にゅうがん
乳がん
乳腺に発生する悪性腫瘍。女性に多いが、男性に発症することもある
14人の医師がチェック 163回の改訂 最終更新: 2021.03.31

乳がんの緩和医療は末期だけの治療なの?

緩和(かんわ)ケアは末期がん患者さんへの治療というイメージがあるかもしれません。積極的治療から緩和ケアへ移行するという考え方よりも、現在では最初から緩和ケアを積極的治療と並行していくことが良いとされています。緩和ケアの考えかたと治療内容について説明します。

WHO(世界保健機関)は、緩和ケアを以下のように定義しています。

生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛(suffering)を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of Lifeを改善する取り組みである

つまり、患者だけでなく家族などの周囲にいる人を全人的にサポートしていくという姿勢が根本にあります。

緩和ケアは抗がん治療(手術・薬物治療・放射線治療)と同時に行うことも多いです。
下に緩和ケアの考え方の模式図を示します。

【緩和ケアと抗がん治療の関係】
緩和ケアと高がん治療について

上の図は、抗がん治療と緩和ケアの役割を示したものです。緩和ケアは、抗がん治療ができなくなってから始めるものではありません。がんと診断されたときから必要であればすぐに緩和ケアも開始します。
緩和ケアは、抗がん治療に伴う副作用への対処や不安などの精神的問題にも積極的に対応することによって、患者さんの生活の質(QOL:Quality of life)を維持・向上させるために役立ちます。

緩和ケアへの誤解

緩和ケアは、体の痛みや精神的なつらさを少しでも和らげるためのサポートを行い、それぞれの患者さんが“その人らしく”過ごせるようにしていくことを目的としています。

緩和ケアは末期がんの治療というイメージがあるかもしれませんが、がんという病気の状態や時期に関係なく、診断されたばかりの時期から療養の経過を通じていつでも受けることができます。

がんと診断されたときから身体のどこかが痛む場合は、がんの治療が始まると同時に、痛みの治療も行われるべきです。乳がんは手術後にも再発予防のために放射線治療や薬物治療を行わなければなりません。抗がん剤や放射線治療における食欲不振や吐き気などの副作用が生じることもあり、それらの苦痛に対する治療も緩和ケアの重要な役割です。

緩和ケアでは身体以外の治療もします。例えば、がんと診断されたことは程度の差はあってもショックとなり、ひどく落ち込んだり、落ち着かなかったり、不眠になったりすることもあります。このような精神的なつらさも支えるのが緩和ケアです。

「痛みが和らいで同じ体勢でも痛みが気にならなくなり、放射線治療が可能になった。」
「夜眠れるようになったら、日中に笑顔が出るようになった。」
「一日中ベッドでの生活だったが、苦痛が和らいで歩けるようになったことで、もう一度抗がん剤治療に通えるようになった。」
 
緩和ケアを行うことによって、これまで考えることもできなかった治療や療養の選択肢を増やすことができます。また、2010年の海外の文献では、治療の早期から緩和ケアを行うことによって生存期間が延びたという報告もあります。

現代の日本は、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。
がん患者さんは死に対する恐怖や自分の人生に対する問い(生きる意味を考える、なにかがいけないからがんになったのか等)、大切な家族を失うかもしれない不安などを感じます。
また、がんと診断された患者さんのご家族をはじめとする周囲の人たちも同じような気持ちを抱くことがあります。

緩和ケアは、WHOの定義にもあるように、“QOLを支えるケア”です。では、私たちの「QOL:生活の質・人生の質」は、どんなことで決まるでしょうか?
 
・Aさんの場合

 Aさんの考え方はこうです。

 「子どもに迷惑はかけたくない (他者の負担にならないこと)」
 「母として最期までしっかりしたい (役割を果たせること)」
 「身の回りの整理をしておきたい (残された時間を知り、準備すること)」

上の3つを特に大切に考えていますので、これらを尊重することでAさんのQOLを保つことや向上させることができると考えられます。

・Bさんの場合

一方、Bさんの考え方はどうでしょうか。

 「痛いのは絶対に嫌だ (苦痛がないこと)」
 「自分の建てた家でずっと過ごしたい (望んだ場所で過ごすこと)」
 「若者に子ども扱いされるなんて屈辱だ(自尊心を保つこと)」

上の3つをとても大切にしています。つまり、BさんのQOLを保つことや向上させることはAさんの場合とは意味が違うことがわかります。
このように、望ましい生き方をしてQOLを保つ方法は人それぞれで異なります。QOLは、多様で主観的な概念です。

【日本人にとって望ましいQOL】

日本人にとって望ましいQOL 

この調査は、対象者が将来がんになったときを想像して「大切にしたいこと」を答えたものです。実際にがんになった場合には違うことを思うかもしれません。また、これは実際にがんになったときに「大切にしたいこと」を達成できているかどうかを調べたものではありません。そのためがんになってから感じることを正しく反映しているかは不明です。またこれらに関するケアが十分に行われているのかどうかはわからないのが現状です。しかし、この視点に沿った緩和ケアを行えば、患者のQOLが上昇する可能性は高いと考えられます。

QOLを考えるときは全人的な苦痛を和らげることを本筋として考え、以下の4つの視点で検討します。

  1. 身体面:痛み、その他の身体症状、日常生活動作の支障・・・
  2. 精神面:不安、いらだち、孤独感、恐れ、うつ状態、怒り・・・
  3. 社会面:経済的な問題、仕事上の問題、家庭内の問題、人間関係、遺産相続・・・
  4. 人生観の面:人生の意味への問い、価値体系の変化、苦しみの意味、罪の意識、死への恐怖、神の存在への追及、死生観に対する悩み・・・

これらをバランス良く考えながら全人的な苦痛をとるようにします。

【全人的苦痛=トータルペインの図】

トータルペインの図 

1人の人間として苦痛を抱えている患者さんを理解しようとする場合、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、人生観における苦痛という4側面からその苦痛を考えることができます。これらの苦痛は、相互に影響し合っており、全人的苦痛(トータルペイン)として患者の苦痛を捉え、緩和していく必要があると考えられています。

緩和ケアを受けるときや受けている間に乳がんの状況が悪化してきたときには、今のままで良いのか不安になることも多いです。ここでは緩和ケアを受けるときの考え方について解説します。

■考えたくないときは別に考えなくても良い
緩和ケアは無理に行う治療ではありません。まだ状況を受けいれられていないときは、あれこれ考えることはできません。考えられないときには無理に考える必要はありません。
落ち着いてきて考える気力が湧いてきたら、緩和ケアをどうやって利用したいかを考えてみればいいでしょう。

■一人で考えない
一人で何もかもを抱え込まずに、周囲の医療スタッフやご家族に相談することも大切です。人に相談することで気持ちも落ち着き、思いつきもしなかった答えが出てくるかもしれません。

■治療を受けることが納得できるように
納得できていない治療を受けることほど苦痛なものはありません。
本人の納得が最も大切です。考えてみたけれど緩和ケアを受けないとする決断も、一つの道として尊重されます。

