こうしんへるぺす
口唇ヘルペス
成人で最もよくみられる単純ヘルペスの一種。
9人の医師がチェック 47回の改訂 最終更新: 2025.01.07

口唇ヘルペスの治療:病院で処方される治療薬(塗り薬・飲み薬)と市販薬

口唇ヘルペスの治療ではヘルペスウイルスが増えないようにすることと、痛みを抑えることが行われます。抗ヘルペスウイルス薬には飲み薬や塗り薬があり、再発の回数や症状に応じて使われます。ここでは口唇ヘルペスの治療を説明するとともに、治癒までにかかる期間や早く治す方法などについても説明します。

1. 口唇ヘルペスは何科を受診すればいいか:皮膚科・内科

口唇ヘルペスは唇や口の中にできるので歯科(歯医者)などに受診しようと思うかもしれません。もちろん歯科(歯医者)でも治療を行うことは可能ですが、口唇ヘルペスは主に皮膚科が専門になります。その他にも内科でも治療はできます。

皮膚科は軟膏の塗り方などの対応方法に詳しいため、口唇ヘルペスの部分のじゅくじゅくがひどい場合には皮膚科で相談してみると良いです。また、自然に治ることもありますが、1週間を過ぎても症状が続いている場合には、他の病気の可能性がありますので、皮膚科を受診してみることをお勧めします。

なお、くちびるに何かできものできた場合に、自己判断で手持ちの軟膏を塗ることはさけてください。例えば、ステロイドが含まれたリンデロン軟膏、抗生物質が含まれたゲンタシン軟膏、その他にオロナインなどを塗りたくなるかもしれません。しかし、症状の原因が口唇ヘルペスであれば、それらの薬を使うことでかえって悪化する恐れがあります。清潔にする程度の対応にとどめ、皮膚科を受診してください。

2. 口唇ヘルペスの薬物治療

口唇ヘルペスの治療では原因となっている単純ヘルペスウイルスを増殖させないようにする薬を使います。抗ヘルペスウイルス薬には内服薬、塗り薬、点滴治療があります。どの形態の薬を使用するかはヘルペスウイルスの感染が初感染か再発性かと、再発の場合には再発の頻度などによって決められます。

初感染の口唇ヘルペスの治療

口唇ヘルペスにはじめて感染した場合には、早期に診断して十分な薬を使用することで、その後に潜伏感染するウイルス量を減らすことができます。潜伏するウイルス量を減らせればその後ウイルスが再活性化して再発する回数を減らせる可能性があります。口の中の症状の程度によって、内服ができる場合には内服薬での治療を行い、内服ができない場合には点滴での治療が行われます。

参考文献
Sawtell NM, et.al.: J Infect Dis. 2001 Oct 15;184(8):964-71. doi: 10.1086/323551. Epub 2001 Sep 10.PMID: 11574910

再発性の口唇ヘルペスの治療

再発した口唇ヘルペスで再発回数が少なく、軽症の場合には外用薬で治療が行われます。医療機関で軟膏を処方してもらうこともできますし、最近では抗ヘルペスウイルス薬の軟膏がスイッチOTC薬として市販されています。市販薬は、過去に医療機関で診断、治療を受けたことがある再発性の口唇ヘルペスの場合に限って購入ができます。

症状がごく軽い場合では軟膏などを使用せず、清潔にするのみでも治ります。

一方、再発頻度の高い口唇ヘルペスや重症の場合には内服治療を行います。発症してから48時間以内の内服でないと効果が不十分になります。すでに治りかけの場合には抗ウイルス薬の内服を行っても効果が期待できないため、場合によっては軟膏のみでの治療が行われます。

3. 口唇ヘルペスに処方される外用薬(塗り薬)

再発回数の少ない口唇ヘルペスの場合には主に外用薬が使われます。外用薬にはヘルペスウイルスの増殖を抑える成分が入っています。軽症の場合には塗り薬で対処できますが、痛みの範囲が広いなどの場合には内服治療のほうが効果的です。

