2018.04.26 | ニュース

糖尿病の薬ほか、新薬6製品はどんな薬?

添付文書・インタビューフォーム記載の臨床試験から
糖尿病の薬ほか、新薬6製品はどんな薬?の写真
(c) Clouseu - Fotolia.com

3月23日に、厚生労働省が新薬16製品を承認しました。そのうち6製品のオゼンピック、スージャヌ、シグニフォー、オルケディア、ヘムライブラ、ガラフォルドの特徴などを紹介します。

オゼンピックとは?

セマグルチド(商品名オゼンピック®)は、「2型糖尿病」を効能・効果として承認されました。作用のしくみからGLP-1受容体作動薬に分類されます。ほかのGLP-1受容体作動薬と同様、皮下注射で使います。

臨床試験のひとつは、日本人の2型糖尿病患者で、食事と運動などで治療中の人を対象にしました(関連記事:糖尿病の薬セマグルチドの副作用と効果は?日本人308人の試験)。別の治療薬であるシタグリプチンと比較して、セマグルチドのほうが副作用などによる有害事象がやや多く現れた一方、1-2か月程度の血糖値を反映するHbA1cの値はセマグルチドのほうが大きく下がりました。

ほかの臨床試験とも合わせたデータで、42.9%の人に何らかの副作用が現れました。主な副作用は吐き気、下痢、便秘、血液検査でのリパーゼ増加などでした。リパーゼは急性膵炎などがあると血液中で増加します。添付文書では「重大な副作用」として低血糖とともに急性膵炎が記載されています。

 

スージャヌとは?

スージャヌ®配合錠は、2種類の糖尿病治療薬を配合した製品です。SGLT2阻害薬のイプラグリフロジンとDPP-4阻害薬のシタグリプチンを配合しています。イプラグリフロジンは商品名スーグラ®として、シタグリプチンは商品名ジャヌビア®またはグラクティブ®として単独でも使用可能ですが、併用される場合もあります。スージャヌ®配合錠は、2型糖尿病の患者がすでにシタグリプチンとイプラグリフロジンを併用している場合や、どちらか一方を使用中だが効果不十分な場合などに使用を検討されます。

シタグリプチンとイプラグリフロジンの併用を試した臨床試験のデータで、何らかの副作用は12.7%の人に現れていました。主な副作用は頻尿、口の渇き、便秘などでした。

 

シグニフォーとは?

パシレオチド(商品名シグニフォー®)は、体内で成長ホルモン副腎皮質ホルモンの分泌を抑える薬です。従来、先端巨大症などに使われていましたが、新たに「クッシング病(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)」の効能・効果が追加され、その場合の用量に合わせた10mgと30mgの規格も追加されました。

クッシング病は、脳の下垂体にできた腫瘍により、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。副腎皮質ホルモンは生命維持のために大切な役割を持つホルモンですが、多すぎてもさまざまな問題を起こします。

臨床試験では、パシレオチドの注射を開始して7か月後に、副腎皮質ホルモンの検査値が基準値を超えなくなっていた人の割合が、目標とした15%を超え、40.8%から41.9%となりました。

副作用は93.3%の人に現れました。主な副作用は高血糖、下痢、胆石症糖尿病などでした。パシレオチドは副腎皮質ホルモンだけでなくインスリンの分泌を減らすなどの作用もあり、そのために高血糖などが現れると考えられます。

 

オルケディアとは?

エボカルセト(商品名オルケディア®)は、「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を効能・効果として承認されました。

腎不全などで透析を長期間続けると、副甲状腺ホルモンが増加することがあります(二次性副甲状腺機能亢進症)。副甲状腺ホルモンは骨からカルシウムを血液中に移動させるなどの働きがあるため、二次性副甲状腺機能亢進症は、腎不全や透析によるほかの影響とも関わり合って、骨折などのさまざまな問題を引き起こします。

エボカルセトは透析により副甲状腺ホルモンが増えすぎている状態を改善します。似た作用の飲み薬としてシナカルセトがありますが、副作用として吐き気・嘔吐、胃不快感、食欲不振、腹部膨満などの消化器症状が比較的多く、消化器症状の軽減を目的にエボカルセトが開発されました。