がん患者の生活状況は非常に多様です。入院生活がベースになっている人もいれば、自宅で療養生活をしながら必要に応じて入院治療を受ける人もいます。
ここでは自宅生活をする人がどういったふうにすることが良いのか考えてみます。自宅でできる簡単な工夫で、気分がやわらいだりすっきりしたりすることがあります。

以下は無理のない範囲でできる、簡単なセルフケアの例です。

  • 音楽を聴く、テレビを観る、おしゃべりする、家事をする、趣味を楽しむ、ペットを飼う、植物を育てるなど、自分が好きな気晴らしをする
  • 散歩する、軽い体操をする、ヨガをするなど、無理ない範囲での軽い運動
  • 自分にとって快適な環境や寝具(ベッド、ふとん、まくらなど)で眠る
  • カイロ、電気毛布、湯たんぽ、温めたタオルなどを使って、だるさや不快感のあるところを温めてみる
  • 笑ったりぼーっとしたりして気分転換し、ストレスを発散する

何をすると気持ちが楽になるかは人それぞれ変わってくるのですが、自分のやりたいことをやることがよいと思います。

 家族や友人は患者さんにとって大切な「応援団」です。とくに精神面では、家族や友人が大きな力になります。
一方で、家族や親しい友人ががんになったとき、どう接したらいいかわからなくて悩む人もいます。
 

患者さんを支えたい気持ちはあっても、気持ちの不安定な患者さんをどう支えたら良いかわからない人も多いと思います。乳がん患者と多く接している医師や看護師でもわからない場面もあるので、それは当然のことだと思います。苦しい状況に立たされたときに人間の気持ちがどう動くのかは人それぞれで異なるからです。
それでも最善の状況を目指すべきです。患者さんと接する方法について解説します。

■患者さんの思いを知る
がん患者さんの多くは、「私という人間が変わったわけではないのだから、病気になる前と変わらず普通に接してほしい」と思っています。本当は普通に接してもらいたい思いが急に受けたストレスによってかき消されて一見そうでないように見えることも多いです。患者さん本人がどうして欲しいと思っているのか、その人の思いを知ることを優先してください。
 

■何でも話せる人がいると、患者さんの心は軽くなる
ちょっとしたことであっても、話を聞いてくれる人が一人でもいると患者さんの気持ちは軽くなります。患者さんにとって気兼ねなく話せる相手の存在はとても大切ですので、思いに耳を傾けましょう。
 

■言葉で伝えなくてもいい
患者さんの中には、相手が家族であっても、面と向かって話をするのが得意ではない人、口下手な人もいます。そんなときは、無理にコミュニケーションを取ろうとせず、見守ることに徹することも大切です。「私はあなたのことを大事に思っています」という思いの伝え方は、言葉だけではありません。
 

■支え方は人それぞれ
家族であれ友人であれ、患者さんに手をさしのべる方法や支え方は人それぞれです。話を聞く、体をさする、体を洗う、テレビを一緒に見る、読みたい本を探す、食事まわりの世話をするといったことを通じて、家族や友人それぞれが「得意分野」で患者さんを支えることが「緩和ケア」の根底にあるものです。
 

■支える側も無理をしない
周囲の人が張り切って支えていると、「自分が病気になってしまって、家族に迷惑をかけている」「こんなにお金がかかってしまって」と申し訳ない気持ちになり、それがかえってストレスになる人もいます。心の重荷は分け合うことが大切です。

■自宅療養がよいとは限らない
自宅療養が患者さんにも家族にも負担になってしまうことがあります。病院で療養に集中することが患者さんに必要な場合もあります。そのため、生活の状況と本人の意志を踏まえて、主治医や看護師やソーシャルワーカーと相談してみてください。

■患者さんの考えを尊重する
良かれと思って行うことが患者さんを困惑させて、療養に悪影響を及ぼすことがあります。毎日の療養の中で患者さんが自分で考えて選んだことを優先してあげることが、緩和ケアで最も大切な要素です。

これらはすべてが正解というわけではありません。しかしながら、当てはまることも多いので、もし患者との関係がうまくいかなかったり、停滞した雰囲気を打開できないような場合は参考にしてください。 

かつての日本では、がんの告知は患者本人よりも先に家族のみに行われるのが主流でしたが、現在では本人に伝えるべきと考えられています。病名や病状を知らされた患者さんは、ショックを受けるかもしれません。しかし、人間には「受け入れる力」があります。最近の調査でも、がん患者さんのほとんどが「自分のがんを知ってよかった」と回答しています。

■隠してもいいことはない
病名を伏せていても、患者さんの体調の変化を隠すことはできません。少しずつ「何か隠しているのでは?」と不安になり、患者さんはかえって孤独になってしまいます。
身近な人を信じられないことは、患者さんにとって大きなストレスとなります。また、病気を隠すことは家族にとっても大きな精神的負担となり、患者さんをしっかりと支えられなくなることがあります。

■告知に不安があれば、専門家に相談する
「とても気弱な人だから、がんの告知を受け止められるでしょうか…」と悩む家族もおられます。心配のある方は、がん患者さんの精神状態をよく知る専門家に相談してみてください。

■がん患者同士の「つながり」、患者会や患者サロンを活用
現代社会においては、情報が大量に溢れています。その中から本当に役立つ情報を集めることは大変です。
がん治療に関する専門的な情報は、主治医をはじめとする医療の専門家の意見を聞くことが重要です。しかし、療養生活についての情報まで得ることは難しいため、患者さん同士のネットワークを利用し、他のがん患者さんと交流することで、実感に基づく情報を得られることがあります。

■患者会や患者サロンの特徴
本人や家族同士ががんという病気にかかった実感を共有できます。自分と似た年齢や症状の人がいると、抱えていた悩みを分かち合うことができます。「自分だけじゃないんだ」と思えることは大きな精神的支えとなります。
また、療養の参考になる体験談を聞けたり、男性や女性ならではの悩みについても相談できます。自分のがんに特有の痛みや症状について、実体験に基づいた情報を集めることができます。
さらに、生活上のアイディアや情報を交換できることもあり(カツラ、リラックス法、食事の工夫など)、同じ病気をもつ人が集まっていることで、遠慮なく話ができる機会となります。
家族にとっても有力な情報を得ることができたりと有益な場所となることがあり、家族が患者さん本人には聞きづらい情報も集めることができます

■患者会や患者サロンはどうやって見つけたらよいか?
患者会の多くは患者同士の意見や情報交換の場ですが、なかには特定の治療やサプリメントの宣伝を目的としたものもあります。インターネットなどで患者さん自身が探す場合には注意が必要です。この患者会で大丈夫かなと思ったら、医療機関の相談窓口に問い合わせてみるのも助けになります。

現代社会では、インターネット上にも多くの医療情報が存在します。しかし、その多くが推測や憶測を超えないレベルの内容です。中には正しい情報もありますが、十分な情報量がまとまっているサイトは少ないです。また、商業目的のものも多く、うっかり変なサイトを信じてしまうと、間違った知識が身についたりお金を無駄に費やすことになってしまいます。
インターネットの情報を仕入れる時には以下のことで工夫をしてみるとよいかもしれません。