抗ウイルス薬:ゾビラックス®軟膏、アラセナ-A軟膏

抗ウイルス薬の成分が含まれた軟膏は、再発性の口唇ヘルペスで軽症の場合に使うことができます。ゾビラックス®軟膏はアシクロビルを主成分とし、アラセナ-A軟膏はビダラビンを主成分とした軟膏です。両成分ともにウイルスに感染した細胞に取り込まれて、ヘルペスウイルスの増殖を抑える効果があります。

ゾビラックス®軟膏は口唇ヘルペスや単純ヘルペスに保険適用があります。一方、アラセナ-A軟膏は単純ヘルペスのみではなく、帯状疱疹にも保険適用があります。口唇ヘルペスは単純ヘルペスの一種なので、どちらの薬も処方されます。

アシクロビルやビダラビン軟膏での研究ではありませんが、抗ヘルペスウイルス薬の軟膏を使用したほうが口唇ヘルペスが治るまでの期間および、痛みの程度が軽かったという報告があります。

塗り薬は発疹のある部分を清潔にして1日3-4回塗布して使います。

塗り薬の副作用として皮膚のかゆみやピリピリするような刺激を感じることがあります。人によっては塗り薬の成分があわなくて赤みが出たり、かぶれたりすることがあります。その場合には塗ることを中止して処方してもらった皮膚科などの医療機関に相談してください。

4. 口唇ヘルペスに処方される内服薬(飲み薬)

抗ウイルス薬:アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル

口唇ヘルペスの治療に使われる抗ヘルペスウイルス薬の内服薬は、現在3種類あります。口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルスと、水痘水疱瘡みずぼうそう)や帯状疱疹の原因ウイルスである水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える働きがあります。いずれもヘルペスウイルスに感染した細胞内でのみ効果を発揮します。それぞれの薬の説明をした後に気をつけるべき副作用について説明します。

◎アシクロビル(商品名:ゾビラックス®など)

アシクロビルはこの3つのなかで最も歴史のある薬です。ウイルスが増えるためには遺伝情報などを含むDNAの複製が必要となります。DNAを複製する過程で必要な酵素にDNAポリメラーゼという酵素があります。アシクロビルはこの酵素に作用することでDNA複製を阻害します。

アシクロビルには錠剤や散剤、注射剤などがあり、年齢や病状に応じて選択されます。アシクロビルには注射薬がありますが口唇ヘルペスでは使われることはありません。

アシクロビルは1日5回内服する必要があり内服の回数が多い点がやや不便です。しかし、アシクロビル製剤は基本的に食事の有無に関わらず服用可能なので、食欲低下が起こった場合でも服用への影響はさほどありません。腎機能が低下している人では身体の薬物濃度が高まり副作用が出やすくなるため、内服する量が調整されます。

◎バラシクロビル塩酸塩(商品名:バルトレックス®など)

アシクロビルを元に薬剤の吸収などを改善させた薬剤がバラシクロビル塩酸塩です。バラシクロビル塩酸塩は服用後に速やかに消化管から吸収され、その後アシクロビルに変換されて抗ウイルス作用を表します。

アシクロビルより腸からの吸収が良いため服用回数が少ないという利点があります。口唇ヘルペスの場合には1日2回の内服で治療が行われます。腎機能が低下している人では身体の薬物濃度が高まり副作用が出やすくなるため内服する量が調整されます。

◎ファムシクロビル(商品名:ファムビル®など)

ファムシクロビルは日本で開発された抗ヘルペスウイルス薬です。

アシクロビルやバラシクロビル塩酸塩と同じように、ヘルペスウイルスが増殖するために必要なDNA複製を阻害する働きを持ちます。DNA複製に必要な酵素に働く点は同じですが、阻害される酵素がアシクロビルやバラシクロビル塩酸塩とは異なります。また薬が体外に排泄される場合には便から排泄されるという点も異なり、腎機能が低下している場合でも薬の量の調整が不要です。

ウイルスに感染した細胞内で効果を発揮する時間が長いと言われていますが、バラシクロビル塩酸塩とファムシクロビルでは症状の改善や安全性に大きな差はないとされています。口唇ヘルペスの場合には、1日3回の内服で治療が行われます。

