非小細胞肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬ほか、新薬5製品 | MEDLEYニュース
2018.07.23 | ニュース

非小細胞肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬ほか、新薬5製品

添付文書に記載の臨床試験を中心に
非小細胞肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬ほか、新薬5製品 の写真

7月2日に厚生労働省が新薬10製品を承認しました。そのうち、イミフィンジ、リムパーザ、ガザイバ、レフィキシア、トレリーフの特徴などを紹介します。

イミフィンジとは?

デュルバルマブ(商品名イミフィンジ®)は、がん治療薬です。肺がんの一種に対する治療として、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果として承認されました。

デュルバルマブは、作用のしくみから、免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。肺がんに対して使われることのある免疫チェックポイント阻害薬には、ほかにニボルマブ(商品名オプジーボ®)、ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ®)、アテゾリズマブ(商品名テセントリク®)もあります。デュルバルマブはほかの免疫チェックポイント阻害薬と違い、がんを取り除く手術が不能と判断されたうえで、根治を狙った化学放射線療法を行ったあとの人が使用を検討できます。

臨床試験では、化学放射線療法後にがんの進行があった人は対象から除き、デュルバルマブと偽薬を比較しました。効果の指標として生存期間を比較する計画でしたが、集計時点で死亡した人が少なかったため、解析に適したデータが得られるよう対象者の追跡が続けられています。ほかの指標として計画されていた、がんの進行がないまま生存した期間を比較したところ、デュルバルマブを使った人のうち半数が16.8か月以上進行なく生存していましたが、偽薬を使った人では半数が5.6か月以上進行なく生存し、デュルバルマブが勝る結果となりました

この試験でデュルバルマブを使用した人のうち67.8%に何らかの副作用が現れました。主な副作用は、発疹甲状腺機能低下症などでした。

 

リムパーザとは?

オラパリブ(商品名リムパーザ®)は、がん治療薬です。すでに卵巣がんの治療の中で使われていますが、新しく「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」の効能・効果が追加されました。

BRCA遺伝子の変異は、乳がん卵巣がんの原因となる場合があります。またHER2タンパクも乳がんの性質と関係します。これらの検査の結果などが条件に当てはまっている場合にオラパリブの使用を検討できます。

臨床試験では、オラパリブと医師が選択した抗がん剤(カペシタビン、エリブリン、ビノレルビンのいずれか)を比較したところ、医師が選択した抗がん剤を使った人の半数が4.2か月以上がんの進行なく生存しましたが、オラパリブを使った人の半数が7.0か月以上がんの進行なく生存し、オラパリブが勝る結果となりました

この臨床試験でオラパリブを使用した人の86.3%に何らかの副作用が現れました。主な副作用は、吐き気、貧血、疲労などでした。

 

ガザイバとは?

オビヌツズマブ(商品名ガザイバ®)は、がん治療薬です。「CD20陽性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果として承認されました。濾胞性(ろほうせい)リンパ腫は、血液の細胞に由来する悪性リンパ腫の一種です。濾胞性リンパ腫のうち、がん細胞が表面にCD20抗原という物質を持っている場合にオビヌツズマブの使用を検討できます。同様にCD20抗原に関する作用を持つ治療薬として、リツキシマブ(商品名リツキサン®など)などが以前から使用可能となっています。

オビヌツズマブの臨床試験のひとつは、対象者の条件をより広い範囲(CD20陽性の低悪性度非ホジキンリンパ腫)とし、未治療の人に対して行われました。この試験では、オビヌツズマブとリツキシマブを比較して、化学療法との併用による効果と安全性を試したところ、対象者のうち濾胞性リンパ腫の患者では、オビヌツズマブを使ったほうが、がんの進行がないまま生存した期間が長くなりました

この試験で、オビヌツズマブを使用した濾胞性リンパ腫の患者のうち95.0%に何らかの副作用が現れました。主な副作用は、インフュージョンリアクション、好中球減少、吐き気、感染症、疲労、発熱などでした。

インフュージョンリアクションとは、薬剤投与による免疫反応などにより薬剤の投与中及び投与後24時間以内に現れる、発熱、悪寒、呼吸困難などの症状の総称です。

 

レフィキシアとは?