  • サイトを主治医に見せてみる
  • サイトの評価をネットで見てみる

サイトにある適当な情報を鵜呑みにして損をするのは患者さんです。サイトの情報主は、どんなにあなたが損を被っても補償はしてくれません。インターネット上の情報を利用するのは非常に便利で、有効な場合もありますが、不確かな情報を見分けながら情報を選択していく必要があります。

患者さんは葛藤を抱えていますが、その家族や周囲の人にも複雑な思いが襲ってきます。

もはや抗がん治療の効果が見られなくなったときには、本人の失望や不安の感情は誰もが感じるものです。医療スタッフやご家族は「大丈夫」「心配いらない」など安易に励まさず、その気持ちを受け止めて声をかけることが大切です。具体的には、いつもの自然な会話から始めることでお互いのいつもの自然な関係が思い出されるかもしれません。

  • 考えられる選択肢の利益・不利益を明らかにして、セカンドオピニオンなど「納得して決めた」と思えることを目標にする
  • 患者さん本人の価値観や生き様を大事にする
  • 説明が足りないために誤解してしまう場合や、漠然とした不安に対する反応として、病気を理解していないかのような反応(否認)が生じる場合には、無理に「納得をしよう(させよう)」とする必要はない

必ずしも効果があるとは限りませんが、参考にしてみてください。

周りの人は、患者さん本人が余命について心配していることに対して理解するよう努め、声をかけることが大切です。
患者さんが余命について質問したとき、余命そのものを知りたいわけではないこともあります。まず、余命に関する質問をした理由を探って、それぞれの具体的なことに対応することも必要です。
余命の長さそのものに関心がある場合、患者本人はどれくらいと予期しているのか、どの程度正確に知りたいのかを伝える(尋ねる)ことも必要です。はっきりした見込みを知りたいとしている場合でも、余命はある程度幅をもった期間で提示されることが多く、正確な予測は難しいものであることは知っておきたいです。

緩和ケアは以前は死の近い人が受ける治療と思われていました。今でもまだそういった考えが一部に残っています。しかし、少しずつその本質が理解されつつあります。
よくある誤解について説明します。

緩和ケア=ターミナルケア(終末期医療)と思いこんでいる人がいます。現在では、治療の初期から痛みやつらさをやわらげるために治療の早期から緩和ケアが導入されています。痛みやつらさをとることは、抗がん治療をうまくサポートでき、その治療効果も上がると考えられています。

「麻薬」という言葉に犯罪的なイメージがあるせいか、オピオイド(医療用麻薬)は怖いものだと思いこんでいる人がいます。決してそんなことはありません。医療で使う麻薬は、犯罪で使われるものとはまったく別のものです。医療用麻薬は国の管理下で作られた医療目的の薬です。利用する場合も、専門の医師が適量をコントロールします。専門の医師が管理して痛みの治療に使っている限り、効かなくなったり意識がなくなることもありません。安心して使ってください。

このような根拠のない主張をしている民間療法や代替療法があるようです。しかし、このような考え方に科学的な裏付けはまったくありません。痛みをがまんすることは、患者さんの苦しみを増すだけです。治療の助けにならないどころか、体調に悪影響を与えるばかりです。

緩和ケアの専門医師の指導があれば、体への負担を最小限にして適切に痛みを治療することができます。適量の薬を使って痛みをとることには、薬を遠ざけて痛みを我慢するよりも、はるかに大きいメリットがあります。

緩和ケアを受けるには、大きく分けて3つの方法があります。

緩和ケアチームによる緩和ケアは、入院時も通院治療時も利用できます。全国のがん診療連携拠点病院には、必ず緩和ケアチームがあります。
痛みやつらさをやわらげて治療の効果を上げ、療養生活の質(QOL)を向上させるために、療養生活の初期から緩和ケアチームをぜひ利用してください。
痛みやつらさをかかえているときは、「痛みを専門に治療する医師はいますか?」「緩和ケアを受けられますか?」「痛みの治療の専門の先生と一度話をしてみたいのですが」と主治医や看護師におっしゃってください。あるいは、がん相談支援センターに聞いてもよいでしょう。患者さん本人はもちろん、家族の方が問い合わせても問題ありません。

がん治療はとても複雑です。その上、それぞれの患者さんを取り巻く状況に応じて、異なる対応をしていく必要のある病気です。緩和ケアチームは、身体的な痛みや精神的な苦痛、心の悩みをやわらげるために多くの方向からサポートします。そのために、さまざまな専門家がチームを組んで手当てにあたります。
緩和ケアチームは、次のようなメンバーで構成されています(医療機関によって少しずつ異なります)。

  • 体の症状を担当する医師:痛みや体の症状を緩和する治療を担当します。
  • 理学療法士など:患者さんの自立を助け、日常生活の維持のためのアドバイスや治療の補助をします(作業療法士や言語聴覚士などがチームに参加することもあります)。
  • 心の症状を担当する医師:気分の落ち込みや心のつらさを緩和する治療を担当します。
  • 管理栄養士:食生活にかかわる問題に対応したり、食事の内容や献立、味つけの工夫などについてもアドバイスします。
  • 看護師:患者さんや家族のケア全般についてのアドバイスをします。転院や退院後の療養についても相談に乗ります。
  • 臨床心理士:心のつらさを緩和するカウンセリングを行います。家族のケアも担当することがあります。
  • 薬剤師:患者さんや家族に薬のアドバイスや指導を行います。
  • ソーシャルワーカー:療養に関わる経済的問題、利用できる制度、仕事や家族の問題、社会生活や療養先などに関してアドバイスを行います。

緩和ケア病棟(ホスピス)では、「治すこと」ではなく「癒すこと」に重点をおいたケアが行われます。苦しみや悩みを完全に解消することはできなくても、最大限やわらげてくれる場所が、緩和ケア病棟です。また、緩和ケア病棟(ホスピス)では、患者さん本人と家族のQOL(生活の質)の改善を目的として、さまざまな専門家とボランティアがチームとしてケアを提供します。

■緩和ケア病棟が提供するケア
緩和ケア病棟では、患者さんがその人らしく過ごし、生きることを支えます。そのために、医療専門家が患者さん本人や家族と協力しあい、さまざまな側面から「癒し」をつくりだしていきます。緩和ケア病棟では、次のようなケアや支援が行われます。

  • 体の痛み、心の悩みやつらさを可能なかぎり緩和するケアを提供します。
  • 趣味の活動:ボランティアなどの協力のもと、音楽を聴く、生け花、指編み、絵、折り紙など、趣味を楽しむための支援を行います。
  • イベント(お花見、七夕、クリスマスなど)により、季節を感じて過ごすことができます。
  • 食事や栄養の相談:管理栄養士のアドバイスをもとに、自分がキッチンに立って調理を行うこともできます。
  • 医師やスタッフの協力のもと、患者さんや家族がくつろいで日常的な時間を過ごすことができるデイルームがあります。また、面接時間の制限がゆるやかなので、家族や大切な人とゆっくり時間を過ごすことができます。家族が泊まるための部屋がある施設もあります。