◎抗ヘルペスウイルス薬の副作用

いずれの薬も比較的安全性が高い薬剤とされていますが、注意すべき副作用としては次のようなものがあります。

  • 消化器症状
    • 嘔気:吐き気がする
    • 下痢:下痢になる
    • 腹痛:お腹が痛くなる
  • 過敏症状
    • 発疹:体にぶつぶつができる
    • 搔痒感:体がかゆくなる
  • 急性腎障害
    • 乏尿:尿量が減る
    • 浮腫:手足や顔がむくむ
  • 精神神経症状(アシクロビル脳症)
    • 意識障害:意識がぼんやりする
    • 呂律不良:口が回らなくなる
    • 振戦:手が震える
    • 幻視:見てないものが見える
    • 幻聴:聞いていない会話や言葉が聞こえる

消化器症状や過敏症状は比較的よく起こる副作用で、どのような薬でも起こる可能性があります。急性腎障害や精神神経症状が起こる割合は少ないですが、起こると重い症状になります。これらの重い副作用は高齢者、もともと腎機能が低下している人、免疫抑制剤を内服している人などに起こりやすいです。免疫抑制剤とは関節リウマチや臓器移植後などの病気の治療のために身体の免疫を抑える薬です。例えば、ステロイド(副腎皮質ホルモン)や、メトトレキサート(商品名:リウマトレックス®など)などがあたります。このような薬を処方されている人は、お医者さんから免疫を抑える作用があることを説明されていることがほとんどです。

副作用を疑う上記のような症状が起きた場合には、内服を中止して、処方してもらった医療機関や内科を受診してください。

鎮痛薬(痛み止め)

口唇ヘルペスでの痛みは軽度であるため、多くの場合は痛み止めの内服が必要になるほどにはなりません。しかし、痛みが強い場合には痛み止めを使用することもできます。

◎アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは一般的に「中枢性解熱鎮痛薬」とも呼ばれる薬で、痛みや発熱などを引き起こすプロスタグランジン(PG)という体内物質の働きを抑えることで、主に解熱鎮痛作用をあらわします。

同じくPGの働きを抑えて解熱・鎮痛・抗炎症作用などをあらわす薬として、ロキソプロフェンナトリウム(主な商品名:ロキソニン®)やアスピリン(主な商品名:バファリン)などのNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる薬がありますが、アセトアミノフェンはこのNSAIDsとはやや異なる作用のしくみをもつ薬剤と考えられています。

アセトアミノフェンは解熱・鎮痛作用をあらわす一方、NSAIDsでは期待できる抗炎症効果がほとんど期待できないとされています。アセトアミノフェンは一般的に安全性が高く、胃腸障害や腎障害などのNSAIDsで注意すべき副作用への懸念はかなり少なく、小児から高齢者まで幅広い年齢で使えるのもメリットのひとつです(ただし、稀に起こる可能性がある肝機能障害などに注意は必要です)。

また妊婦への負担も少ないとされ「医師の診断のもとで使用に対して有益性が危険性を上回る場合」などの条件はつきますが、妊婦でも使える薬です。

医療用医薬品(処方薬)としての主なアセトアミノフェン製剤には錠剤や散剤(主な商品名:カロナール®、コカール®)の他、坐剤(主な商品名:アンヒバ®、アルピニー®、カロナール®)や注射剤(商品名:アセリオ®)といったように剤形も複数あり、用途などに合わせた選択も可能です。アセトアミノフェンは一般用医薬品(市販薬)の成分としても多くの製剤(例:小児用バファリンCⅡタイレノール®Aなど)に使われています。

◎NSAIDs(エヌセイズ:ステロイド性抗炎症薬)

NSAIDs(エヌセイズ)とは一般的に、ステロイド(副腎皮質ホルモン)ではなく、体内で痛みや発熱などを引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の働きを抑えることで鎮痛・解熱・抗炎症作用などをあらわす薬の総称です。

