けつゆうびょう
血友病
血を止めるのに必要な凝固因子と呼ばれる体内の物質が不足して、出血が止まりにくくなる病気
6人の医師がチェック 86回の改訂 最終更新: 2017.12.20

血友病の基礎知識

POINT 血友病とは

出血した際に効果的に止血できるように、血液中には多くの種類の凝固因子と呼ばれる成分が含まれています。血友病は主に母方からの遺伝によって男性に発症する病気であり、一部の凝固因子の働きが不十分、あるいは欠けているために止血に時間がかかる病気です。症状としては体の深い部分での出血が起こりやすく、関節内や筋肉内での出血が多いです。皮下出血や粘膜出血(鼻血や歯茎からの出血)は乳幼児のうちは起こりやすいですが、幼児期以降はあまり起こりません。診断は出血症状や家族歴をしっかりと確認したうえで、採血検査により行います。治療は主に不足している凝固因子を定期的に補充することにより行います。血友病が心配な方や治療したい方は小児科や血液内科を受診してください。

血友病について

  • 血を止めるのに必要な凝固因子と呼ばれる体内の物質が不足して、一度出血が起こると血が止まりにくくなる病気
  • 血友病は遺伝子が原因で生まれつき凝固因子が不足している人に起こる
    • X染色体連鎖性劣性遺伝伴性劣性遺伝)という形式で母親から男児に遺伝する
    • 約3割の血友病患者は、母親からの遺伝ではなく突然変異により発症する
    • 極めてまれに女性の患者も存在する
  • 病気は以下の2つに分けられる
    • 凝固因子の第VIII因子が不足している場合を血友病Aという
    • 凝固因子の第IX因子が不足している場合を血友病Bという
      ・血友病Aと血友病Bの間に大きな症状の違いはない
  • 血友病Aは人口1万人に対して1-2人の頻度
    • 患者はほとんどが男性である
    • 日本には血友病Aの患者が約5,000人、血友病Bの患者が約1,000人いる

血友病の症状

  • 関節や筋肉などの体の奥での出血が起こることが多い
    • 乳幼児期には皮下出血や粘膜出血(鼻血や歯茎からの出血)もしばしば見られる
    • 歩き始める1歳ごろから関節内や筋肉内に出血が起こる
    • 出血する関節は足関節が最も多く、膝関節、肘関節が続く
    • 関節内出血を繰り返すと血友病性関節症となる(関節の軟骨から骨に炎症が拡大する)
      ・関節出血の痛みや、出血への恐怖感から関節をあまり動かさないようになると、関節が固まってしまうことがある(関節拘縮
  • 新生児期には頭の血腫や、臍帯出血の原因となる
    • 軽症の場合には成人してから初めて目立った症状が出ることもある

血友病の検査・診断

  • 血液検査
    • 凝固時間が欠乏していることなどを確認する
    • 他の病気の有無を確認する

血友病の治療法

  • 不足している凝固因子を補充する凝固因子補充療法が一般的に行われる
    • 第VIII因子製剤または第IX因子製剤を補充する
    • 血友病関節症を防ぐために、常に一定以上の凝固因子活性を維持するようにする
    • 凝固因子の活性は正常の20%以上あれば日常生活を送る上では十分
      ・スポーツ時や手術を受ける時、出血時などには程度に応じてより高めの凝固因子活性を目標とする
  • まれに体内で同種抗体(インヒビター)という物質が作られ、凝固因子製剤が効きにくくなることがある
    • インヒビターの程度によって、バイパス製剤と呼ばれる製剤で治療することもある
  • 以前は平均寿命10歳未満という病気であったが、現在は適切な治療により健常人とほぼ同等の寿命が期待できる
    • 血友病関節症を起こさない患者さんも増えてきている

血友病のタグ

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