■緩和ケア病棟およびホスピスには、いくつかの種類があります

緩和ケア病棟(ホスピス)については、相談支援センターに相談するほか、以下でも情報を手に入れることができますので参考にしてください。
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団
日本ホスピス緩和ケア協会 
 

■緩和ケア病棟を上手に利用するために

欧米では緩和ケア病棟(ホスピス)という施設がよく知られているのにくらべて、日本ではまだ認知度が低いようです。その背景には、患者さん、家族、そして医療者も、がん医療において「治すこと」に集中しがちであるため、「癒すこと」へ目を向けるのが遅くなりやすいという事情があります。
そのため、患者さんや家族が緩和ケア病棟やホスピスについて知る機会がなくて、知ったときにはベッドの空きがなくてすぐに入院できなかったり、自宅の近くの施設に入ることができなかったりすることもあります。また、患者さんの容態がかなり悪くなってしまっていると、緩和ケア病棟に入っても、思うように「人生の仕上げ」を行えないケースもあります。
患者さんが充実した療養生活を送るためにも、がん治療の初期から緩和ケア病棟(ホスピス)についての情報も集めておくことをおすすめします。

自宅や現在住んでいる場所で療養を続けながら緩和ケアを受けることもできます。
在宅ケアは、心の落ちつく環境で、自分のペースで日常生活を送ることができるという点が優れています。住み慣れた家で療養することで、心理面のみならず身体面にもよい影響が現れることがあります。
在宅ケアの利用法としては、通院治療中や治療と治療の間の療養期間に、かかりつけ医から緩和ケアを受ける、といったこともできます。手術や抗がん剤、放射線治療などの治療が一段落し、通院間隔が長くなった場合も、在宅で緩和ケアを受けるのに適した時期です。がんの治療終了後は、緩和ケアのかかりつけ医ががん治療の担当医と連絡を取りながら、患者さんが快適に自宅で療養できるように緩和ケアを担当します。
また最近では、放射線や抗がん剤を通院で行うことが多くなりました。こうした治療を受けた後に在宅ケアを利用する人も増えています。
 
■在宅ケアを利用するには?
利用できる在宅ケアの内容は、地域によって異なります。また、在宅ケアができるかどうかは病状や居住環境によっても異なります。
在宅で緩和ケアを利用する際のチェックポイントの中でも大きなものは2つあります。

  1. 患者さん本人が在宅ケアを希望しているのか?
  2. 家族も在宅ケアで支えたいと思っているのか?

この2つの条件が揃っていたら、以下のポイントを確認しましょう。
 

  • 在宅ケアができる居住環境か?
  • 患者さんを支える家族のサポート体制は整っているか?
  • 問診療が可能な医院(在宅療養支援診療所)はみつかっているか?
  • 訪問看護ステーションは決まっているか?
  • 体調が急変したときの連絡体制は整っているか?
  • 必要時の入院先は、治療を受けた病院か、緩和ケア病棟か、あるいはそれ以外にするのかについて検討しているか?

 
これらのポイントを踏まえて、どういった形で緩和ケアを受けるのが最も良いのか、在宅ケアを受けた方が良いのかを考えます。
また、在宅ケアを受けたくてもどうやって受けたらよいのかが分からない人もいると思います。

■在宅ケアの相談窓口は?
在宅ケアを利用したいと思ったら、相談支援センターや地域連携室、地域包括支援センターなどに相談してみてください。在宅ケアスタッフの派遣を要請する拠点センターの紹介を受けてください。
 

■在宅ケアの利用は色々な方法ががある
在宅ケアと入院による緩和ケアは、患者さんや家族の状況にあわせて切り替えることができます。また、在宅ケアは独り住まいの人でも利用できます。担当してくれる医師や訪問看護チームとよく話し合い、最適な体制をとりましょう。

■費用について
一部に保険が使えないサービスもあり、追加の費用負担が発生することがあります。必要なサービスは患者さんによって異なります。ソーシャルワーカーやケアマネジャーに相談しましょう。

■家族の方へのメッセージ
在宅ケアには家族など、まわりの人の理解と協力がとても大事です。実際、家族の協力によって症状や日常生活が改善する人もいます。病院では受け身になりがちですが、自宅で過ごすことにより自主的に治療に取り組めることもあります。
また、自宅にいることが精神的なケアにつながることもあります。見慣れているものに囲まれてリラックスすることは、患者さんの体調にもよい影響を与えます。家族と患者さんの双方が生活を上手にコントロールできれば、患者さんのもつ本来の力をひきだすことができます。
一方、在宅ケアを受けることで、患者さんのほうが「家族に迷惑や負担をかけているのではないか」と悩むこともあります。そうしたときには遠慮をせずに、訪問看護師などに相談してみてください。また、介護保険を使った短期入院を利用できる場合もありますので、それが一つの解決方法になるかもしれません。
自宅での対応が難しい症状が出たり入院が必要になったりした場合には、無理をしないで在宅ケアの担当医師に伝えてください。がんの療養期間中は、患者さんの病状も、家族の状況も変化していくのは当然のことです。大切なのは在宅であれ入院であれ、療養の内容を充実させて自分らしく過ごす時間を確保することです。 

がんと診断された場合には、患者やその家族に大きなストレスがかかります。そのため、冷静でいられないことがほとんどです。ここでは、そういった場面をどういった気持ちで臨むべきかについて説明していきます。

がんと診断された時、こんな気持ちになりませんでしたか?
「頭が真っ白」
「何も考えられない」
「本当にがんなの?」
「どうしたらいいの?」
「どんな治療があるの?」
「……」
 
病気の診断や治療の選択のときに主治医と話し合える関係が一番ですが、 初対面のときにはしっかりと話し合うことは難しいと思います。
治療を評価するためのCT検査の後など大事な面談は、家族など安心できる人と一緒に聞くことをお勧めします。 家族と後で振り返ることで気持ちを整理できたり上手く立ち向かえるようになることがあります。

医師もできれば“治る”“良くなる”と言いたいし、“治してあげたい”、“自分の持てる技術を駆使して治療できないか”といろいろ考えています。
しかし、がん治療にはいろいろなつらさが付きまとうため、医師も悪いニュースを伝えることに身構えているのです。
一方で、職業人として、「正確に伝えなくては」という気持ちが強く出てしまい、お互いに緊張して上手く伝わらなくなることもあります。
それを上手に行うために、医師もコミュニケーションを取ろうと努めています。

コミュニケーションとは、一方通行では成立はしません。
円滑なコミュニケーションを図るには、お互いに思いを伝え合うことや信頼し合えることが大切です。

乳がんの「痛い」「苦しい」「吐き気が辛い」…人によってつらい症状は千差万別です。また、病気や治療や耐える力も様々です。体がつらいと治療を続ける気力も奪れてしまいますので、主治医に、「つらい」ことを伝えてください。
どこがどのくらいつらいのかを一番分かっているのは自分自身です。つらさにあった対処を行ってもらうためにも、できるだけ具体的に「伝える」ことが重要です。

言葉使いや態度や表情によって、同じことを言っても伝わりやすさが変わります。日頃からコミュニケーションをとっていて自分の特徴を知っている人には言わんすることは伝わりやすいです。
日ごろからちょっとしたことでも主治医とよく話したり、友好的な言葉遣いや態度を見せるようにするが大事です。

