いがん
胃がん
胃の壁の粘膜にできたがんのこと。ピロリ菌への感染や喫煙、塩分の多い食事などでリスクが上がる
24人の医師がチェック 326回の改訂 最終更新: 2024.11.08

胃がんが再発・転移した時に行う抗がん剤治療の効果や副作用

胃がんが再発や転移をした場合の治療は、抗がん剤化学療法)が中心になります。薬を選ぶためにがん細胞の性質を調べ、HER2タンパクを発現している場合にはトラスツズマブが使えます。 

 

胃がんの抗がん剤治療チャート

1.再発や転移をした胃がんの抗がん剤はどうやって選ばれるのか

胃がんが再発や転移をしている場合は、全身にがん細胞が散らばっていると考えて、全身をカバーできる抗がん剤治療を行います。
胃がんに効果がある抗がん剤には多くの種類があります。
中でもトラスツズマブ(商品名ハーセプチン®)という薬は使える条件があります。胃がんの細胞を調べて、HER2タンパクという物質が多く見られる場合には、トラスツズマブの効果が期待できます。
なお、「抗がん剤」という言葉には分子標的薬を含めないとする立場もあります。分子標的薬は以前の抗がん剤と違った特徴をいくつか持っています。トラスツズマブは分子標的薬のひとつです。このページでは分子標的薬も含めて「抗がん剤」と呼ぶことにします。

HER2(ハーツー)タンパクは正常な胃の細胞にもある物質です。
胃がんの中にはHER2タンパクを異常に多く持っている(過剰発現している)場合があります。
HER2タンパクは細胞の表面にあります。HER2タンパクの役割は、細胞の増殖をコントロールする信号を細胞内に伝えることです。HER2が過剰発現している胃がんは、細胞増殖を制御できなくなった、悪性度が高いがんだと考えられています。実際にHER2が過剰発現している胃がんでは転移や再発の危険性が高いことがわかっています。

トラスツズマブ(商品名ハーセプチン®)はHER2を狙って攻撃するので、がん細胞がHER2を過剰発現している場合には高い効果が発揮されます。手術や検査で取り出した胃がんの細胞を調べることでHER2過剰発現しているかどうかがわかります。
HER2過剰発現がある胃がんは「HER2陽性」、ない胃がんは「HER2陰性」と呼んで区別します。

HER2が陰性の場合は効果がきたいできないトラスツズマブを使うことはありません。
次のような抗がん剤で治療を行います。

【HER2陰性の人の抗がん剤治療の例】

  • 1次治療
    • PD-L1検査でCPS5以上の場合
      • SOX+ニボルマブ療法
      • CapeOX+ニボルマブ療法
      • FOLFOX+ニボルマブ療法
    • PD-L1検査でCPS5未満の場合(症例に応じてニボルマブ併用を検討する)
      • SOX療法
      • CapeOX療法
      • FOLFOX療法
      • SP療法など
  • 2次治療 
    • MSI-Highの場合
      • ペムブロリズマブ
    • MSI-High以外の場合
      • パクリタキセル+ラムシルマブ
  • 3次治療
    • ニボルマブ単独療法
    • イリノテカン単独療法
    • トリフルリジン・チピラシル塩酸塩

1次治療は最初の抗がん剤治療という意味です。2次治療は1次治療のあとで選ぶ治療です。
1次治療としてはS-1とオキサリプラチンという抗がん剤を組み合わせるSOX療法を使うことが多いです。

※2021年12月に胃癌学会から発表された速報コメントで、従来の抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブを組み合わせる併用療法が1次治療として推奨されました。

治療の効果は2-3ヶ月ごとにCT検査などの画像検査や腫瘍マーカーの推移などで判断します。腫瘍が大きくなったり、新しい病変が出現した時には抗がん剤の効果がなくなったと判断して2次治療に移ります。2次治療でも1次治療と同様に画像診断などの検査を行いながらその効果を確認されます。

