あいじーえーじんしょう
IgA腎症
腎臓の糸球体という部分に炎症が起きることで腎機能が低下してしまう。IgAというタンパクが糸球体に付着して炎症を起こすことが原因
16人の医師がチェック 134回の改訂 最終更新: 2026.10.07 (斎木 寛・医師)

IgA腎症の基礎知識

POINT IgA腎症とは

腎臓の糸球体にIgAという抗体が沈着し、炎症が起こる病気です。健康診断などで血尿や蛋白尿を指摘されたことをきっかけに見つかることが多く、進行すると腎臓の機能が徐々に低下することがあります。IgA腎症では、通常とは性質の異なるIgAなどが関係して腎臓に炎症を起こすと考えられていますが、発症する詳しい仕組みについてはまだ分かっていないこともあります。診断には尿検査や血液検査などが行われ、確定診断には腎生検が必要です。治療は蛋白尿の量や腎機能などから病気が進行するリスクを評価して決めます。血圧の管理や腎臓を保護する薬による治療のほか、病状に応じてステロイド薬などを用いた治療が行われます。IgA腎症が心配な人や、健康診断などで血尿や蛋白尿を繰り返し指摘されている人は、腎臓内科で相談してください。

IgA腎症について

  • 腎臓の糸球体という部分に炎症が起こる病気
  • IgAという抗体を含む免疫複合体が糸球体に沈着し炎症を起こす
  • 原発性糸球体疾患の中では世界で最も多い
    • 特に日本を含む東アジアで多い
    • 若年から中年で診断されることが多い
  • 経過には個人差が大きい
    • 腎機能が長期間保たれる人がいる一方、徐々に腎機能が低下して腎不全に至る人もいる
    • 特に蛋白尿の量や腎機能などが、その後の経過を予測するうえで重要
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IgA腎症の症状

  • ほとんどの場合、自覚症状はない
    • 健康診断などで血尿や蛋白尿を指摘されて見つかることが多い
  • 症状がある場合
    • 肉眼的血尿(赤色やコーラ色の尿)がみられることがある
    • かぜや扁桃炎などの感染症に伴って現れることがある
  • 蛋白尿が多い場合には、むくみなどがみられることがある
  • まれにネフローゼ症候群を起こすことがある
    • 体がむくむ
    • 疲れやすい
    • 食欲が低下する など
症状の詳細

IgA腎症の検査・診断

  • 尿検査:血尿や蛋白尿の有無や程度を調べる
    • 自覚症状がないことも多いため、健康診断などの尿検査をきっかけに見つかることが多い
  • 尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)などを用いて蛋白尿の量を詳しく調べることもある
  • 血液検査:腎臓の機能や血液中のIgAなどを調べる
    • クレアチニンやeGFRなどから腎機能を評価する
    • 血液中のIgAが増加することがあるが、IgAの値だけでIgA腎症を診断することはできない
  • 腎生検:腎臓に針を刺して組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる
    • IgA腎症の確定診断に必要な検査
    • 糸球体へのIgAの沈着や腎臓の組織の変化を確認する
検査・診断の詳細

IgA腎症の治療法

  • 生活習慣・食事療法
    • 塩分を控える
    • 適正体重の維持、運動、禁煙などを行う
    • 腎機能などに応じてタンパク質の摂取量を調整する
  • 腎臓の機能を守るための薬物治療
    • ACE阻害薬・ARB:血圧や蛋白尿を減らし、腎臓の機能低下を抑える
    • SGLT2阻害薬:病気が進行するリスクが高い場合などに使用を検討する
  • 腎臓の炎症などを抑える治療
    • ステロイド薬:病状や腎機能、副作用のリスクなどを考慮して使用する
    • ステロイドパルス療法が行われることもある
  • 扁桃摘出術・扁摘パルス療法
    • 扁桃摘出術とステロイドパルス療法を組み合わせる治療
    • 日本ではIgA腎症の治療として行われている
  • 治療後の経過
    • 経過には個人差があり、長期間腎機能が保たれる場合がある一方、徐々に腎機能が低下する場合もある
    • 腎不全まで進行した場合には、血液透析、腹膜透析、腎移植などの腎代替療法が必要になることがある
治療法の詳細

IgA腎症の経過と病院探しのポイント

IgA腎症が心配な方

IgA腎症は健康診断や他の目的で受けた尿検査などでタンパク尿が指摘されることで見つかることが多い病気です。たんぱく尿を指摘された人は医療機関で相談することを強くお勧めします。相談先としては腎臓内科が最も適しています。近くに腎臓内科がなければ、一般内科でも良いです。

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