ちょうじゅうせき
腸重積
腸管の肛門側に口側の腸管が入り込んで内腔を閉塞させ、もとに戻らなくなった状態
13人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2017.12.06

腸重積の基礎知識

腸重積について

  • 腸管の肛門側に口側の腸管がはまり込んで腸が重なり合い、もとに戻らなくなった状態
    • 腸の一部が連続する腸の内腔にはまり込む
    • 腸が圧迫されて、腸を栄養する血流が途絶えてしまう
    • 腸閉塞の状態となり、腸管壊死や腸穿孔を起こすこともある
    • 早急な治療が必要
  • 大多数が3か月から2歳の乳幼児
    • 男の子にやや多い
  • 5歳を過ぎて起きた場合や何度も繰り返す場合は、小腸ポリープやメッケル憩室・重複腸管・潰瘍腫瘍などが原因であることが多い
    • 小児では特に異常がないことが多い(特発性腸重積)
      ・感染(アデノウイルス感染症腸管出血性大腸菌感染症、ロタウイルス感染症など)がきっかけになることもある
    • 成人で起きた場合、腫瘍が原因となっていることが多い
      ・小腸重積では良性腫瘍が多い
      ・大腸重積では悪性腫瘍が多い
  • ロタウイルスワクチン接種後の発症も知られている(接種後7日以内に多い)
    • 10万人に1-2人
    • ロタウイルス感染の症状の強さを考慮して、腸重積の危険性よりもメリットが上回るとしてワクチン接種が推奨されている

腸重積の症状

  • 以下の3つが特徴的:全ての症状がみられることは少ない
    • 腹痛
    • 嘔吐
    • イチゴゼリーのような血の混じった便
  • 「急に不機嫌に泣きじゃくる→泣き止む→泣く」を繰り返すというのが典型的な経過(間欠的啼泣)
    • 腸は常に蠕動(ぜんどう)しており、蠕動にあわせて「腸が重なる・重なりが解除される」という状態を繰り返す
    • 腸が重なると痛みが出て泣き、顔色も悪くなりぐったりする
    • 重なりが解除されると泣き止む
  • 症状が進行すると、腹部膨満や発熱などがみられることもある

腸重積の検査・診断

  • ・検査/診断
  • 経過や診察所見(お腹の触診)をもとに診断する
    • 補助的に検査を行うこともある
    • 非常に疑わしい場合には検査と治療を同時に行うこともある
  • 浣腸
    • イチゴゼリー状の血便を確認する
    • 自然に排便してすでに血便が確認できている場合には不要
    • 圧がかかることで腸に穴を開ける(腸穿孔)危険性があるので、行うかどうかは慎重に判断する必要がある
  • 腹部超音波検査
    • 腸がはまり込んでいないか、確認する
  • 下部消化管造影検査
    • 治療をかねて行う
    • 肛門から造影剤を入れて腸管の形をみる
    • 造影剤を入れることで腸管に圧がかかるため、腸の重なりを解除できる
  • 腹部CT検査
    • 超音波検査ではっきりしない場合に行う
    • 腸重積の原因を探す目的で行うこともある

腸重積の治療法

  • 診断時にはすでに改善していることもある
    • その場合も再発の危険性はあるので、経過は慎重にみる
  • 診断した時点で腸の重なりがある場合にはできるだけ早く治療する
  • 注腸整復
    • レントゲン透視)または超音波で腸管の状態を確認しつつ、肛門から液体(造影剤、生理食塩水)や空気を流しその圧力ではまり込んだ腸を元に戻す
    • 診断も兼ねている
    • 発症から24時間以内であれば、9割近くの患者はこれで元に戻る
    • 腸管に圧をかけるため、腸穿孔の危険性もある
    • 再発することも多いのでその後の経過を慎重にみる必要がある
    • 最低1泊の入院となることが多い
  • 手術
    • 注腸整復で元に戻らない場合や、発症から時間が経っている場合、すでに腸穿孔を起こしている場合には手術をする
    • 腸管の重なりを解除する
    • 腸管が壊死(血流が途絶えて細胞が死んでしまうこと)している場合には、腸管の一部を切除する
  • 繰り返す場合や年長児で発症した場合には、症状が落ち着いた後にポリープや腫瘍などの原因がないか検索が必要になる


腸重積が含まれる病気


腸重積のタグ


腸重積に関わるからだの部位

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