むげっけい
無月経
妊娠や閉経といった生理的理由がなく、月経が来ないもしくは年に数回といった状態
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最終更新: 2020.07.27
無月経の基礎知識
POINT 無月経とは
18歳以上でも初潮がこない「原発性無月経」と、もともとあった月経が3か月以上こない「続発性無月経」に分類されます。原発性無月経の原因は染色体異常・卵巣機能不全・子宮や腟の異常などが挙げられ、続発性無月経の原因は卵巣機能不全やストレス、過度のダイエットなどが挙がります。併行して妊娠の可能性についても調べられます。無月経の検査は、問診や内診、超音波検査、血液検査、尿検査などが行われ、必要に応じてMRI検査も行います。無月経は原因によって治療方法は多岐にわたります。無月経の基準に当てはまる方は産婦人科を受診してください。
無月経について
- 妊娠や閉経といった生理的理由がなく、月経が来ないもしくは年に数回といった状態
- 月経は
視床下部 、下垂体 、卵巣 、子宮、腟のどこかに異常があると、正常に起こらない - 病気の分類
原発性 無月経:満18歳を迎えても初経が来ない状態続発性 無月経:初経を迎えたが、月経が3カ月以上停止している状態
- 無月経の分類
- 妊娠や授乳、閉経による無月経も続発性無月経に分類されるが、治療の対象からは外される
- 無月経が長期間つづくと、骨粗しょう症や、心臓、血管の病気のリスクが高まる
症状 は原因によって様々
無月経の検査・診断
内診 :膣があるかどうか、子宮の入り口が確認できるか調べる- 分娩歴や
内服薬 の確認 - 血液検査:
ホルモン 濃度などを調べる - 尿検査:妊娠の有無を調べる
- 画像検査:子宮や
卵巣 、副腎など全身に腫瘍 がないか調べる超音波検査 腹部CT検査 腹部MRI 検査
頭部MRI :頭に腫瘍がないかを調べる
無月経の治療法
- 原因や、妊娠希望の有無などによって治療方針は分かれる
- 過度な体重減少をともなう場合には標準体重の90%まで体重を増加させる
- 無月経の原因となる病気がわかればその治療を行う
- 無月経の原因となる飲み薬があればその中止、変更
- 月経を起こすための治療
ホルモン 療法- 女性ホルモンの
エストロゲン 製剤またはエストロゲン製剤とプロゲスチン製剤の組み合わせを使う。生理が戻ってきそうな人は戻ってくるまで補充し、元々生理の来ない人は閉経の平均年齢まで行うのが一般的である
- 女性ホルモンの
- 妊娠を希望する場合
- 排卵誘発薬
視床下部 に働くクロミフェン、卵巣 に働くFSH製剤とhMG製剤がある
- 排卵誘発薬
腫瘍 が原因となっている場合- 手術による腫瘍の切除、ホルモンの値を下げる薬の内服
無月経に関連する治療薬
卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合製剤
- 女性ホルモンを補充し卵胞の成熟を抑え排卵を抑えることで月経困難症や月経周期異常などを治療する薬
- 子宮内膜は受精が不成立なら剥がれ落ち、その際に下腹部の強い痛み、吐き気やそれに伴う抑うつなどがあらわれることがあり、これが月経困難症の症状となる
- 適正に月経が起こるには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きが必要で、これらのホルモンが脳に指令を与えることで卵胞の成熟が止まる
- 本剤は卵胞ホルモン・黄体ホルモンの混合剤で、脳にこれらを認識させることで卵胞の成熟を抑え排卵を抑える
- 薬剤によっては、骨粗しょう症や更年期障害などの治療に使われる場合もある
- 一般的に、卵胞ホルモンの含有量によって少ない順に低用量製剤、中用量製剤、高用量製剤に分けられる(一般的な低用量製剤に比べ、卵胞ホルモンの含有量がさらに少ない超低用量製剤もある)
黄体ホルモン製剤
- 黄体ホルモンを補充し、無月経、月経周期異常、月経困難症、機能性子宮出血、不妊症などを治療する薬
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)には子宮内膜を増やし受精卵が着床するように子宮内環境を整える作用がある
- 黄体ホルモンの不足やバランスの崩れにより無月経や月経周期異常がおこる
- 黄体ホルモンの不足やバランスの崩れは機能性子宮出血や不妊症なども引き起こす
無月経のタグ
無月経に関わるからだの部位

