くっしんぐしょうこうぐん
クッシング症候群
さまざまな原因により、コルチゾールホルモン(ステロイドホルモンの一種)が過剰に作られる状態
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最終更新: 2022.07.22
クッシング症候群の基礎知識
POINT クッシング症候群とは
コルチゾールというホルモンが過剰に作られている状態のことです。コルチゾールはACTHというホルモンの指令を受けて作られます。ACTHが過剰に作られることによって起こる場合と、ACTHには関係なくコルチゾールが過剰に作られる場合の2つがあります。クッシング症候群の症状は多様で、体幹部を中心とした肥満や皮膚が薄くなる、筋肉が衰える、不眠、抑うつなどです。クッシング症候群は原因によって治療が異なります。腫瘍が原因の人では手術で取り除きますが、一方で薬でホルモンが作られるのを抑えることもあります。クッシング症候群は内分泌内科で検査や治療が行われます。
クッシング症候群について
- さまざまな原因により、コルチゾールという
ホルモン (ステロイドホルモン の一種)が異常に作られすぎている状態- 副腎の外側の部分(
副腎皮質 )では3種類のステロイドホルモンが作られているが、その中でもコルチゾールが増えている状態をクッシング症候群と呼ぶ
- 副腎の外側の部分(
- コルチゾールが大量に作られてしまう原因は大きく分けて2つ
- 副腎皮質にコルチゾールを作る命令をするホルモン(
ACTH )が大量に作られすぎる(ACTH依存性クッシング症候群と呼ばれる) - 副腎皮質そのものに異常があり、コルチゾールが大量に作られすぎる(ACTH非依存性)
- 副腎皮質にコルチゾールを作る命令をするホルモン(
- クッシング症候群を起こす病気の例
- まれに、他の病気の治療のために使用されたコルチゾールが原因でクッシング症候群が起こることがある(医原性クッシング症候群)
- この場合、コルチゾールの使用を中止すればクッシング症候群の症状は改善する
(ただし、薬の使用期間にもよるが中止により
副腎不全 をきたす可能性があるため、薬の減量・中止については医師の指示を仰ぐ必要がある)
- この場合、コルチゾールの使用を中止すればクッシング症候群の症状は改善する
(ただし、薬の使用期間にもよるが中止により
クッシング症候群の症状
- クッシング症候群は様々な症状を起こす
- 基本的にはコルチゾールの影響だが、他の
副腎皮質ホルモン (アルドステロン 、アンドロゲン )の影響もある - 外見、体型の変化
- 顔や肩、体幹を中心に脂肪がついて、コロコロとして見える体型になる(中心性肥満、満月様顔貌と呼ばれる)
- 皮膚の変化
- 皮膚が薄くなる
- 皮膚に線状の染みが残る
- 内出血しやすくなる
- 傷が治りにくくなる
- にきびができやすくなる
- 体毛が増える
- 筋肉や骨の変化
- 筋肉が衰える
- 骨がもろくなる(骨粗しょう症)
- 精神症状
- 不眠
抑うつ - 性機能の異常
- 月経異常(無月経、稀発月経)
- 不妊
- クッシング症候群にともなって起こる病気や身体への影響
尿管 結石- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
免疫 力の低下
クッシング症候群の検査・診断
- 原因となっている病気を特定するための検査
- 血液検査、尿検査:
ホルモン の量や、ナトリウム、カリウムなどの電解質 の量を調べる - ホルモン負荷試験:様々なホルモンを内服または注射して、数分後、数時間後の血中のホルモン値の変化や反応を調べる
- 血液検査、尿検査:
- 画像検査:
腫瘍 が原因と考えられる場合に行う腹部CT 、MRI 検査:腫瘍の大きさや位置を調べる頭部MRI 検査:下垂体腺腫の有無や大きさを調べるPET検査 :悪性腫瘍 が原因の場合、転移 がないかを調べる