主なNSAIDsにはロキソプロフェンナトリウム(主な商品名:ロキソニン®)、アスピリン(アセチルサリチル酸)(主な商品名:バファリン配合錠A330)、イブプロフェン(主な商品名:ブルフェン®)、ジクロフェナクナトリウム(主な商品名:ボルタレン®、ナボール®)、ナプロキセン(商品名:ナイキサン®)などがあり、一般的に「痛み止め」と呼ばれる薬の多くがこのNSAIDsに含まれます。

NSAIDsは痛みや発熱、炎症などを伴う多くの病態で使われる薬です。NSAIDsは、アセトアミノフェンではほとんど期待できない抗炎症作用をあらわすなど、有用性が高い薬である一方で胃腸障害、腎障害、呼吸器症状(咳や喘息発作誘発など)といった副作用に注意が必要です。腎障害が起こりやすいため、同じく腎障害を起こすことがあるアシクロビルなどと併用する時には注意が必要です。NSAIDsの副作用に関しては「副作用は胃痛、胸やけだけじゃない!? ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン® など)について」でも解説しています。

NSAIDsの製剤には、薬剤によっては錠剤や散剤などの内服薬以外に坐剤などの剤形が選択できる場合があります。例えば、インドメタシンの坐剤(主な商品名:インテバン®坐剤)などがあり、片頭痛発作時に吐き気などを伴い内服が困難な場合などは特に有用です。

またNSAIDsはアセトアミフェン同様、一般用医薬品(市販薬)としても多くの製剤に使われていて、近年ではロキソプロフェンナトリウムの市販薬(例:ロキソニン®Sシリーズなど)も発売されています。

5. 口唇ヘルペスに効果のある市販薬

口唇ヘルペスに効果のある市販薬は塗り薬のみです。ヘルペスウイルスの増殖を抑える飲み薬は市販薬ではなく、医療機関での処方が必要です。(なお、本記事に登場する薬剤に関して、株式会社メドレーは特定の製薬企業やその関係団体との利害関係はありません)

アラセナS、ヘルペシア、アクチビア®

ドラッグストアなどで市販されている抗ヘルペスウイルス薬の塗り薬は4種類あります(2024年11月時点)。

アラセナSアラセナSクリームはビタラビンを主成分としています。

ヘルペシアアクチビア®はアシクロビルを主成分としています。

それぞれの成分はウイルスに感染した細胞に取り込まれてヘルペスウイルスの増殖を抑える効果があります。

これらの外用薬は誰もが購入できるわけではなく、過去に医療機関で診断、治療を受けたことがある再発性の口唇ヘルペスの場合に限り購入ができます。

口唇ヘルペスの再発の回数が少ない場合には外用薬の治療でも治りますが、再発回数多い場合や症状のある皮膚の範囲が広い場合には、内服薬での治療が望ましいため医療機関での適切な対処が必要です。

外用薬は、唇やその周りにピリピリした痛みやチクチクする違和感が起きたら早めに塗布しはじめてください。水ぶくれができる前の痛みの時点から使用を開始して1日に数回塗布します。

塗り薬の副作用として皮膚のかゆみやピリピリするような刺激を感じることがあります。人によっては塗り薬の成分があわなくて赤みが出たり、かぶれたりすることがあります。その場合には塗ることを中止して処方してもらった皮膚科などの医療機関に相談してください。

これらの薬の他に、自己判断で手持ちの軟膏などを塗らないようにしてください。口唇ヘルペスの症状が悪化する可能性があります。

パッチなどの貼り薬

口唇ヘルペスに効果のある貼り薬は2024年11月時点では日本では発売されていません。インターネットなどで海外輸入品などが発売されていますが、日本で発売されたものはなく、効果についてもはっきりとわかっていません。

水ほうができたり、じゅくじゅくしたりしていると、絆創膏やキズパワーパッドなどで保護したくなる人もいると思います。絆創膏などを貼ったりはがしたりすると、水疱がやぶれて内容液がまわりに付着し、その部分にもヘルペスが広がる可能性があるので控えてください。

内服薬(飲み薬)

