あれるぎーせいしはんびょう(へのっほしぇーんらいんしはんびょう)

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)

アレルギー反応により全身の毛細血管に炎症が起こり、全身にむくみが起きたり、内出血が起こる病気。多くの場合は、自然に治る。

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18人の医師がチェック 216回の改訂 最終更新: 2017.10.13

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)の基礎知識

POINTIgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)とは

足を中心に赤い発疹がパラパラと現れる病気です。子どもに多い病気で、IgAという抗体が関わっているとされていますが、はっきりした原因は分かっていません。赤い発疹に加えて腹痛や腎障害、関節痛を伴うことがあります。見通しは悪くない疾患で多くは自然軽快します。薬物治療としては軽症例では非ステロイド性抗炎症薬やレクチゾール、重症例ではステロイドや免疫抑制剤などの薬剤を使用します。お子さんの場合は小児科、大人の場合には皮膚科や内科を受診するようにしてください。

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)について

  • 全身の細い血管の壁に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こって、様々な症状を起こす
    • 患者の30-50%で、症状の現れる1-2週間前に上気道空気の通り道のうち、鼻からのど(気管)までの総称。対義語である下気道は、気管支と肺を指す感染を起こしている
    • 感染をきっかけに免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患反応が刺激されている可能性は指摘されているが、明らかな原因は不明
    • 溶連菌感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称や食物、虫さされ、ワクチンなどとの関連も報告されている
  • 血管がダメージを受けることで、皮膚、消化管口から肛門までの食物の通り道で、消化、吸収を行う管の総称。胃や腸などを含む、腎臓で特に目立った症状が現れる
  • 2-8歳の子どもに起こることが多い
    • 10万人あたり、10-20人程度
    • 冬に多く、女児より男児に多い
  • 腎臓や消化管の症状には注意が必要だが、全般的に予後病気の長期的な経過や、回復の見込みは良い
  • 多くは一過性で回復するが、1/3で再発する
  • アナフィラクトイド紫斑皮膚の中で出血したことによる、赤〜紫色の斑点。皮膚が衝撃を受けてできる以外に、血管の病気でも生じる病と呼ばれることもある

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)の症状

  • 主な症状 
    • 皮膚症状:紫斑皮膚の中で出血したことによる、赤〜紫色の斑点。皮膚が衝撃を受けてできる以外に、血管の病気でも生じる(ほぼ全例)
      ・両すねの前側が典型的だが、足の甲、おしり、顔、腕にもみられる 
      ・赤-紫色の盛り上がった小さな発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称がいくつも集まる
      ・2mm以下の点状出血が多いが、より大きなものもある
      ・褐色になって3-10日間で徐々に退色する
      ・同時もしくは皮疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称に先立ってむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じるがみられることもある
       ・おしりやまぶたまぶたのこと。眼球の上下にある皮膚の部分を指し、それぞれを上眼瞼、下眼瞼と呼ぶ、唇、陰嚢、手足の甲など
    • 消化器症状:腹痛(70%)、吐き気(20%)、血便主に大腸からの出血が原因で、赤い血液が付着した便が出ること。血液量が少ないと、検査をしない限り肉眼では分からないこともある(10%)
      腸重積を起こすことがある(約3%)
    • 関節症状:膝や足首の関節痛(約65%)
      ・関節周囲のむくみを伴う
  • 症状は同時に出現する場合と数週間から数か月間隔をあけて少しずつ出現する場合がある
  • 腎障害を起こすと、血尿尿に血液成分が混じった状態。尿の通り道に病気があると起こる。血尿といっても真っ赤とは限らず、見た目は普通で、検査をしないと血尿であることが分からない場合も多いたんぱく尿尿中にタンパク質が多く含まれること。病気による影響の場合と、正常な反応の場合があるが出る 
    • 頻度は20-60%と報告によりばらつきがある
    • 発症症状や病気が発生する、または発生し始めることから1~3週間後にみられることが多い
    • ネフローゼ症候群腎機能腎臓の機能。腎臓がどれだけ血液をろ過してきれいにできるかを示す。血液検査でクレアチニンの値を元に判断されるの低下を認めることもある
    • 腎障害の程度により自然に改善する場合と長期的に治療が必要な場合がある

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)の検査・診断

  • 特異的その病気(や状態)に固有、もしくは特徴的であること。他の病気等では見られにくいということ発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称やその他の症状から診断する
    • 検査は診断に必須ではないが、その他の病気や合併症ある病気や治療によって引き起こされる、別の病気や病態のことを否定するために必要になることがある
  • 主な検査
    • 血液検査
      血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつの数や血液を固める成分の異常の有無を確認する
      消化管口から肛門までの食物の通り道で、消化、吸収を行う管の総称。胃や腸などを含むからの出血により貧血が進んでいないか等を確認する
      膠原病複数の臓器に炎症がみられる病気の総称。有名なものとしては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどがあるなど似たような症状を起こす病気が隠れていないか確認する
    • 尿検査:血尿尿に血液成分が混じった状態。尿の通り道に病気があると起こる。血尿といっても真っ赤とは限らず、見た目は普通で、検査をしないと血尿であることが分からない場合も多いたんぱく尿尿中にタンパク質が多く含まれること。病気による影響の場合と、正常な反応の場合があるなど腎臓の機能を確認する(目で見て血が混じっていない場合にも検査で血尿が明らかになることがある)
    • 便検査:便に血が混じっていないかを確認する
    • 腹部エコー空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査:腸のむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じるを調べる(腸重積が疑われる場合にも重要)
    • 腎生検背中から針を刺し、腎臓の組織を一部採取して、顕微鏡で観察する検査。腎臓病の原因を調べるために行われる:腎障害が長く続く場合やネフローゼ症候群腎機能腎臓の機能。腎臓がどれだけ血液をろ過してきれいにできるかを示す。血液検査でクレアチニンの値を元に判断される低下、高血圧の合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることなどでは腎生検を行う

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)の治療法

  • 安静と適切な水分補給が主な治療
    • 発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称だけの場合は安静のみで改善することが多い
    • 激しい運動は避けて、足はできるだけ挙げて生活する
    • 自宅で安静が難しい場合には入院が必要になることもある
  • 関節やお腹の痛みに対しては適宜、薬物治療を行う
    • 軽症例では非ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている性抗炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る薬(NSAIDs炎症を抑える薬剤の総称(ただしステロイドを除く)で、鎮痛薬や解熱薬として頻用される。nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略)やレクチゾールを使用する
    • 症状が強い場合にはステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている(内服もしくは点滴)を使用する
    • 腸重積合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしている場合には早期に整復が必要
  • 腎障害を起こしている場合もほとんどの場合は軽症で、特別な治療は必要ない
    • 腎生検背中から針を刺し、腎臓の組織を一部採取して、顕微鏡で観察する検査。腎臓病の原因を調べるために行われるの結果が予後病気の長期的な経過や、回復の見込み予測と治療方針決定に重要
    • ステロイドや免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患を抑える薬(免疫抑制剤)を用いて治療する
    • 血漿交換血液中の、病気を引き起こしている有毒物質や抗体などを取り除く治療や腎移植が必要になることもある

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