たのうほうせいらんそうしょうこうぐん
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣内部に球状の空間(のう胞)が複数生じ、月経異常や不妊などが起こる病気
7人の医師がチェック 61回の改訂 最終更新: 2017.12.06

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の基礎知識

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について

  • 卵巣内部に球状の空間(のう胞)が複数生じ、月経異常や不妊などが起こる病気
    • 本来であれば、卵胞が発育し、卵胞が割けて開くことで排卵が起きる
    • 多嚢胞性卵巣症候群では、形の大きい発育途上の卵胞が卵巣の中に同時にたくさんできてしまう
      ・形の大きな卵胞が邪魔で正常な排卵ができなくなる
  • 詳細な原因は未だ不明である
    • 肥満や糖代謝との関連性が指摘されている
    • ただし痩せている人にも発症する
  • 多嚢胞性卵巣症候群になりやすい人の特徴は以下である
    • 月経周期が35日以上
    • 月経が以前は順調だったのに現在は不規則
    • にきびが多い
    • 体毛が多い
    • 肥満体質である
  • 肥満(BMI≧25)がある場合まず減量を行う
    • 減量することで排卵率が上がる
  • 女性の5-10%が発症するという報告もある

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状

  • 典型的な症状
    • 月経不順(稀発月経無月経)、不妊
      ・正常な排卵が難しいため月経不順や無月経の原因となる
    • 多毛にきび、声が低くなるなどの男性化
      男性ホルモンが増加することが原因だが、日本人では明らかに男性化を来すことは少ない
    • 肥満
  • 多毛にきびなどの男性化は見られず、無月経を主訴に受診する人も多い

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の検査・診断

  • 血液検査
  • 経腟超音波検査
    • 卵巣内部の、のう胞状の変化を確認する
    • 両側の卵巣に多数の小卵胞が見つかることが特徴

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療法

  • 肥満がある場合は5-8%ほどを目標とした減量によって排卵率の改善が期待できる
  • その後の妊娠の希望があるかないかによって治療の方針が変わる
  • 妊娠の希望がある場合
    • 薬物療法:排卵誘発法
      ・クロミフェン療法
      ・hMG-hCG療法(ゴナドトロピン療法)
      ・ゴナドトロピン療法で卵胞の発育をコントロールできない場合にはART療法(高度生殖医療)を行う場合もある
    • 手術療法
      腹腔鏡卵巣焼灼術や卵巣の一部を切除する手術
       ・形の大きな成長途上の卵胞は卵巣の外側に存在しやすいので、その部位を治療する
  • 妊娠の希望がない場合
    • カウフマン療法(エストロゲン製剤とプロゲステロン製剤を内服する)
    • 低用量ピル
    • ゲスターゲン(プロゲステロン製剤)の内服
  • 排卵誘発を行うと、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠が生じることがある
  • 糖尿病を併発していることが多く、その場合には糖尿病の治療も同時に行う


多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のタグ


多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に関わるからだの部位

MEDLEYニュース新着記事