ヘルペスウイルスの増殖を抑える飲み薬は市販されていません。ヘルペスの痛みに対して効果のある飲み薬として、痛み止めの市販薬があるのみです。口唇ヘルペスの再発予防をうたうようなサプリメントも見られますが、有効性に関しては不明な点が多いです。

痛み止めについて次に説明します。

NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)やアセトアミノフェンなどの一般的に「痛み止め(解熱鎮痛薬)」と呼ばれる薬の多くは、医療用医薬品(処方薬)だけでなく一般用医薬品(市販薬)の成分としても使われています。

ここでは市販薬の痛み止めについていくつか例を挙げてみていきます。(なお、本記事に登場する薬剤に関して、株式会社メドレーは特定の製薬企業やその関係団体との利害関係はありません)

■ロキソニン®S

処方薬としても広く使われている、NSAIDsのロキソプロフェンナトリウムを主成分とした製剤です。

NSAIDsのなかでも比較的高い消炎鎮痛効果が期待でき、頭痛以外にも生理痛、関節痛、発熱時の解熱など多くの用途で使われています。市販薬としては「ロキソニン®S」の名称で関連製剤が発売されています。

ロキソニン®S」はロキソプロフェン単独成分の製剤ですが、これに胃を守る成分(胃粘膜保護成分)として酸化マグネシウムがプラスされた「ロキソニン®Sプラス」という製剤もあります。

また「ロキソニン®Sプレミアム」はロキソプロフェンナトリウムおよびメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(胃粘膜保護成分)に加えて、鎮痛補助成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを含むことで鎮痛効果の増強などが期待できる製剤です。

なお、ロキソプロフェンナトリウムは「ロキソニン®Sシリーズ」以外にも市販の鎮痛薬の成分として使われていて、「バファリンEX」「エキセドリンLOX」など比較的多くの製剤が販売されています。

内服薬(飲み薬)としての市販のロキソプロフェンナトリウム製剤はいずれも第一類医薬品に分類される医薬品で、薬局やドラッグストアなどの店頭で購入する場合は薬剤師からの情報提供などが必要な薬になっています。

■イブ®

「イブ®」はNSAIDsのひとつであるイブプロフェン(処方薬としての主な商品名:ブルフェン®)を主な鎮痛成分とする製剤です。

イブ®」はイブプロフェン単独成分の製剤ですが、「イブ®A錠」や「イブ®A錠EX」はイブプロフェンの他に鎮痛補助成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを含み、鎮痛効果の増強などが期待できる製剤になっています。

イブメルト®」はイブプロフェン単独成分の製品ですが、口の中で簡単に溶けるようにつくられた錠剤(口腔内崩壊錠)でレモンライムの味がついています。なんらかの理由で飲み込み(嚥下)に対して懸念がある場合などに対するメリットなどが考えられます。

■バファリン

現在(2018年8月時点)、10種類以上の市販薬が発売されているバファリンシリーズですが、製剤によって含まれる鎮痛成分もさまざまです。

バファリンA」はシリーズのなかでも基本というべき製剤のひとつで、NSAIDsのアスピリン(アセチルサリチル酸)が主成分です。〔ちなみに処方薬のバファリン(バファリン配合錠A330など)もアスピリンを主成分としていますが、特に低用量の規格(バファリン配合錠A81)は主に鎮痛薬としてではなく抗血小板薬(血液をサラサラし血栓症などを予防する薬)として使われています〕

同じバファリンの名称をもつ製剤でも、主に子ども用として使われる「小児用バファリンCII」などは、アセトアミノフェンが鎮痛成分として配合されています。これはアスピリンが副作用などの観点から原則として15歳未満には使わない薬とされていることなどが理由です(ただし、川崎病などの治療で医療機関の受診を経てアスピリンが子どもに使われるケースはあります。大人用バファリンと子ども用バファリンの違いはMEDLEYコラム「大人用と子ども用の解熱鎮痛薬は成分が違う??」でも紹介しています)。

