まいこぷらずまはいえん
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマという細菌が起こす肺炎。症状に熱、咳、皮疹など。20代以下に多いが高齢者にもうつる。抗生物質が有効。重症例は稀。
16人の医師がチェック 126回の改訂 最終更新: 2018.06.05

マイコプラズマ肺炎の症状とは?発熱、咳、息苦しさ、のどの痛みなど

マイコプラズマ肺炎の症状は、一般的な細菌性肺炎と少し異なります。特に根強い咳が特徴です。このページではマイコプラズマ肺炎の症状や合併症について解説していきます。

1. マイコプラズマ肺炎に前兆はある?

マイコプラズマ肺炎には、これが前兆だというものはありません。

マイコプラズマニューモニエに感染してからマイコプラズマ肺炎の症状が出てくるまでに1-4週間ほどの潜伏期間があります。その間は自覚症状はありません。

マイコプラズマ肺炎の症状の中でも最初に出てきやすいものは発熱・頭痛・倦怠感などです。しかし、これらの症状は一般的な風邪などの多くの病気で出現するものですので、マイコプラズマ肺炎だけの特徴ではありません。

2. マイコプラズマ肺炎の初期症状は?

マイコプラズマの初期症状として出てきやすいものは、発熱・頭痛・倦怠感などです。マイコプラズマ肺炎の主な症状を、出てくる順にまとめます。

  • 初期症状になりやすいもの
    • 発熱(38度以上の高熱)
    • 頭痛
    • だるい、倦怠感、疲れ、疲労
  • 遅れて出てくる症状
    • * 咳(せき)
  • その他の症状
    • 息切れ、息苦しい、呼吸困難
    • 胸の痛み
    • 喉(のど)の痛み
    • 声が枯れる、声が出ない
    • 耳の痛み
    • 吐き気
    • 下痢
    • 皮疹発疹、皮膚にブツブツが出る
    • 関節の痛み
    • 鼻水、痰(たん)
      • 小さい子供で出るが大人では出にくい
    • 喘鳴喘息のように息がヒューヒュー、ゼーゼー鳴る)
      • 小さい子供で出るが大人では出にくい
    • 錯乱などの意識障害
      • めったに現れない

マイコプラズマ肺炎の特徴である咳は段々と強くなって根強く残るのが特徴です。咳は2-4週間続くことが多いです。

3. マイコプラズマ肺炎の合併症

マイコプラズマ肺炎になると肺以外に症状が出ることがあります。これを合併症と言います。出現しやすい合併症を次に示します。

マイコプラズマ肺炎の合併症は多様ですので、マイコプラズマ肺炎と診断されてからなにか今までと違う症状が出てきた場合は、医療機関で相談してみると良いでしょう。

4. マイコプラズマ肺炎になると出やすい症状は?発熱、咳、息苦しさ、のどの痛み、筋肉痛など

マイコプラズマ肺炎になるとさまざまな症状が出現します。もちろん咳や息苦しさといった気管支や肺に関連する症状は出やすいですが、それ以外にも多くの症状が現れます。

発熱するのか?

マイコプラズマ肺炎になると多くの人が発熱を経験します。特に38度以上の高熱が出やすいです。マイコプラズマ肺炎にかかった人において、発熱は最初の症状として現れることが多いです。たいていの場合、発熱は数日間続きます。

咳嗽(咳)は出るのか?

マイコプラズマ肺炎になるとほぼ必ず咳を経験します。マイコプラズマ肺炎による咳は次の特徴があります。

  • 症状が出現してからすぐに咳が出ることは少ない
  • 熱が出て3日から5日経って咳が出る
  • 咳はだんだん強くなる
  • 熱が下がってからも咳が続く
  • 咳は長期間(4週間ほど)続く
  • 咳が出ても痰は少ない

痰はからまないけれど根強く続く咳が1ヶ月位見られるのが普通の経過になります。

痰はあるのか?

マイコプラズマ肺炎ではあまり痰は出ません。痰が見られることはあっても大量に痰が出現することはほとんどありません。一方で、マイコプラズマ肺炎と同じ非定型肺炎に属するレジオネラ肺炎百日咳では痰が見られることがあります。根強い咳が見られたときには非定型肺炎の関与が考えられますが、痰があるのかどうかは原因をさらに見極めるヒントになります。

息苦しさ(呼吸困難感)は出るのか?

