IgA血管炎の治療について:自然に良くなることも多いが、薬物治療をすることもある
IgA血管炎は特に治療をしなくても自然と良くなることが多い病気です。しかし、なかには自然になかなか良くならない、症状が強いといった人がいて、その場合にはレクチゾール、非
1. IgA血管炎の治療
IgA血管炎は血管に炎症が起こることで、
ただし、IgA血管炎の症状があるうちは激しい運動を控える必要があります。というのも運動により症状が悪化することがあるためです。また、しばしば嘔吐や下痢、腹痛などの症状を伴うことがあるので、脱水にならないよう適度に水分を摂取する必要があります。嘔吐や下痢をすると水分だけでなく栄養素も失ってしまうので、オーエスワン®やポカリスエット®のような栄養素も含んだ飲料水を飲むと良いです。柑橘系のジュースや炭酸水、牛乳などは吸収が悪かったり刺激的だったりするため避けるようにしてください。もし、水分が全くとれない場合には点滴で水分を補充する必要があるので、病院を受診するようにしてください。
自然になかなか良くならない人や、症状が強い人には、症状を取るために以下の薬を使うことがあります。
- レクチゾール
- 非ステロイド性抗炎症薬
- ステロイド薬
それぞれの薬の特徴について、以下で説明していきます。
2. レクチゾール
レクチゾール®は、活性酸素や
3. 非ステロイド性抗炎症薬
ロキソニン®などの非ステロイド性抗炎症薬(
ロキソニン®使用時の注意点については「副作用は胃痛、胸やけだけじゃない!? ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン® など)について」でも詳しく説明しています。
4. ステロイド薬
レクチゾールや非ステロイド性抗炎症薬で良くならない人や、腎臓に障害が及んでいる人にはステロイド薬を用いることがあります。ステロイド薬には強い抗炎症作用(炎症を抑える作用)があります。代表的なステロイド薬としてはプレドニン®、メドロール®、リンデロン®などがあります。
ステロイド薬は高いIgA血管炎に対して高い効果がある一方で、副作用に注意が必要な薬剤です。ステロイド薬の副作用としては、以下のようなものがあります。
感染症 にかかりやすくなる血糖 が上昇する- 血圧が上昇する
- 体重が増加する
- 顔が丸くなる
コレステロール が上昇する- 眠れなくなる
- 気分が落ち込む、または高ぶる
- 骨がもろくなる
このように副作用が多い薬剤でもあるので、もしステロイド薬を内服中に体調変化があった場合には、担当のお医者さんと相談するようにしてください。ステロイド薬の副作用については「ステロイド内服薬の副作用とは」でも紹介しています。
5. IgA血管炎のガイドラインはある?
近年、どこの病院でも一定水準以上の医療を受けられるようにするため、さまざまな病気に対して治療の指針が作成されています。これを
- IgA血管炎のガイドライン(Rheumatology (Oxford). 2019 Sep 1;58(9):1607-1616)
このガイドラインでIgA血管炎の薬をどのように使い分けるか、治療が有効でない場合に、どのように治療薬を変更していったら良いかなどが紹介されています。