HER2陰性の人の1次治療

再発・転移のある胃がんに対しては、S-1とオキサリプラチンを組み合わせるSOX療法がよく使われます。さらに免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブを併用することで治療効果が高まることが分かり、2021年12月に胃癌学会から発表された速報コメントではSOX+ニボルマブ療法が新たに1次治療として推奨されました。

ニボルマブはがん細胞に発現するPD-1というタンパク質を阻害することで治療効果を発揮する薬で、免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれます。少し専門的な話になりますが、人間の身体にはがん細胞を排除する免疫機構が備わっており、これを「がん免疫」や「腫瘍免疫」と呼びます。PD-1はがん免疫に関わる免疫細胞の働きを弱めてしまうタンパク質ですが、免疫チェックポイント阻害薬を使うことで免疫細胞の働きが再び強まり、がん細胞の排除に効果を発揮します。

ニボルマブの効果が期待できるかどうかを調べる検査に、PD-L1検査があります。PD-L1はPD-1と結合して働くタンパク質です。この検査ではPD-L1を発現しているがん細胞と免疫細胞の数を調べ、CPS(combined positive score)という数値を計算します。CPSが5以上の人では特にニボルマブ併用療法の効果が期待できると言われています。CPSが5未満の人でもニボルマブ併用療法で一定の効果があるとされていますが、個人の病状に合わせて主治医とよく相談する必要があります。

S-1の代わりにカペシタビンや5-FUという抗がん剤を使用するCapeOX療法、FOLFOX療法がSOX療法の代わりとして行われることがあります。

また、ニボルマブとの併用はできませんが、S-1とシスプラチンという抗がん剤を使用するSP療法も1次治療の選択肢になります。

SOX+ニボルマブ療法は、オキサリプラチン、S-1、ニボルマブの3つの抗がん剤を組み合わせた治療です。S-1は代謝拮抗薬、オキサリプラチンは白金製剤、ニボルマブは免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。

1 2-14 15-21
S-1 80mg/m2/日(内服) ○(連日服用) 休薬
オキサリプラチン
130mg/m2(点滴)
休薬 休薬

ニボルマブ

360mg (点滴)

休薬 休薬

SOX+ニボルマブ療法は3週間を1サイクルとした治療です。治療開始日にオキサリプラチンとニボルマブを投与して、その日からS-1 の内服を開始します。S-1は2週間内服してその後1週間休薬します。

治療法 SOX+ニボルマブ SOX
生存期間の中央値(月) 14.4ヵ月 11.1ヵ月

上の表のように、SOX+ニボルマブ併用療法ではSOX療法に比べて生存期間が3.3か月延長したという結果となりました。この結果をもって、2021年12月に胃癌学会から発表された速報コメントではSOX+ニボルマブ療法が新たに1次治療として推奨されました。

ニボルマブの詳しい説明は「こちらのページ」を参考にしてください。

参考:Lancet. 2021;398:27-40. 

SOX療法は、オキサリプラチンとS-1の2つの抗がん剤を組み合わせた治療です。S-1は代謝拮抗薬、オキサリプラチンは白金製剤に分類されます。

1 2-14 15-21
S-1 80mg/m2/日(内服) ○(連日服用) 休薬
オキサリプラチン
130mg/m2(点滴)
休薬 休薬

SOX療法は3週間を1サイクルとした治療です。治療開始日にオキサリプラチンを投与して、その日からS-1 の内服を開始します。S-1は2週間内服してその後1週間休薬します。

参考:Ann Oncol.2015;26:141-8

■CapeOX療法

CapeOX療法はカペシタビンとオキサリプラチンを組み合わせた治療法です。カペシタビンは代謝拮抗薬、オキサリプラチンは白金製剤に分類されます。

1 2-14 15-21
カペシタビン
2000mg/m2/日(内服)
○(連日服用) 休薬
オキサリプラチン
130mg/m2(点滴)
休薬 休薬

CapeOX療法は3週間を1サイクルとした治療法です。治療開始日にオキサリプラチンを投与して、その日からS-1 の内服を開始します。S-1は2週間内服してその後1週間休薬します。

