遠隔転移とは領域リンパ節以外の転移です。

早期胃がんの治療

早期胃がんの治療は、内視鏡治療もしくは手術です。内視鏡治療の対象は、リンパ節転移の可能性が低く、粘膜下層に及ばない場合です内視鏡では治療が十分ではないと判断された場合は手術を行います。リンパ節転移の可能性が低く筋層までがんが及ばないときは定型手術よりリンパ節郭清の範囲が小さい縮小手術で治療が可能です。

ステージIIやIIIは領域リンパ節に転移がある場合や、かなり胃の壁の深いところまでがんが浸潤している場合です。手術により治療を行います。胃を全て切除もしくは3分の2以上切除する手術方法が使われます。また広い範囲でリンパ節郭清を行います。周囲の臓器に浸潤している場合は胃と共に切除します。再発を予防するために手術後に抗がん剤治療を行うこともあります。

遠隔転移がある場合は、抗がん剤を中心にした治療を行います。遠隔転移がある時は全身に小さな転移があると考えた方が自然です。このために胃を切除してリンパ節郭清を行うよりも、全身をカバーできる抗がん剤治療の方が理にかなっており効果も高いと考えられます。遠隔転移がある場合でも胃がんが大きくなって食事を摂るのに支障がある場合などは消化管バイパスをつくる手術をおこなったり最低限の負担でがんを取り除く手術を行うこともあります。

胃がんには多くの状態が存在しているために治療法も様々です。