たもうしょう
多毛症
毛が多いまたは硬毛である状態
4人の医師がチェック 114回の改訂 最終更新: 2022.03.29

多毛症の基礎知識

POINT 多毛症とは

毛が多いまたは硬毛(毛が硬い)状態です。男性ホルモンが過剰に作られたり、男性ホルモンの効果が強まることによることが原因だと考えられています。全身性の病気(皮膚筋炎や甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)や薬剤(ステロイド薬や免疫抑制薬)が原因になります。症状は「ひげが生える」「身体の毛が太くて硬くなる」などで、女性に目立つ傾向があります。診察に加えて血液検査や画像検査が行われます。治療は原因に合わせて行われます。毛が濃いまたは毛が全身に生えてきたといった症状が気になる人は皮膚科を受診してください。

多毛症について

  • 毛が多い、または硬毛である状態:多くの場合、毛の数が増えるよりは硬く色が濃くなることで毛が増えたように見える
    • 硬毛:頭の毛、眉毛、まつ毛、成人の陰毛、腋毛、成人男性の髭
    • 軟毛:色が薄く、軟らかく、短く、細い毛
    • 男性ホルモンが過剰に作られたり、男性ホルモンに対する反応性が高まって発症する
  • 通常、全身性の病気や薬が原因
    • 皮膚筋炎
    • 全身性疾患(進行したHIV感染症など)
    • 甲状腺機能低下症
    • 低栄養
    • 卵巣あるいは副腎の病気(女性では、男性ホルモンは卵巣と副腎で作られるため)
    • 薬剤によるもの
      • ステロイド薬
      • 免疫抑制薬のシクロスポリン
      • 緑内障治療薬であるイソプロピルウノプロストンの点眼をすると、まつ毛が太く長くなる

多毛症の症状

  • 特に女性に起こると症状が目立つ
    • ひげが生える
    • その他身体中の毛(胸毛や腕、脚などの毛)が太い硬毛になる
    • 陰毛の範囲がへそに向かって広がる
  • 多毛以外にも以下のような症状がでる
    • にきび
    • 壮年性脱毛症(薄毛、はげ)
    • 月経異常
    • 声が低くなる

多毛症の検査・診断

  • 問診
    • 多毛以外の症状や、薬剤の使用の有無を調べる
  • 血液検査
    • 血中の男性ホルモン量の測定
    • 必要に応じて染色体検査
  • 画像検査:卵巣、副腎の腫大腫瘍の有無を調べる
    • 腹部超音波検査
    • 腹部CT検査
    • MRI検査

多毛症の治療法

  • 卵巣、副腎、下垂体などに原因となる疾患がある時はその治療を行う
  • ホルモン剤による治療(男性ホルモンの過剰が原因の場合)
  • 毛を剃ったり、切ったりする、またはレーザー脱毛治療(疾患の治療を行っても多毛が残っている場合や原因となる疾患がない特発性多毛の場合)

多毛症のタグ

診療科
からだ

多毛症に関わるからだの部位