ちょうじゅうせき

腸重積

腸管の肛門側に口側の腸管が入り込んで内腔を閉塞させ、もとに戻らなくなった状態

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13人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2017.08.04

腸重積の基礎知識

腸重積について

  • 腸管の肛門側に口側の腸管がはまり込んで腸が重なり合い、もとに戻らなくなった状態
    • 腸の一部が連続する腸の内腔にはまり込む
    • 腸が圧迫されて、腸を栄養する血流が途絶えてしまう
    • 腸閉塞の状態となり、腸管壊死ある部位の細胞が死んでしまうこと。多くの場合、血管が詰まったり、つぶれたりして、血液が流れなくなってしまうことが原因となるや腸穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至るを起こすこともある
    • 早急な治療が必要
  • 大多数が3か月から2歳の乳幼児
    • 男の子にやや多い
  • 5歳を過ぎて起きた場合や何度も繰り返す場合は、小腸ポリープやメッケル憩室・重複腸管・潰瘍臓器や粘膜が部分的にえぐれてしまっている状態。何らかの理由で壁の防御機構が壊れてしまっていることが原因となりやすい腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるなどが原因であることが多い
    • 小児では特に異常がないことが多い(特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないこと腸重積)
      ・感染(アデノウイルス一般的なウイルスの一つで、風邪、結膜炎、胃腸炎、膀胱炎などの原因となる感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称腸管出血性大腸菌感染症、ロタウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染症など)がきっかけになることもある
    • 成人で起きた場合、腫瘍が原因となっていることが多い
      ・小腸重積では良性腫瘍「がん」ではない腫瘍。無制限に大きくなったり、転移したりする悪性腫瘍とは異なるが、部位やサイズによっては手術が必要となるが多い
      ・大腸重積では悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるが多い
  • ロタウイルスワクチン接種後の発症症状や病気が発生する、または発生し始めることも知られている(接種後7日以内に多い)
    • 10万人に1-2人
    • ロタウイルス感染の症状の強さを考慮して、腸重積の危険性よりもメリットが上回るとしてワクチン接種が推奨されている

腸重積の症状

  • 以下の3つが特徴的:全ての症状がみられることは少ない
    • 腹痛
    • 嘔吐
    • イチゴゼリーのような血の混じった便
  • 「急に不機嫌に泣きじゃくる→泣き止む→泣く」を繰り返すというのが典型的な経過(間欠的啼泣)
    • 腸は常に蠕動(ぜんどう)しており、蠕動にあわせて「腸が重なる・重なりが解除される」という状態を繰り返す
    • 腸が重なると痛みが出て泣き、顔色も悪くなりぐったりする
    • 重なりが解除されると泣き止む
  • 症状が進行すると、腹部膨満お腹が張った感じがすること。原因としては、便やガスが腸に溜まったり、腹水が溜まったりすることによるや発熱などがみられることもある

腸重積の検査・診断

  • ・検査/診断
  • 経過や診察所見検査や診察から分かる情報のこと(お腹の触診)をもとに診断する
    • 補助的に検査を行うこともある
    • 非常に疑わしい場合には検査と治療を同時に行うこともある
  • 浣腸
    • イチゴゼリー状の血便主に大腸からの出血が原因で、赤い血液が付着した便が出ること。血液量が少ないと、検査をしない限り肉眼では分からないこともあるを確認する
    • 自然に排便してすでに血便が確認できている場合には不要
    • 圧がかかることで腸に穴を開ける(腸穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至る)危険性があるので、行うかどうかは慎重に判断する必要がある
  • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査
    • 腸がはまり込んでいないか、確認する
  • 下部消化管造影検査肛門から造影剤を注入して、X線(レントゲン)で大腸の状態を調べる検査
    • 治療をかねて行う
    • 肛門から造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること剤を入れて腸管の形をみる
    • 造影剤を入れることで腸管に圧がかかるため、腸の重なりを解除できる
  • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる
    • 超音波検査空気の細かな振動である超音波を使った画像検査。体の奥の血管や臓器を観察することができるではっきりしない場合に行う
    • 腸重積の原因を探す目的で行うこともある

腸重積の治療法

  • 診断時にはすでに改善していることもある
    • その場合も再発の危険性はあるので、経過は慎重にみる
  • 診断した時点で腸の重なりがある場合にはできるだけ早く治療する
  • 注腸整復
    • レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査透視X線(レントゲン)を使って、体の中を撮影しながらリアルタイムに動画で確認すること)または超音波で腸管の状態を確認しつつ、肛門から液体(造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること剤、生理食塩水)や空気を流しその圧力ではまり込んだ腸を元に戻す
    • 診断も兼ねている
    • 発症症状や病気が発生する、または発生し始めることから24時間以内であれば、9割近くの患者はこれで元に戻る
    • 腸管に圧をかけるため、腸穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至るの危険性もある
    • 再発することも多いのでその後の経過を慎重にみる必要がある
    • 最低1泊の入院となることが多い
  • 手術
    • 注腸整復で元に戻らない場合や、発症から時間が経っている場合、すでに腸穿孔を起こしている場合には手術をする
    • 腸管の重なりを解除する
    • 腸管が壊死ある部位の細胞が死んでしまうこと。多くの場合、血管が詰まったり、つぶれたりして、血液が流れなくなってしまうことが原因となる(血流が途絶えて細胞が死んでしまうこと)している場合には、腸管の一部を切除する
  • 繰り返す場合や年長児で発症した場合には、症状が落ち着いた後にポリープや腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるなどの原因がないか検索が必要になる

腸重積が含まれる病気


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