その他、バファリンシリーズの製剤例について配合成分と合わせてみていきます。

バファリンEX」は、NSAIDsのロキソプロフェンナトリウムと乾燥水酸化アルミニウムゲル(胃粘膜保護成分)を配合した製剤です。

バファリンルナi」は、イブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類の鎮痛成分に加え、無水カフェイン(鎮痛補助成分)と乾燥水酸化アルミニウムゲル(胃粘膜保護成分)が配合されていて鎮痛効果の増強などが期待できます。

これら4種類(イブプロフェン、アセトアミノフェン、無水カフェイン、乾燥水酸化アルミニウムゲル)にアリルイソプロピルアセチル尿素(鎮痛補助成分)を加え計5種類の成分を配合した製剤が「バファリンプレミアム」になります。

ここで挙げた以外の市販の鎮痛薬としてはセデス®、ナロンエース、リングル®アイビーなどがあり、これらの多くはイブプロフェンなどのNSAIDsかアセトアミノフェンを含む製剤です。

6. 口唇ヘルペスの自然治癒にかかる時間

口唇ヘルペスが自然治癒するまでにかかる時間は通常1-2週間です。薬を使用すると治癒の期間が短縮したり、痛みが軽くすんだりしますが、何もしなくても1-2週間で改善します。

口唇ヘルペスの症状の変化のイラスト

口唇ヘルペスができてから治癒までの流れは次の通りです。まず、前駆症状として皮膚にピリピリした違和感やかゆみが起きます。その1-2日後に皮膚の赤みがおき、水ぶくれができます。水ぶくれは中身が水からに変化した後に、皮膚がじゅくじゅくして、ただれたようになり、その後かさぶたになって治ります。

7. 口唇ヘルペスを早く治す方法

口唇ヘルペスを早く治す方法は、症状が起きたら早めに内服もしくは塗り薬を使用することです。前駆症状に気が付いたらすぐに使用するのが望ましいです。内服薬は発症してから48時間以内に飲まないと十分な効果を得られないため、できれば早めに医療機関に受診してください。処方された内服薬はきちんと用法用量を守って、決められた日数内服することも重要です。

唇の違和感を感じた場合には早めに医療機関を受診することが望ましいですが、難しい場合には市販薬の塗り薬の使用を開始することも一定の効果があります。

ヘルペスは身体的・精神的なストレスが引き金となって起こることが知られていますので、ゆっくりと休養をとることも重要な治療です。

8. 口唇ヘルペスが治らない時の対処方法

口唇ヘルペスが1-2週間たっても治らない場合や、じゅくじゅくした皮膚がどんどん広がっていく場合などでは他の病気の可能性があります。その場合には医療機関を受診して相談してみてください。

9. 口唇ヘルペスの再発を繰り返す場合の治療方法

口唇ヘルペスの再発を短期間で繰り返す場合には予防治療を行いたくなるかもしれません。抗ヘルペスウイルス薬を継続して少量内服する再発抑制療法は、性器ヘルペスを繰り返す場合のみ行われます。つまり、口唇ヘルペスを繰り返す場合には適応になりません。

再発を繰り返す場合には、再発のきっかけになるストレスや疲れ、紫外線などを可能な範囲で避けるような生活を心がけてみてください。

10. 妊娠中の口唇ヘルペスの治療方法

妊娠中は体調の変化などで口唇ヘルペスが再発しやすくなることがあります。妊娠中に口唇ヘルペスができた場合でも、妊娠していない時と同じように治療を受けられます。薬が心配になる人が多いと思いますが、ヘルペスウイルスの薬は赤ちゃんには影響がないとされています。

口唇ヘルペスは妊娠中に起きても赤ちゃんに感染する心配はありませんが、性器ヘルペスを発症した場合には分娩時に赤ちゃんに感染する可能性があります。分娩時に赤ちゃんに感染した場合は命に関わることになるため、事前にお母さんに適切な治療が必要です。また、発症した時期によっては経膣分娩ではなく帝王切開が必要になります。性器ヘルペスかもしれないと思った際には、早めにかかりつけの産婦人科に相談してください。

参考文献
J Infect Dis. 2001 Oct 15;184(8):964-71. Epub 2001 Sep 10.JAMA. 1997 May 7;277(17):1374-9
JAMA. 1997 May 7;277(17):1374-9