お互いに同じように分かる言葉で表現することで伝わりやすくなります。例えば、「いつもの痛みを10としたら今日は7くらいです。」のように数字で言うと伝わりやすいと思います。
症状を明確に表現することも大事です。例えば、「いつ、どこで、どこが、どんなふうに」や「痛い、苦しい、むかむかする」といった表現の仕方です。
困っているときは、自分の思っていることやお願いしたいことを遠慮せず伝えたほうが良いです。どこか遠慮して直球で伝えにくい気持ちもわかりますが、「痛みをとりたい。」や「吐き気をとりたい。」といったように希望を端的に伝えると分かってもらいやすいです。また、受診する前にメモに書いておくと忘れにくく頭の中の整理もできます。
 

乳がんの治療は長くしんどいものです。日頃から味方を作ることが大切です。味方はあなたのことを見ていますので、困ったときには助けてくれますし、いつもと違うことにもすぐに気づいてくれます。味方になってくれる人は、家族以外にも実はいろいろなところにいます。

  • 病院での味方
    • 主治医、病棟や化学療法室の看護師・薬剤師、がん相談支援センター、MSW(メディカルソーシャルワーカー) 、医療相談室
  • 職場での味方
    • 同僚、上司、産業医、産業保健師、社会労務士
  • 地域の味方
    • 地域包括支援センター、区役所(地域によっては、保健所などに相談窓口がある場合があります)

 
味方をうまく見つけることで、生活がしやすくなったり、精神的にも楽な気持ちになることができます。

薬による疼痛緩和において特に重要な役割を果たしているのがオピオイドという薬です。ここではオピオイドを中心に、がん疼痛緩和に関わる薬をみていきます。

「オピオイド」とは、中枢神経(脳や脊髄)や末梢神経に存在し、痛みに深く関わるオピオイド受容体に作用する物質の総称です。オピオイド=麻薬というイメージもありますが、麻薬ではないオピオイドもあります。何より「オピオイド」という言葉が分子生物学的用語であるのに対し「麻薬」は社会的用語であるという違いがあります。

疼痛が比較的軽度である場合、NSAIDsやアセトアミノフェンといったオピオイドではない鎮痛薬が検討されることもありますが、これらの薬はその鎮痛効果に限界があります。中等度以上の強さの疼痛にはオピオイドの使用が推奨されています。
緩和ケアでは、一般的に軽度から中等度まではNSAIDsやアセトアミノフェン、重度な場合や痛みが増悪する場合にオピオイドの開始が推奨されています。
現在、がん疼痛の緩和ケアで使われている主なオピオイドはモルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォンなどです。これらのオピオイドには一般的に有効限界がないと考えられています。つまり耐性が生じた場合などを除けば増量することによりその効果が高まる傾向にあります。

オピオイドによる疼痛緩和では、毎日決まった時間に使う薬と突発的な痛みのときに使う薬があります。
毎日決まった時間に使う薬の多くは痛みを長く抑えるように鎮痛効果が比較的持続するように造られている薬(徐放性製剤)です。
痛みを波で表現するとしたら、多くの痛みはこの徐放性製剤のオピオイドが防波堤の役目を果たし痛みをブロックしてくれます。しかし時としてこの防波堤を越えるような強い痛みがあらわれる場合があります。この突発的な強い痛み(突出痛)に対して防波堤を一時的に高くするために使われるのが、速放性のオピオイド製剤(オプソ®内服液、オキノーム®散、アブストラル®舌下錠、イーフェン®バッカル錠、ナルラピド®錠など)です。この突発的な強い痛みに対して薬を使うことをレスキュー・ドーズ(以下、レスキュー)といいます。
患者によっては痛みを我慢することに慣れてしまっている場合もありますが、レスキューへの理解を深め、適切に使用することで日常生活の質の維持などが期待できます。
レスキューを使う回数が多くなるようなら、定期的に使っている徐放性製剤の増量を検討します。つまり普段の防波堤の高さを引き上げるイメージです。オピオイドの使用中は痛みの有無や痛みの程度などのほかにレスキューをどのくらい使ったのかを医師や薬剤師とこまめに話すことも非常に大切です。
レスキューは突発的な痛みに使うほか、タイトレーションといって低用量から開始したオピオイドを鎮痛効果や副作用などを観察しつつ、痛みをとるために必要な量まで増量(副作用の度合いによっては減量)していくときに重要な役割を果たしています。

がん疼痛緩和ケアにおけるオピオイドで中心となっているのは、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォンです。

◎モルヒネ
モルヒネはケシを原料とするアヘンの主成分として初めて単離されたアルカロイド(アミノ酸や核酸など別のカテゴリーに入る生体分子を除く、窒素を含む有機化合物)です。
緩和ケアにおいては、オキシコドンやフェンタニルが登場し主流となっていますが、モルヒネは内服薬(錠剤、散剤、液剤など)、坐剤、注射剤といった剤形があり、患者の状態に合わせて種々の投与経路(経口、静脈内、直腸内、皮下、硬膜外、くも膜下腔内)によって使用できるメリットなどがあります。
またオピオイドスイッチング(オピオイドローテーション)においてモルヒネはオキシコドンやフェンタニルの効力(力価)の指標にもなっています。同じ薬剤量で比較した場合に例えば「モルヒネ内服の効果1に対してオキシコドン内服の効果1.5」などと表現されます。

モルヒネなどのオピオイドはオピオイド受容体に作用することで効果をあらわします。オピオイド受容体にはμ(ミュー)、κ(カッパ)、δ(デルタ)の3種類のタイプがあります。
痛みは主にμオピオイド受容体が関わります。モルヒネは主にμ受容体に対する作用により鎮痛効果をあらわします。
副作用は、オピオイド鎮痛薬に共通する吐き気、便秘、眠気、せん妄、幻覚、呼吸抑制、口渇、掻痒感、排尿障害のほか、肝機能障害などにも注意が必要です。中でも便秘は一般的にオキシコドンやフェンタニルと比べてモルヒネのほうがあらわれやすいとされ注意が必要です。また腎障害がある場合には活性代謝物の蓄積により眠気やミオクローヌスなどの副作用があらわれやすくなる可能性もあります。
モルヒネ製剤では内服の徐放性製剤(毎日決まった時間に使う薬)であるMSコンチン®、カディアン®、ピーガード®、パシーフ®などやレスキュー(突出痛やタイトレーション)で使うオプソ®などの製剤があります。また内服(経口)以外の投与経路として坐剤(アンペック®)や注射剤もあります。

