口唇ヘルペスの基礎知識
POINT 口唇ヘルペスとは
単純ヘルペスウイルス1型の感染によって起こる病気です。まれに単純ヘルペスウイルス2型(性器ヘルペスを起こすウイルス)の感染によっても起こります。主な経過としては口の周りに違和感が出現して、そこから水ぶくれが出現しその後かさぶたになります。症状と経過から診断しますが、場合によっては水疱の内容物を顕微鏡で見ることで診断することもあります。治療には抗ウイルス薬を用いますが、再発することも多く予防的に抗ウイルス薬を飲むことが勧められることもあります。口唇ヘルペスが心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症内科を受診してください。
口唇ヘルペスについて
口唇ヘルペスの症状
- 唇やその周囲に痛みや違和感が生じて、その後に水ぶくれができて、いずれかさぶたとなって治る
- 体調が悪いときなどに
症状 を繰り返す - 初回は症状が重いことがある
口唇ヘルペスの検査・診断
- 特徴的な
症状 から診断がつく 水疱 にいるヘルペスウイルス 感染細胞を顕微鏡で確認する
口唇ヘルペスの治療法
- 抗
ウイルス 薬を内服することで治癒 までの期間を短くすることができる- ただし、基本的に自然経過で治る病気であり治療は必須ではない
症状 は繰り返すため、薬を服用するのであれば特徴的な違和感が出てきたタイミングで内服を開始することが望ましい- 症状がひどいとき、繰り返す頻度が高いときには予防的に薬を飲み続ける方法もある
口唇ヘルペスに関連する治療薬
ヘルペスウイルス感染症治療薬(外用塗布薬)
- ヘルペスウイルスの増殖を抑えて、痛みなどの皮膚症状を改善する薬
- 単純ヘルペスウイルスに感染すると皮膚や粘膜に小水疱(小さい水ぶくれ)ができる
- ウイルスが増殖するために必要なDNAの複製には酵素(DNAポリメラーゼ)が必要となる
- 本剤はヘルペスウイルスのDNA複製に必要な酵素の働きを阻害し抗ウイルス作用をあらわす
- 薬剤によっては単純疱疹の他、帯状疱疹に使用するものもある
口唇ヘルペスの経過と病院探しのポイント
口唇ヘルペスが心配な方
口唇ヘルペスでは、口の周りに腫れ、水ぶくれ、痛みといった症状が出現します。口内炎に似たようなボツボツが唇にできるのが特徴です。
ご自身が口唇ヘルペスでないかと心配になった時には、まずは近所の皮膚科クリニックでご相談されることをお勧めします。
口唇ヘルペスでお困りの方
口唇ヘルペスはウイルス感染が原因の病気ですので、治療は抗ウイルス薬の内服や軟膏になります。基本的には診断がつき次第その場で治療が開始されますし、初期治療の方法にバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。
口唇ヘルペスは、治療をして一旦症状が落ち着いても、後に再発することがあります。再発を完全に防ぐことはできませんが、体調を崩したタイミングで再発しやすいことが知られています。紫外線で口周りが強く日焼けすることなども再発のきっかけとなります。
年に何回も症状を繰り返し、またそのため日常生活に支障が出ているなどの場合には、長期的に抗ウイルス薬を内服して再発を抑えるための治療があります。口唇ヘルペスの方全員が受けるような一般的な治療法ではないのですが、こちらを検討されたい方は皮膚科の医師とご相談されることをお勧めいたします。