臨床試験では、対象者を2グループに分け、エボカルセトを飲むグループ、シナカルセトを飲むグループとして、副甲状腺ホルモンの減少量を比較しました。エボカルセトによる副甲状腺ホルモンの減少量はシナカルセトに劣らない結果となりました。

副作用については、ほかの臨床試験とも合わせたデータで、何らかの副作用は42.2%の人に現れました(シナカルセトの臨床試験では68.6%でした)。主な副作用は低カルシウム血症(16.8%)でした。

 

ヘムライブラとは?

エミシズマブ(商品名ヘムライブラ®)は、「血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果として承認されました。

血液凝固第VIII因子は、血液を固まらせ、出血を止めるために必要な物質です。生まれつき血液凝固第VIII因子がないか少ないことで出血しやすくなる病気(血友病A)があります。その治療として、血液凝固第VIII因子を人工的に補う方法がありますが、体内で「インヒビター」と呼ばれる物質ができることによって治療効果が妨げられる場合もあります。

エミシズマブは、血液凝固第VIII因子の代わりのように働きます。そのためインヒビターがある場合にも出血しやすい状態の治療に効果を現すと考えられます。

臨床試験では、エミシズマブを定期的に注射するグループと、出血時に止血療法を行うグループで比較したところ、年間出血率がエミシズマブの定期使用で2.9、出血じの止血で23.3となり、エミシズマブを定期的に使用したほうが出血することが少ないという結果でした。

ほかの臨床試験とも合わせたデータで、副作用は24.1%の人に現れ、主な副作用は注射部位反応などでした。注射部位反応とは、注射した場所の赤み、腫れ、かゆみなどの症状を指します。

 

ガラフォルドとは?

ミガーラスタット(商品名ガラフォルド®)は、「ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病」を効能・効果として承認されました。

ファブリー病は、遺伝によりαガラクトシダーゼという酵素がないか少ないことで、皮膚・心臓・腎臓などに多様な症状を現す、まれな病気です。治療法のひとつが酵素補充療法です。ミガーラスタットは、酵素補充療法とは違ったしくみで効果を現します。

臨床試験で、ミガーラスタットと酵素補充療法が比較されました。酵素補充療法で治療中の人の中から、遺伝子の状態によってミガーラスタットの効果が見込まれる人を選んだ上、34人がミガーラスタットに切り替え、18人が酵素補充療法を続けました。治療効果の指標として、腎臓・心臓・脳血管に一定基準の悪化があったか死亡した人の数を比較したところ、18か月以内にどれかに当てはまった人が酵素補充療法では44%(18人中8人)いましたが、ミガーラスタットでは29%(34人中10人)でした。

ほかの臨床試験とも合わせて、何らかの副作用が40.9%の人に現れました。主な副作用は頭痛、下痢などでした。

 

まとめ

3月23日に承認された16製品のうち6製品を紹介しました。ほかの製品も別に紹介する予定です。

新しく作られた薬剤や、以前と違った用途にも使えるようになった薬剤により、治療の選択肢が広がります。臨床試験のデータを参考に、ほかの治療とメリットやデメリットを比べることで、自分に合った治療になるかどうかを考えることができます。

執筆者

MEDLEY編集部

参考文献

オゼンピック皮下注2mg 添付文書・インタビューフォーム、スージャヌ配合錠 添付文書・インタビューフォーム、シグニフォーLAR筋注用キット10mg/シグニフォーLAR筋注用キット20mg/シグニフォーLAR筋注用キット30mg/シグニフォーLAR筋注用キット40mg/シグニフォーLAR筋注用キット60mg 添付文書・インタビューフォーム、オルケディア錠1mg/オルケディア錠2mg 添付文書・インタビューフォーム、ヘムライブラ皮下注30mg/ヘムライブラ皮下注60mg/ヘムライブラ皮下注90mg/ヘムライブラ皮下注105mg/ヘムライブラ皮下注150mg 添付文書・インタビューフォーム、ガラフォルドカプセル123mg 添付文書

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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