◎オキシコドン
オキシコドンはモルヒネ製造過程で得られるテバインという物質から作られるオピオイドで、モルヒネに類似した化学構造を持っています。主にμオピオイド受容体への作用により鎮痛効果をあらわします。
オピオイドスイッチングで目安となるモルヒネとの力価比は飲み薬であれば「モルヒネ内服の効果1に対してオキシコドン内服の効果1.5」と考えられています。
オピオイド鎮痛薬に共通する吐き気、便秘、眠気、せん妄、幻覚、呼吸抑制、口渇、掻痒感、排尿障害のほか、肝機能障害やアナフィラキシーなどにも注意が必要とされています。
便秘は一般的に、モルヒネよりあらわれにくく、フェンタニルよりあらわれやすいとされています。
オキシコドン製剤では内服の徐放性製剤(通常、毎日決まった時間に使う薬)としてオキシコンチン®などがあり、レスキュー(突出痛やタイトレーション)で使うオキノーム®があります。また2012年には注射剤のオキファスト®が加わり、経口以外の投与も可能になっています。

◎フェンタニル
フェンタニルはモルヒネやオキシコドンとは大きく異なる化学構造を持つ合成オピオイドで、強力なμ受容体作動作用をあらわす薬です。
μ受容体にはμ1受容体とμ2受容体のタイプがあります。μ1受容体は脳における鎮痛、縮瞳、吐き気、尿閉、掻痒感、徐脈などに関与します。μ2受容体は脊髄における鎮痛、鎮静、身体依存、消化管運動抑制などに関与するとされています。多くのオピオイド鎮痛薬には受容体のタイプへの選択性がないとされていますが、フェンタニルはμ1受容体への選択性が高いと考えられています。
フェンタニルは鎮痛効果としてはモルヒネに類似していますが、静脈内投与した場合の鎮痛効果はモルヒネの約50倍から100倍と考えられています。
フェンタニルは皮膚からの吸収が良好で、がん疼痛の緩和ケアでよく使われているのはパッチ剤(貼付剤)になります。
オピオイドスイッチングで目安となるモルヒネとの力価比は「モルヒネ内服の効果1に対してフェンタニルパッチの効果100」とされています。実際の製剤に置き換えると、モルヒネ内服20〜30mgに対してデュロテップ®MTパッチ(3日に1枚タイプ)の2.1mg、ワンデュロ®パッチ(1日1枚タイプ)の0.84mg、フェントス®テープ(1日1枚タイプ)の1mgがほぼ同等と考えられています。

フェンタニルに関してもオピオイド共通の吐き気、便秘、眠気、せん妄、幻覚、呼吸抑制、口渇、掻痒感、排尿障害などに注意が必要です。また不整脈期外収縮、興奮、筋硬直などはフェンタニルでは特に注意が必要とされています。
便秘は一般的にモルヒネ、オキシコドンよりもあらわれにくいとされ、眠気などの行動抑制や呼吸抑制は一般的にモルヒネやオキシコドンよりおこりやすいと考えられています。臨床においてはフェンタニルは眠気などがモルヒネやオキシコドンより少なかったという報告もあります。
フェンタニルは貼付剤の登場後しばらくは注射剤を除けばレスキュー・ドーズ用の製剤がありませんでした。代わりにオキシコドン製剤のオキノーム®などが使われていましたが、今はアブストラル®舌下錠やイーフェン®バッカル錠といったレスキュー(突出痛)用の速放性製剤が加わりフェンタニルに絞った緩和ケアも実施しやすくなりました。

◎ヒドロモルフォン

ヒドロモルフォンは2017年に日本で保険適用となった半合成オピオイドです。モルヒネに似た化学構造を持っており、モルヒネやオキシコドンとほぼ同等の鎮痛効果を持つと言われています。海外では1920年代から使用されており、WHO方式がん疼痛治療法や欧州臨床腫瘍学会のガイドラインなどにも記載されています。モルヒネやオキシコドンと同じくμオピオイド受容体に作用します。

オピオイドスイッチングで目安になるモルヒネとの力価比は「モルヒネ内服の効果1に対してヒドロモルフォン内服の効果5」と言われています。

副作用はオピオイドに共通する吐き気、便秘、眠気、せん妄、幻覚、呼吸抑制、口渇、掻痒感、排尿障害などに注意が必要です。

ヒドロモルフォンには内服の徐放性製剤(毎日決まった時間に使う、効果が長く続くタイプの薬)としてナルサス®があり、レスキュー(突出痛に対して臨時で使う、早く効くタイプの薬)で使うナルラピド®があります。ナルサスは1日1回の服用で効果が持続するため、薬の内服が負担になっている場合にはナルサスに切り替えることで内服回数を減らすことができます。

オピオイドの副作用には少なからず呼吸抑制がありますが、これを逆に「がんによる息苦しさ」を緩和するために利用する場合もあります。
がんの治療中に息苦しさ(呼吸困難)があらわれることがあります。
乳がんの肺転移が大きくなったり、胸膜転移による胸水が増えたり、気道が狭くなることで呼吸困難があらわれることがあります。また、放射線治療後の放射線肺臓炎という炎症が原因となったり、体力や筋力の低下によるもの、不安などの心理・精神的なものが原因となる場合もあります。
これらが要因となって「息苦しさ」があらわれ、それを我慢していると日常生活に影響を及ぼし生活の質(QOL)を下げてしまうこともあります。酸素の不足による息苦しさであれば酸素吸入によって改善する方法などもありますが、がんの息苦しさには酸素が増えるだけではよくならないこともあります。
モルヒネやヒドロモルフォンなどのオピオイドには咳を抑える効果、呼吸回数を抑えて酸素の消費量を少なくする効果、呼吸をコントロールする感受性を鈍くして息苦しい感覚を和らげる効果が期待できます。実際に、ステロイド抗不安薬などと並びオピオイドががんによる息苦しさを改善する選択肢となっています。

オピオイドは痛みに深く関わるオピオイド受容体に作用することで高い鎮痛効果をあらわします。一方で中枢や末梢に存在するオピオイド受容体に関連する症状が副作用としてあらわれることがあります。もちろん、がん疼痛へのケアは非常に大事ですが、オピオイド使用による副作用に対するケアもとても大切です。薬の働きについて専門的に解説を加えています。

便秘
便秘に対してはセンナ(センノシド など)、酸化マグネシウム、ビサコジル、ラクツロース、ピコスルファートナトリウムなどの薬(下剤)を使います。薬によっては錠剤、散剤、水剤、坐剤などの剤形があり、嚥下状態などに合わせた薬が選択されます。薬以外には水分や食物繊維の摂取、可能であれば適度な運動などにより便秘の改善を促します。

オピオイドによる便秘の主な要因の一つに、腸管のμオピオイド受容体への作用による腸の活動低下があります。近年ではμオピオイド受容体へ拮抗する作用をあらわす薬の開発が進んでいます。ナルデメジンという末梢性μオピオイド受容体拮抗薬などが今後承認を受け、便秘改善の選択肢になると期待されています。

◎吐き気(悪心)
オピオイドによる吐き気(嘔気)には通常、制吐薬で対処します。プロクロルペラジン(商品名:ノバミン®)、メトクロプラミド(商品名:プリンペラン®など)といった薬が一般的に使われます。これらは神経伝達物質のドパミンに拮抗する作用する薬で抗がん剤の制吐管理としても使われることがある薬です。頓服としても使われ、吐き気に応じて使うように指示される場合もあります。継続して使っていく中で抗ドパミン作用による錐体外路症状などには注意が必要となります。

