あいじーえーじんしょう
IgA腎症
腎臓の糸球体という部分に炎症が起きることで腎機能が下がってしまう。IgAというタンパクが糸球体に付着して炎症を起こすことが原因
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最終更新: 2024.02.21
IgA腎症の基礎知識
POINT IgA腎症とは
腎臓の機能低下の原因となる病気です。タンパク尿や血尿の指摘から見つかることが多いです。IgAという免疫物質が腎臓の糸球体に沈着して炎症を引き起こすことが原因とされていますが、詳しいメカニズムはまだ不明です。尿検査や血液検査、腎生検、超音波検査などが診断に用いられます。IgA腎症には程度によって治療法が異なります。軽症の場合は特に問題とならないことも多いので経過観察が可能ですが、重症化する可能性が高いと考えられる場合には、主にステロイド薬を用いて治療されます。IgA腎症が気になる人は腎臓内科を受診してください。
IgA腎症について
- 腎臓の
糸球体 という部分に炎症 が起きる病気の一種- IgAというタンパクが糸球体に付着して炎症を起こすことが原因
- 慢性糸球体腎炎の原因の中では最も多い
- 10代と40代に多い
- 10年間腎臓の機能が維持できる割合は80%を超えると考えられている
IgA腎症の症状
- ほとんどの場合、自覚症状は無い
- 症状がある場合
血尿 (コーラの様な色)- ネフローゼ症候群(尿に大量のタンパク質がもれ出る)
- 体がむくむ
- 疲れやすい
- 食欲がない など
IgA腎症の検査・診断
- 尿検査:尿に血やタンパク質などが混ざっていないかを調べる
- 症状が無いため、健康診断などで発見されることが多い
- 血液検査:血液中のIgAの量や腎臓の機能を調べる
組織診 :体の外から針を刺して腎臓の組織を一部切り取ることで腎臓の異常の原因を調べる
IgA腎症の治療法
- 食事療法
- 塩分を控えめにする
- タンパク質を制限する
- 薬物治療
- 降圧薬:アンジオテンシン変換
酵素 阻害薬・アンジオテンシンII受容体拮抗薬・カルシウム拮抗薬- 血圧を適正範囲内に保つことで腎臓の機能を保護する
ステロイド薬 :腎臓の炎症 を抑えるステロイドパルス 療法:ステロイド薬の大量投与
抗血小板薬 - 血液をかたまりにくくする薬
- 降圧薬:アンジオテンシン変換
- 扁摘パルス療法
扁桃 摘出手術とステロイドパルス療法を行うこと扁桃腺 を摘出するとなぜ腎臓に良いのかははっきりと分かっていないが、摘出すると腎炎が良くなるというデータが報告されている
- 治療後の経過
IgA腎症の経過と病院探しのポイント
IgA腎症が心配な方
IgA腎症は健康診断や他の目的で受けた尿検査などでタンパク尿が指摘されることで見つかることが多い病気です。たんぱく尿を指摘されたら医療機関で相談することを強くお勧めします。相談先としては腎臓内科が最も適しています。近くに腎臓内科がなければ、一般内科でも良いです。