参考:N Eng J Med.2008;358:36-46

SP療法はS-1とシスプラチンの2つの抗がん剤を組み合わせた治療法です。S-1は代謝拮抗薬、シスプラチンは白金製剤に分類されます。

1-7 8 9-21 22-35
S-1 80mg/m2/日(内服) ○(連日服用) ○  ○(連日服用) 休薬
シスプラチン
60mg/m2(点滴)
休薬 ○  休薬 休薬

SP療法は5週間をサイクルとした治療です。S-1という内服薬を3週間内服してその後2週間休薬します。シスプラチンは8日目に点滴で投与します。シスプラチンは、腎臓の機能を低下させることがあります。そのために、腎臓の機能を低下させないようにするには点滴で十分な水分を補うことが有効です。8日目のシスプラチンの点滴は入院して行う場合と外来で行う場合があり施設により異なります。

参考:Lancet Oncol.2008;9:215-21
 

胃癌治療ガイドラインでは条件付きで推奨されているレジメンです。
S-1とドセタキセルを併用する治療法で、腎臓に負担がかかるシスプラチンを使わないことなどにメリットがあります。

1 2-14 15-21
S-1 80mg/m2/日(内服) ○(連日服用) 休薬
ドセタキセル 40mg/m2(点滴) 休薬 休薬

S-1とドセタキセルの併用療法は、3週間を1サイクルとしたスケジュールです。2週間S-1を内服したあとに1週間休薬します。ドセタキセルは治療開始日にだけ投与します。

参考:J Cancer Res Clin Oncol. 2014;140:319-328

1次治療に効果がなくなった場合や、副作用により継続不能となった場合は、抗がん剤の種類を変えて治療を継続します。HER2陰性の胃がんに対する2次治療として以下の方法があります。

  • MSI-Highの場合
    • ペムブロリズマブ
  • MSI-High以外の場合
    • パクリタキセル+ラムシルマブ

患者さんの全身状態や臓器機能などを考慮して薬剤を選びます。

■MSI-Highの場合:ペムブロリズマブ

ペムブロリズマブは免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。上記のニボルマブと同じタイプの抗がん剤ですが、がん細胞への作用の仕方は多少異なります。ペムブロリズマブは免疫細胞に発現するPD-1というタンパク質と結合することで腫瘍免疫を活性化させ、がん細胞の排除に関わります。

ペムブロリズマブの効きやすさの目安となるものにMSI(マイクロサテライト不安定性)検査があります。検査の詳細は専門的になるため割愛しますが、この検査で「MSI-High」と判定された場合にはペムブロリズマブが効果を発揮することが知られています。

1 2-21

ペムブロリズマブ

200mg (点滴)

休薬

ペムブロリズマブ療法は3週間を1サイクルとした治療です。治療当日にペムブロリズマブを投与し、残り20日間は休薬します。

投与量を400mgとして6週間を1サイクルとした投与法もあります。この場合には治療当日にペムブロリズマブを投与し、残り41日間は休薬します。

■MSI-High以外の場合:ラムシルマブとパクリタキセルの併用療法

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ラムシルマブ

8mg/kg (点滴)

休薬 休薬 休薬 休薬
パクリタキセル
80mg/m2 (点滴)
休薬 休薬 休薬
治療法 ラムシルマブ+パクリタキセル パクリタキセル
生存期間の中央値(月) 9.6ヵ月 7.4ヵ月

結果はラムシルマブを併用したほうが2.2ヵ月余命が延長しました。現在はラムシルマブとパクリタキセルの併用療法は1次治療に対して効果がなくなった患者さんに対しての2次治療として推奨されています。ただし、副作用として白血球の減少、高血圧、倦怠感なども強く出ることがあるので患者さんの健康状態を評価して適しないと判断される場合もあります。