せん妄
せん妄に関してはハロペリドール(商品名:セレネース®など)などの抗精神病薬という種類の薬の使用が考慮されます。
抗精神病薬は神経伝達物質であるドパミンなどに作用することで、せん妄だけでなく幻覚、不安、焦燥などの症状を改善する効果が期待できる薬です。
ハロペリドールは抗ドパミン作用などをあらわす薬で吐き気の改善として使われることもあります。他にはオランザピン(商品名:ジプレキサ®など)、リスペリドン(商品名:リスパダール®など)などの薬の使用が考慮されます。

◎眠気や鎮静
眠気に関してはオピオイド自体の影響のほか、それまで痛みによる不眠があったような場合では疼痛緩和によってもたらされる眠気なども考えられます。通常、オピオイドを継続していく中で解消されてくることが多いとされています。それでも病態や薬剤量などによっては眠気・鎮静といった症状があらわれる場合もあり、カフェインなど覚醒作用がある薬の使用、オピオイドの減量、頻回分割投与などが検討されます。

この他、呼吸抑制の症状が強く意識障害が生じる場合に使われるナロキソンなど、オピオイドの副作用に対してはそれぞれの症状に合わせて薬の使用を含めた対処が考慮されます。

オピオイドスイッチング(オピオイドローテーション)とは、オピオイドの副作用により鎮痛効果を得るだけのオピオイドを投与できないときや、鎮痛効果が不十分なときに、投与中のオピオイドから他のオピオイドに変更することです。

あるオピオイドを使用していて耐性ができてしまい鎮痛効果が低下した場合でも、オピオイドの種類をかえることで鎮痛効果の回復が期待できると考えられます。

また、オピオイドスイッチングでは変更後のオピオイドが変更前のオピオイドとの等力価の換算量よりも少なくてすむことも良い点であると考えられます。なお等力価の換算量とは、例えば「モルヒネの内服量1に対してオキシコドンの内服量2/3」というように同等の効果が得られると考えられる量です(同じ薬剤量で比べるとオキシコドンはモルヒネの1.5倍の効果があると言われています)。

変更後のオピオイドが計算上の換算量よりも少なく抑えられる可能性もある一方で、効き過ぎてしまうことにより過量投与となったり、逆に十分な効果が得られなくなる可能性もあります。また、すでに耐性ができていったんは治まっていた眠気や吐き気などの副作用が再び出現することもあるため注意が必要です。またモルヒネからフェンタニルへの変更では腸の蠕動運動の亢進が起こることが比較的多いなど、変更するオピオイドの種類によっても注意すべきことが異なる場合もあります。

このようにオピオイドスイッチングは鎮痛効果などの多くのメリットが考えられますが、副作用の再出現などのデメリットも考えられます。オピオイドスイッチングを実施する際には患者の状態によって細心の注意を払いつつ調整が行われます。
多くの場合、緩和ケアスタッフなどの専門の医療スタッフが介入し、患者の負担をできるだけ軽減しつつ疼痛緩和が行えるような計画によって実施されています。
現在のオピオイドの投与量が比較的大量となっている場合は、一度に変更せずに数回にわけてオピオイドスイッチングを行ったり、比較的重い状態や高齢である患者には計算上の換算量よりも少量からの変更が考慮されるなど、それぞれの状態に合わせた配慮がされています。またオピオイド変更後に痛みが増強する可能性を考慮してレスキュー・ドーズの使い方への説明なども行われます。

がんによる痛みの多くは痛いと感じる部分に原因がある侵害受容性疼痛です。体性痛(皮膚、骨、筋肉などに由来する痛み)と内臓痛に分かれます。
ほかにも、痛いと感じる部分ではなく神経の損傷や障害によって別の場所が痛む神経障害性疼痛というものがあります。神経障害性疼痛にはオピオイドが効きにくいとされています。
神経障害性疼痛に対しては抗うつ薬や抗けいれん薬などの鎮痛補助薬と呼ばれる薬が有効とされます。特にモルヒネなどオピオイドの効果が不十分な場合には鎮痛補助薬を併用することは有効であるとされています。
ただし、鎮痛補助薬は個人による効果の差が大きいという注意点があります。薬による副作用や患者の体質・病態・全身状態などを考慮して薬が選択されます。

三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン、アミトリプチリンなど)などの抗うつ薬は神経障害性疼痛に以前から使われてきた薬です。神経障害性疼痛の改善効果が期待できます。タキサン系薬剤やプラチナ製剤などのがん化学療法後にみられることがある神経障害性疼痛に対しても、デュロキセチン(商品名:サインバルタ®)などの抗うつ薬によって改善効果があるとされています。
抗うつ薬では眠気などの副作用に注意が必要です。薬によっては抗コリン作用といって神経伝達物質のアセチルコリンの働きを抑える作用があるため、口の渇き、便秘、排尿障害などの副作用があらわれる場合もあり注意が必要となります。


抗けいれん薬に分類される薬も神経障害性疼痛に効果が期待できるとされています。ガバペンチン(商品名:ガバペン®)などがオピオイドと併用されることがあります。またガバペンチンに類似した作用をあらわすプレガバリン(商品名:リリカ®)は神経障害性疼痛の治療薬として承認を受けた薬です。プレガバリンはがん疼痛以外にも様々な神経の痛みに対する治療薬として使われています。抗けいれん薬では眠気やふらつきなどに注意が必要です。

この他、緊急性の高い激しい痛みや、骨や神経叢(しんけいそう)が障害されたことによる激しい痛みに対してコルチコステロイド(副腎皮質ホルモン)が有用と考えられています。
鎮痛補助薬としては異常感覚や間欠的な突出痛に有効とされる抗不整脈薬(メキシレチン、リドカインなど)、安静時の痛みや動作時痛に対して有効とされるケタミン(ケタラール水内服)なども選択肢となっています。

ここで挙げた薬以外にもそれぞれの痛みに合わせた薬剤選択が考慮されています。
炎症を伴う痛みにはNSAIDsやコルチコステロイド、骨転移による痛みにはNSAIDs、放射線治療、神経ブロック、ビスホスホネート製剤などが選択肢とされます。特に乳がんの骨転移に対する緩和ケアでは放射線治療とビスホスホネート製剤の併用が推奨されています。鎮痛困難な場合には骨転移疼痛緩和剤のストロンチウム-89(商品名:メタストロン®)を用いた治療も考慮されます。
この他、神経圧迫に対するコルチコステロイドなどといったように病態に合わせた薬の選択が考慮されます。
薬による治療以外にも、理学療法、日常生活動作に対するサポート、マッサージ、皮膚刺激(温寒刺激)、鍼灸などの理学療法的サポートや、イメージ療法、リラクセーション、認知行動療法などの精神的サポートなどが行われています。

乳がんが進行すると症状が強く出るようになります。痛みなどが強くなると精神的に不安になって、パニックを起こしてしまうこともあります。パニックになるとさらに症状がつらくなるといった悪循環に陥ってしまうことも多いため、その対処法に関して知っておくと有利です。