軽症のマイコプラズマ肺炎で息苦しさを感じることはほとんどありません。しかし、重症になると息苦しさを感じてきます。肺に炎症が広がる影響でうまく酸素が身体に取り込めなくなることや胸水が溜まる影響で肺の動きが制限されることが息苦しさの原因になります。

また、マイコプラズマ肺炎が心臓に影響をおよぼすことで息苦しさを感じることがあります。不整脈心筋炎といった心臓への合併症が出現した場合に心不全が起こることがあり、この場合も息苦しさを感じます。

のどの痛み(咽頭痛)は出るのか?

マイコプラズマニューモニエは、上気道(鼻腔〜咽頭〜喉頭)から下気道(気管〜気管支〜細気管支肺胞)にかけて感染を起こします。特に下気道で感染を起こしやすいですが、上気道で感染が起こった場合には咽頭痛が出現します。咽頭痛は頻度としてはあまり高くありませんが、のどの痛みと根強い咳が見られたときにはマイコプラズマ肺炎も考える必要があります。

筋肉痛や関節痛が出ることはあるのか?

マイコプラズマ肺炎で筋肉痛や関節痛が見られることは少なくありません。海外の成書ではマイコプラズマ肺炎の人の45%が筋肉痛や関節痛を経験するとしています。(Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases 8th edition)根強い咳に筋肉痛や関節痛が重なった場合にはマイコプラズマ肺炎も考える必要があります。

湿疹が出ることはあるのか?多形滲出性紅斑

マイコプラズマ肺炎では皮膚に症状が出ることがあります。海外の成書ではマイコプラズマ肺炎の人の25%で皮疹が出現するとしています。(Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases 8th edition)

医学用語では「湿疹」と言うと皮膚の症状の中でもある種類のものだけを指すのですが、「皮膚に症状が出る」という日常的な意味であれば、マイコプラズマ肺炎で湿疹が出ることもあります。皮膚の見た目の症状は「皮疹」という言葉で呼ばれることが多いです。

皮疹は発熱と同時に出現し、数週間経過するまで消失しないことが多いです。また、一時的に出現してすぐに消える軽症の皮疹で済むことも、全身に水ぶくれ(水疱)が出現するスティーブンスジョンソン症候群のような重症の皮疹が出現することもあります。

マイコプラズマ肺炎では多形滲出性紅斑という特徴的な皮疹が出ることがあります。多形滲出性紅斑は、円形の隆起した紅斑(赤い皮疹)で、中央部位がくぼんでいるのが特徴です。多形滲出性紅斑はマイコプラズマ肺炎以外の原因(薬剤のアレルギーなど)でも出現しますが、肺炎に加えて多形滲出性紅斑が出現した場合はマイコプラズマ肺炎を疑います。

嘔吐することがある?

マイコプラズマ肺炎になると消化管(胃腸)に影響が及び下痢や嘔吐が起こることがあります。肺炎は脱水になると重症化しやすいため、下痢や嘔吐が続くときは要注意です。

水分を摂れない場合や吐き気が強くて飲んでも吐いてしまう場合には医療機関にかかって下さい。また、脱水を疑う症状は以下になりますので参考にして下さい。

  • 脈が早くなる
  • 口がひどく乾く
  • 汗が出ない
  • 明らかに元気がなく反応が悪い

これらの症状が見られる場合も医療機関にかかることをおすすめします。

5. マイコプラズマ肺炎を疑う場合はどんな時?チェックリストはあるのか?

マイコプラズマ肺炎が疑わしい状況はあります。公式のチェックリストではありませんが、以下のリストを参考にして下さい。

  • 20歳以下である
  • 頑固な咳がある
  • 発熱している
  • 頭痛がする
  • 痰はない
  • 鼻水はない
  • 身近な人にマイコプラズマ肺炎になった人がいる

マイコプラズマ肺炎に対しては抗菌薬治療が有効ですので、このチェックリストで引っかかる項目が多い場合は医療機関を受診して下さい。

とはいえ、マイコプラズマ肺炎は治療しなくても治る病気ですので、治療が必要でないこともあります。症状が軽い場合や周囲にうつす心配が少ない生活をしている場合などの状況を踏まえて、治療の要否を判断することになります。