参考:Lancet Oncol.2014;15:1224-35

2次治療で効果がなくなった場合や、副作用で治療が続けられなくなった場合には、抗がん剤の種類を変えて3次治療を行います。HER2陰性の3次治療では以下のような方法があります。

  • ニボルマブ単独療法
  • イリノテカン単独療法
  • トリフルリジン・チピラシル塩酸塩

3次治療まで治療が進むと、これまでに使った抗がん剤の副作用やがんの進行により体調がすぐれないということも考えられます。患者さんの全身状態や臓器機能をチェックしながら薬剤を選択します。

■ニボルマブ単独療法

1次治療でニボルマブを使用していない人では3次治療でニボルマブを使うことができます。上で説明したように、ニボルマブは免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。

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ニボルマブ 240mg 休薬 

ニボルマブ単独療法は2週間を1サイクルとした治療です。治療当日にニボルマブを投与し、残り13日間は休薬します。

3次治療以降の抗がん剤治療を受ける患者さんを対象としたニボルマブ単独療法の臨床試験では次のような結果が得られました。

治療法 ニボルマブ単独療法 抗がん剤治療なし
生存期間の中央値(月) 5.26ヵ月 4.14ヵ月

抗がん剤治療を行わない人に比べてニボルマブ単独療法は生存期間を約1か月延長しました。1か月という期間を長いととらえるか短いととらえるかは人それぞれだと思いますが、体調が許せば治療を検討してよいと考えられます。

参考:Lancet. 2017;390:2461-2471.

■イリノテカン単独療法

イリノテカンはトポイソメラーゼ阻害薬に分類される抗がん剤です。3次治療ではイリノテカン単剤療法も選択肢の一つとなります。

1 2-14
イリノテカン 150 mg/m2 休薬 

イリノテカン単独療法は2週間を1サイクルとした治療です。治療当日にイリノテカンを投与し、残り13日間は休薬します。

■トリフルリジン・チピラシル塩酸塩

トリフルリジン・チピラシル塩酸塩はヌクレオシド系抗悪性腫瘍薬に分類されます。日本の大鵬薬品が開発した薬剤で、3次治療での選択肢の一つとなります。

1-5 6-7 8-12 13-28
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩 70mg/m2/日 (内服) 休薬  休薬

トリフルリジン・チピラシル塩酸塩は1日2回の内服で治療を行います。4週間を1サイクルとした治療で、1日目から5日目、8日目から12日目にトリフルリジン・チピラシル塩酸塩を内服し、残りの16日間は休薬します。

胃がんの病理検査でHER2陽性の結果だった場合、トラスツズマブの効果が期待できます。最初に行う1次治療としてはトラスツズマブを含むレジメンが候補に挙がります。

  • 1次治療
    • SOX+トラスツズマブ療法
    • CapeOX+トラスツズマブ療法
    • XP+トラスツズマブ療法
    • SP+トラスツズマブ療法など
  • 2次治療
    • MSI-Highの場合
      • ペムブロリズマブ
    • MSI-HIGh以外の場合
      • パクリタキセル+ラムシルマブ
  • 3次治療
    • トラスツズマブ・デルクステスカン

HER2が陽性の場合は、トラスツズマブを併用して治療を行います。2010年に発表された臨床試験でXP+トラスツズマブ療法がトラスツズマブを併用しない場合に比べて生存期間を延長することが示されました。その後、SP+トラスツズマブ療法やSOX+トラスツズマブ療法もHER2陽性胃がんに対して効果があることが証明され、1次治療として使われています。
 

■XP+トラスツズマブ療法

XP療法はカペシタビンとシスプラチンという薬の組み合わせで治療する方法です。XP療法にトラスツズマブを加えて下記のようなスケジュールで行います。

1 2-14 15−21

カペシタビン
2000mg/m2 (内服)

○(連日服用) 休薬
シスプラチン
80mg/m2 (点滴)
休薬 休薬

トラスツズマブ
初回8mg/kg
2回目以降6mg/kg (点滴)