Q1:痛みが出てきたら、どうしたらいいのでしょうか…

A:がんの痛みは、がんそのものによる痛みや治療に伴う痛みなど多くの種類があります。
過去のがん治療においては、“患者さんは痛みを我慢するのが当然”という考えがあり、患者も「命が助かるためには、痛みは我慢するべき」、「痛みに耐えられないのは忍耐力がないからだ」と思っている人が多くいました。
痛みの治療が進んだ現代のがん治療においては、身体に感じる様々な苦痛を我慢する必要はなく、積極的に痛みの治療を行いながらがん治療を進めていくことが推奨されています。

Q2:痛みの治療はどのように行うのですか??
A:痛みの程度や性質は人によりさまざまです。様々な痛みに対する治療は、薬や手術、放射線治療などから適したものが選ばれます。
痛みを医療スタッフに伝えるときは、以下のポイントを参考にしてみてください。

(1) 日常生活への影響
 「痛くて眠れない」
 「痛くて座っていられない」
 「仕事に行けないほど痛む」
 
(2) 痛みのパターン
 「普段ほとんど痛みはないが、一日に何回か強い痛みがある」
 「普段から強い痛みがあり、一日の中で波がある」
 「強い痛みが一日中続く」
 
(3) 痛みの強さ
 痛みの強さは、10段階で問われることがあります。

痛みの強さ

 「ぜんぜん痛くないときを0点、もうこれ以上考えられないくらいすごく痛いときを10点とすると、普段最も弱いときの痛みは何点くらいになりますか?」
 「では、痛みが最も強くなったときは何点くらいになりますか?」          
 「その強い痛みがくるのは何回ですか?」  

(4) 痛みの部位
実際に痛い部位を手で示したり、どのくらいの範囲かを伝えてみましょう。

(5) 痛みの経過
 「いつから痛みを感じるようになったか」
※突然生じた痛みは緊急に対応する必要がある場合(骨折、消化管穿孔感染症、出血の可能性など)があります。医師は「いつから」と聞くことで危険信号を探知しています。

(6) 痛みの性質
痛みには、その性質によって、おおよそ以下の3種類に分類されます。
どのように痛むかを、できるだけ具体的に表現することが大切です。

  • 「うずくような」痛み⇒体性痛
  • 「押されるような」痛み⇒内臓痛
  • 「灼けるような」痛み、「ビーンと走るような」痛み⇒神経障害性疼痛

(7) 痛みを強くする要素と緩和する要素
痛みを強くする、あるいは緩和するものがあるかどうかを考えてみてください。
 ◎痛みを強くする要素の例
 夜間、体動、食事、排泄、不安、抑うつ など
 ◎痛みを緩和する要素の例
 安静、保温、冷却、マッサージ など

(8) 現在行っている治療
 定期的に服用している鎮痛薬があるかどうか、そしてその効果はどうかを伝えてください。

(9) 痛み以外の症状があるかどうか、その程度はどうか
 嘔気・嘔吐、便秘、眠気、心窩部不快感、 食欲低下などがあれば伝えてください。

痛みの治療は、その痛みの程度や性質に応じて以下のような目標を定めて行われます。

◎第1段階
「痛くて眠れない」「夜中に痛みで目が覚めてしまう」とき
目標:まずはぐっすり眠れるように、薬を飲んだりすることで痛みを和らげること

◎第2段階
「眠っているときは痛くないが、起きているときは、安静にしていても痛い」とき
目標:安静にしていれば痛みがないようにすること

◎第3段階
「安静にしていれば痛くはないが、歩いたり体を動かすと痛い」とき
目標:家事や炊事をしたり散歩したりしても痛くないようにすること

Q3:痛み止めの種類にはどんなものがありますか?

A:炎症がある痛みには、NSAIDs(エヌセイズ)を使います。市販薬にもよく使われている痛み止め成分と同じ種類の薬です。商品名にロキソニン、ボルタレンなどがあります。
NSAIDsの副作用として腎臓の機能を悪化させたりや粘膜の潰瘍に注意が必要です。また、使える量には上限があります。上限を超えて使うと、痛みを止める効果はそのままで、副作用ばかりが強くなってしまうためです。痛みが強いときは、オピオイド鎮痛薬などほかの薬と一緒に使って痛みを取ることが有効です。
オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォンなど)はがんの痛みの緩和にとても重要な薬です。痛みの程度に応じて、その人に合った量が処方されます。量に制限はありません。

Q1:最近は、なんだか気分が落ち込んでしまい、日課にしていた読書もしたくありません…。うつ病でしょうか?

A:がんは身体の病気であると同時に、心理面にも大きなストレスを与えます。治療も身体への負担が大きいものが多く心身両面へのつらさが重なり、心のバランスが乱れてしまうこともあります。
気分が落ち込み、前向きな気持ちが持てなくなることがあります。また仕事や趣味に対する意欲、興味が失われ、何もやる気が起きなくなってしまいます。
また、そうした心の症状に伴い、「眠れない」「だるい」「食欲がない」などの身体的な症状が現れることは珍しくはありません。
うつ病ほどではないけれど日常生活に支障をきたしている場合、「適応障害」と診断を受ける場合があります。
一度、臨床心理士や精神科医師の診察を受けてもいいでしょう。どこに行けばいいかわからないときは、緩和ケアチームのメンバーに相談すれば教えてくれます。

Q2:がんのことを考えると、眠れません。

A:がんと診断を受けた患者さんは、大きな心理的ストレスを抱えながらも、不安を誰かに話すわけでもなく、「大丈夫」と自分に言い聞かせながらどうにかやり過ごしていることがあります。このような場合、患者さん自身も気づかないうちに心の負担が大きくなり、知らず知らずのうちに心の状態が不安定になっている可能性があります。
がんの告知など大きなストレスを受けたあと、数週間経ってもまだ仕事や家事に向かう気力が持てない場合や、だるさや不眠などの身体症状が続くことがあります。このような状態は専門家へ相談する必要があり、専門家の協力を得て、しっかりと休息をとり生活のバランスを取り戻すことが大切です。時には、一時的に薬物治療(抗不安薬、睡眠導入薬など)を受けることもあります。
また、家族や信頼のできる友人、医療スタッフに、気持ちを聴いてもらうことが効果的な場合があります。今後の病状進行に不安を抱いているような場合は、医療スタッフから予想される経過や苦痛症状が緩和できることなどの情報や医学的知識を得ることで、将来に対する予測が立ち不安が軽くなることもあります。

Q3:このモヤモヤした状態に、どのように対処したらよいのでしょうか?

A:自分自身を支えてくれる人は誰かを考えてみてください。家族や友人など信頼してなんでも話すことができる人と一緒に話し合ってもらうことで気持ちが楽になることがあります。がんと診断されてから早いうちに患者会などに参加して同じがん患者さんの先輩がどのように心の危機を乗り越えたのかや、これからの見通しなどについて話を聞くことも効果的です。
次に、自分自身に起こった危機的状況にどのように対処して乗り切ってきたかを考えてみましょう。方法はそれぞれですが、そのときの対処方法がヒントになることがあります。
それでも心や体がつらいときには、無理にどうにかしようとして焦らず、のんびりと休養することで自然と元気が出てくることもあります。