たけいしんしゅつせいこうはん
多形滲出性紅斑
感染症や薬の副作用による皮膚症状。腕や脚を中心に両側の皮膚に丸くて赤い浮腫(むくみによる皮膚の盛り上がり)ができる
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最終更新: 2022.03.29
多形滲出性紅斑の基礎知識
POINT 多形滲出性紅斑とは
感染症や薬の影響で皮膚に赤い円形の盛り上がり(浮腫性紅斑)ができる病気です。視診(見た目の診察)によって診断ができますが、他の病気との区別が難しいときには皮膚の一部を切り取って顕微鏡で詳しく調べます。原因によって治療が異なり、感染症が原因である場合は抗菌薬による治療が行われ、薬の影響であれば、原因となっている薬を中止します。また、症状を和らげるために、ステロイドが含まれた塗り薬・飲み薬などが使われます。症状が悪化するとスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症といった重い状態に変化するので、経過を十分に観察することも重要です。多形滲出性紅斑が心配な人は皮膚科を受診してください。
多形滲出性紅斑について
感染症 や薬の副作用によって起きた皮膚症状の一種- 腕の外側(伸側)や足の前側(伸側)に
皮疹 が出やすい - 皮膚に赤い円形の盛り上がり(
浮腫 性紅斑 )ができる病気
- 腕の外側(伸側)や足の前側(伸側)に
- 主な原因
- 症状がひどくなるとスティーブンス・ジョンソン症候群という病気になる
多形滲出性紅斑の症状
- 両腕や両脚に赤い円形の盛り上がり(
浮腫 性紅斑 )ができる - 発熱や関節痛などが見られることもある
多形滲出性紅斑の検査・診断
多形滲出性紅斑の治療法
- 原因に対する治療
薬剤性 が疑われる場合は、原因になりそうな薬をできる限り中止感染症 が疑われる場合は診断確定したら早期に抗菌薬 などで治療を開始
- 症状が強ければ、
ステロイド薬 の塗り薬や飲み薬、点滴などを使用- ステロイド薬は
炎症 を抑える
- ステロイド薬は
- 軽症であれば3週間くらいで症状は無くなることが多い
- 症状が重い場合は、スティーブンス・ジョンソン症候群と呼ばれさらに集中した治療が必要
- スティーブンス・ジョンソン症候群からさらに症状が重くなると、中毒性表皮壊死症という命に関わる状態になることもある
多形滲出性紅斑に関連する治療薬
副腎皮質ホルモン(ステロイド外用塗布剤・噴霧薬など)
- 抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹、痒み、赤みなどを和らげる薬
- アレルギー性の皮膚症状は何らかの原因によりアレルギー反応がおこり湿疹や痒みなどがあらわれる
- 副腎皮質ホルモンは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
- 本剤は副腎皮質ホルモンを元に造られたステロイド外用薬
- 乾癬などの免疫異常による皮膚症状の治療に使用される場合もある
- 本剤は作用の強さによって大きく5段階に分類される
- 作用の弱い順に、V群(ウィーク)、IV群(マイルド)、III群(ストロング)、II群(ベリーストロング)、I群(ストロンゲスト)に分けられる
- 本剤の剤形には、軟膏剤、クリーム剤、液剤などがあり薬剤によっては用途などに合わせた選択が可能な場合もある