休薬 休薬

カペシタビンは飲み薬です。1日2回の内服で合計1日あたり2000mg/m2を14日間飲み続けます。またシスプラチンとトラスツズマブを治療開始日に投与し、3週間を1サイクルとして治療を行います。

臨床試験ではXP療法などの抗がん剤治療に加えてトラスツズマブを使う場合と使わない場合が比較されました。

治療法 抗がん剤治療+トラスツズマブ 抗がん剤治療
生存期間の中央値(月) 13.8ヵ月 11.1ヵ月

中央値は、生存期間が長かった順に並べて真ん中の順位にあたる人の生存期間です。
抗がん剤に加えてトラスツズマブを併用した場合にはトラスツズマブを使わない場合に比べて中央値で2.7ヵ月生存期間が長くなるという結果でした。

参考:Lancet 2010; 376: 687‒97.

■SP+トラスツズマブ療法

SP療法はS-1とシスプラチンを組み合わせる治療法です。SP療法にトラスツズマブ療法を加えて使います。

1 2-14 15−21
S-1 80mg/m2/日(内服) ○(連日服用) 休薬
シスプラチン
80mg/m2 (点滴)
休薬 休薬
トラスツズマブ
初回8mg/kg
2回目以降6mg/kg (点滴)
休薬 休薬

S-1は飲み薬で、1日2回の内服を行います。治療開始日にシスプラチンとトラスツズマブを投与し、S-1は1日目から14日目まで毎日内服します。その後7日間は休薬し、3週間を1サイクルとして治療を行います。

■SOX+トラスツズマブ療法

SOX療法はS-1とオキサリプラチンを組み合わせる治療法です。SOX療法にトラスツズマブ療法を加えて使います。

1 2-14 15−21
S-1 80mg/m2/日(内服) ○(連日服用) 休薬
オキサリプラチン
130mg/m2 (点滴)
休薬 休薬
トラスツズマブ
初回8mg/kg
2回目以降6mg/kg (点滴)
休薬 休薬

S-1は飲み薬で、1日2回の内服を行います。治療開始日にオキサリプラチンとトラスツズマブを投与し、S-1は1日目から14日目まで毎日内服します。その後7日間は休薬し、3週間を1サイクルとして治療を行います。

HER2が陽性の場合の2次治療は、HER2陰性の場合(上記)と同じです。HER2陽性の胃がんに対する2次治療として以下の方法があります。

  • MSI-Highの場合
    • ペムブロリズマブ
  • MSI-High以外の場合
    • パクリタキセル+ラムシルマブ

患者さんの全身状態や臓器機能などを考慮して薬剤を選びます。

HER2陽性の人の3次治療として、トラスツズマブ・デルクステカンが使用されます。トラスツズマブ・デルクステカンはHER2を標的とするトラスツズマブと腫瘍細胞を攻撃するトポイソメラーゼ阻害薬(デルグスカン)を結合させた薬です。

HER2陽性の胃がん患者さんで、1次治療または2次治療でトラスツズマブを含むレジメンで治療を行い、2次治療でも治療効果がなくなった人を対象にした臨床試験が行われました。トラスツズマブ・デルクステカンで治療を行った人と、イリノテカンまたはパクリタキセルで治療を行った人を比較したところ、生存期間が延長することが示されました。

治療法

トラスツズマブ・デルクステカン

イリノテカンまたはパクリタキセル
生存期間の中央値(月) 12.5ヵ月 8.4ヵ月

トラスツズマブ・デルクステカンは生存期間を約4か月延長するという結果でした。

参考:N Engl J Med. 2020;382: 2419-2430.

■トラスツズマブ・デルクステカン療法

トラスツズマブ・デルクステカン療法は3週間を1サイクルとした治療です。

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トラスツズマブ・デルクステカン

6.4mg/kg (点滴)

休薬

治療当日にトラスツズマブ・デルクステカンブを投与し、残り20日間は休薬します。