たんじゅんほうしん(たんじゅんへるぺす)
単純疱疹(単純ヘルペス)
単純ヘルペスウイルスに感染した状態。皮膚に水ぶくれができる。顔に出やすい1型と、陰部に出やすい2型がある
11人の医師がチェック 150回の改訂 最終更新: 2017.12.06

単純疱疹(単純ヘルペス)の基礎知識

POINT 単純疱疹(単純ヘルペス)とは

単純ヘルペスウイルスによる感染症です。単純ヘルペスウイルスの感染が起こると、帯状疱疹のように一旦治まったと思っても突如として再発することがあります。主な症状は皮膚の痛みや違和感や水疱になります。口の周りや口の中、性器周囲に症状が出やすいです。うつすことがあるため、治療する前に周囲と必要以上に接触するのは控えましょう。 それまでの経過や症状の具合を踏まえて診断されることが多いですが、診断が難しい場合は水疱の中身を顕微鏡や遺伝子検査で調べることがあります。治療には抗ウイルス薬を用います。単純疱疹が心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症内科を受診して下さい。

単純疱疹(単純ヘルペス)について

  • 単純疱疹」は、単純ヘルペスウイルス(HSV)に感染し、皮膚や粘膜に小水疱(小さいみずぶくれ)が集まった皮膚の状態をいう
  • 単純ヘルペスウイルスにはHSV-1型とHSV-2型がある
  • 単純ヘルペスウイルスは、一度感染すると治ったようにみえても人間の神経細胞の中に潜んでいる(潜伏感染
    • 風邪、疲労、ストレスなどで免疫力の落ちた時に体の中に潜んでいたウイルスが悪さをする
  • 主な感染ルート
    • 傷のある手などで、他の人のヘルペス病変(水疱、びらん)に直接触れる(接触感染
    • くしゃみ、せき、会話などで唾液などがかかる(飛沫感染
    • コンドームを使用しない性行為で感染する
      ・近年は口腔性交(オーラルセックス)で感染が広がっていることが懸念されている
  • 最初に感染するときは症状の出ない不顕性感染が多いが、症状を起こすと範囲も広く重症となる

単純疱疹(単純ヘルペス)の症状

  • 発熱や痛みなどの強い症状が出て入院が必要となる場合から、皮膚の局所的な症状のみで済む場合まで、程度はさまざまである
  • 症状の典型的な経過
    • ピリピリ、チクチク、ムズムズといった違和感や痛みが出る
    • 半日以内に、違和感や痛みがあった場所の皮膚が赤く腫れる
      ・腫れた部分ではウイルスが盛んに増殖しているので、この時期に治療を始めることが大切
    • 赤く腫れた後に、水ぶくれができる
    • この水ぶくれの中にはウイルスがたくさん入っているので、破れた部分に他人が触れると感染する危険がある
    • 症状が出た後はかさぶたができ、治っていく
  • 性器ヘルペスの場合、痛みで排尿が困難になり、症状が落ち着くまでは尿道カテーテル(尿道に管を入れること)が必要なことがある

単純疱疹(単純ヘルペス)の検査・診断

  • 特徴的な皮膚の症状、痛みからほとんどは診断される
  • 血液や、水ぶくれからの分泌物を用いてウイルスの存在を調べる検査もある

単純疱疹(単純ヘルペス)の治療法

  • 増えている単純ヘルペスウイルスに対する治療が中心になる
    • 抗ウイルス薬の飲み薬  
      単純ヘルペスウイルスの増殖を抑えて、症状の治りを早くする
      ・決して副作用のない薬ではないので、症状と合わせて考えて必要な時のみ使用する
    • 重症な場合には点滴薬を使うこともある
  • 痛みが強い場合は痛みどめの飲み薬も使う
  • 荒れた皮膚から細菌感染症を起こしてしまった場合には抗生剤による治療も併せて行う
  • 繰り返す病気であるため頻回に再発を繰り返す人には、少なめの抗ウイルス薬の飲み薬をずっと飲み続ける再発抑制療法をすることもある
  • 水ぶくれにはウイルスがいるので他の人に触れてうつさないように注意する
    • 特に気を付ける(重症化させてしまう)相手
      ・新生児
      アトピー性皮膚炎がある人
      ・性的パートナーで、ヘルペスウイルス免疫を持っていない人
      ・病気のため、または治療のため免疫が抑えられている人
       ・白血病
       ・悪性腫瘍の治療中
       ・自己免疫疾患の治療中
       ・移植手術後   など

単純疱疹(単純ヘルペス)に関連する治療薬

ヘルペスウイルス感染症治療薬

  • ウイルス増殖に必要なDNA複製を阻害し、ヘルペスウイルスの増殖を抑え単純疱疹や水痘、帯状疱疹などを治療する薬
    • 単純疱疹、水痘、帯状疱疹などはヘルペスウイルスが原因で発症し、ヘルペスウイルスに感染すると水ぶくれができ痛みや発熱などが生じる場合がある
    • ウイルスが増殖するには遺伝情報が刻まれているDNA複製が必要
    • 本剤はウイルスのDNA複製を阻害することで抗ウイルス作用をあらわす
  • 発症した疾患や腎機能の状態などによって各薬剤の服用量が異なる場合がある
  • ヘルペスウイルス(帯状疱疹ウイルス)の関与があるとされる片頭痛に対して使われる場合もある
ヘルペスウイルス感染症治療薬についてもっと詳しく

ヘルペスウイルス感染症治療薬(外用塗布薬)

  • ヘルペスウイルスの増殖を抑えて、痛みなどの皮膚症状を改善する薬
    • 単純ヘルペスウイルスに感染すると皮膚や粘膜に小水疱(小さい水ぶくれ)ができる
    • ウイルスが増殖するために必要なDNAの複製には酵素(DNAポリメラーゼ)が必要となる
    • 本剤はヘルペスウイルスのDNA複製に必要な酵素の働きを阻害し抗ウイルス作用をあらわす
  • 薬剤によっては単純疱疹の他、帯状疱疹に使用するものもある
ヘルペスウイルス感染症治療薬(外用塗布薬)についてもっと詳しく

単純疱疹(単純ヘルペス)の経過と病院探しのポイント

単純疱疹(単純ヘルペス)が心配な方

単純疱疹では、口の周りまたは陰部に腫れ、水ぶくれ、痛みといった症状が出現します。口の周りに出るものを口唇ヘルペス、陰部に出るものを性器ヘルペスと呼びます。

ご自身が単純疱疹でないかと心配になった場合、もしかかりつけの内科クリニックがあれば、まずはそこで相談してみることをお勧めします。特に普段かかっている病院がなければ皮膚科のクリニックや、性器ヘルペスであれば泌尿器科の受診も適切です。

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単純疱疹(単純ヘルペス)でお困りの方

単純疱疹はウイルス感染が原因の病気ですので、治療は抗ウイルス薬の内服や軟膏になります。基本的には診断がつき次第その場で治療が開始されますし、初期治療の方法にバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。

単純疱疹は、治療をして一旦症状が落ち着いても、後に再発することがあります。再発を完全に防ぐことはできませんが、体調を崩したタイミングで再発しやすいことが知られています。口唇ヘルペスの場合には、紫外線で口周りが強く日焼けすることなども再発のきっかけとなります。

年に何回も症状を繰り返し、またそのため日常生活に支障が出ているなどの場合には、長期的に抗ウイルス薬を内服して再発を抑えるための治療があります。あまり内科のクリニックで行われるような一般的な治療法ではないのですが、こちらを検討されたい方は皮膚科や泌尿器科の医師とご相談されることをお勧めいたします。

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