ノナコグベータペゴル(商品名レフィキシア®)は、血友病Bの治療薬です。血友病Bは、血液を固まらせるために必要な第IX因子という物質が欠乏していることにより、出血しやすくなる病気です。第IX因子を薬として注射することが主な治療法です。第IX因子製剤は古くから使われていますが、治療効果を高め患者の負担を減らすために改良を重ねられ、いくつかの種類の製品が使用可能となっています。

ノナコグベータペゴルの臨床試験のひとつでは、定期的にノナコグベータペゴルを使用した人の半数で、年間に換算した出血回数が1.00回以下となりました。出血時の止血効果、手術の前後での止血効果についても臨床試験から有効性が確認されました。

副作用について、臨床試験でノナコグベータペゴルを使用した115人のデータを集計したところ、うち6.0%(7人)に何らかの副作用が現れていました。報告された副作用は注射部位反応、かゆみ、過敏症でした。

 

トレリーフとは?

トレリーフ®は、パーキンソン病治療薬のゾニサミドを有効成分とする製剤です。従来パーキンソン病に対して使われていますが、新しく「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム(レボドパ含有製剤を使用してもパーキンソニズムが残存する場合)」の効能・効果が追加されました。

パーキンソニズムは、パーキンソン病などで現れる特徴的な症状です。動作がゆっくりになる・筋肉がこわばる・姿勢を保ちにくくなる・手が震えるなどが代表的です。パーキンソニズムに対する一般的な治療薬としてレボドパ製剤がありますが、効果不十分などでほかの治療薬が必要になる場合も少なくありません。

レビー小体型認知症パーキンソニズムを引き起こす場合があり、それに対してレボドパ製剤を使用しても症状が続いている場合にゾニサミドの使用を検討できます。

臨床試験では、ゾニサミドと偽薬を比較して、12週間の治療後に運動症状の調査結果(UPDRSパートIII合計スコア)で効果を判定したところ、ゾニサミドを使った人のほうが治療前と比べてスコアの改善幅が大きくなりました

副作用について、臨床試験でゾニサミドを使用した435人のデータを集計したところ、うち27.6%(120人)に何らかの副作用が現れていました。主な副作用は体重減少、眠気、食欲不振などでした。

なお、ゾニサミドはてんかんの治療にも使われることがありますが、その場合は用量が違います。このため、同じゾニサミド製剤の中でも、てんかんに使われるエクセグラン®などの製品には、パーキンソン病パーキンソニズムの効能・効果が認められていません。

 

まとめ

7月2日に承認された新薬10製品のうち5製品を紹介しました。ほかの製品については別の記事で紹介しています。

関連記事:潰瘍性大腸炎の治療薬ほか、新薬5製品はどんな薬?

新しく作られた薬剤や、以前と違った用途にも使えるようになった薬剤により、治療の選択肢が広がります。臨床試験のデータを参考に、ほかの治療とメリットやデメリットを比べることで、自分に合った治療になるかどうかを考えることができます。

執筆者

MEDLEY編集部

参考文献

イミフィンジ点滴静注120mg/イミフィンジ点滴静注500mg インタビューフォーム・添付文書、リムパーザ錠100mg/リムパーザ錠150mg インタビューフォーム・添付文書、ガザイバ点滴静注1000mg インタビューフォーム・添付文書、レフィキシア静注用500/レフィキシア静注用1000/レフィキシア静注用2000 インタビューフォーム・添付文書、トレリーフ錠25mg インタビューフォーム・添付文書、トレリーフOD錠25mg/トレリーフOD錠50mg インタビューフォーム・添付文書

 

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。