ふんりゅう
粉瘤
皮膚の下にできた袋状の構造に、皮膚の老廃物が溜まってこぶのようになったもの
8人の医師がチェック 107回の改訂 最終更新: 2020.08.01

粉瘤の原因は?耳たぶ・顔・脇・背中・おしり・陰部の症状の特徴

粉瘤(ふんりゅう)の原因は、皮膚の一部が袋状にめくれて中に老廃物がたまることです。耳たぶや脇など体のどこにでもできます。不潔にすると細菌が感染して腫れや痛み、臭いが出ます。ストレス・タバコなどは普通、原因ではありません。

1. 粉瘤の原因は?

粉瘤の原因は皮膚の一部が袋状にめくれていることです。

粉瘤の断面は図のようになっています。

画像:粉瘤の中の構造の図解。表皮の下に袋状の構造(嚢胞)ができ、角質や皮脂が溜まっている。

毛穴の部分で皮膚が内側にめくれかえり、皮膚の下に、嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋ができています。

嚢胞の壁は皮膚でできているので、通常の皮膚と同じように角質や皮脂などの老廃物が嚢胞の内側にはがれおちます。老廃物は出る場所がないので、嚢胞の中に溜まっていきます。時間が経つにつれて老廃物が溜まり、粉瘤は少しずつ大きくなります。

粉瘤は別名粉瘤腫、アテローム、表皮嚢腫とも

粉瘤は医学的には表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)と呼ばれ、一般的によくある皮膚の病気です。アテローム、粉瘤腫、類表皮嚢腫とも呼ばれます。

皮膚にいぼのようなものができることから、多くの人が「脂肪の塊(かたまり)ができた」と表現します。

粉瘤と似た病気はある?

粉瘤に似た病気として、外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんしょうせいのうしゅ)や多発性毛包嚢腫(たはつせいもうほうのうしゅ)と呼ばれる嚢腫も同様に、皮膚にいぼのような症状を現します。

いずれも皮膚科で簡単な手術で治療できる良性の病気です。皮膚がんと粉瘤を見間違うことはめったにありません。

外毛根鞘性嚢腫や多発性毛包嚢腫について詳しくは、「粉瘤(アテローム)の見分け方とニキビとの違いについて」をご覧ください。

ストレスは粉瘤の原因?

粉瘤の原因はストレスではありません。ストレスで皮膚がめくれることはありません。

タバコは粉瘤の原因?

粉瘤の原因はタバコではありません。喫煙は肺や心臓、胃など体のいろいろな部分に害を与えますが、皮膚がめくれる原因にはなりません。

2. 不潔は粉瘤の原因?

皮膚が不潔でも、粉瘤ができる原因にはなりません

ただし、粉瘤の中で細菌が繁殖すると、臭いが出たり、赤みや痛みが出る原因になります。感染性粉瘤と言います。粉瘤を潰したりして細菌が入りやすくすると悪化して感染性粉瘤になることも考えられるので、不潔は粉瘤の悪化には関係しているとも言えます。

3. 粉瘤は予防できる?

粉瘤は原因がはっきりしないので、予防する方法もありません。気付いたときに早めに治療することで、大きくなったり、感染して臭いや痛みが出るのを予防できます。

4. 粉瘤の見た目は?

粉瘤の見た目の特徴は以下のとおりです。

  • 皮膚がドーム状に盛り上がっている
  • 大きさは数mmから10cm以上までさまざま
  • 真ん中に小さな黒い点(へそ)が見える
  • 押すと白か黄色のドロドロした臭い膿が出る

黒い点は開口部と呼ばれ、嚢胞(袋)の中につながっています。開口部は見分けにくい場合もあります。嚢胞には老廃物が溜まっているため、ドーム状の部分を押すと中にある膿のような老廃物が排出されることがあります。大きい粉瘤からはびっくりするほどたくさんの膿が出ることもあります。

「しこり」とは?

「しこり」というのは、体の一部が周りより硬くなっている症状のことです。粉瘤のドーム状の出っ張り、いぼのような塊も病院では「しこり」と表現されます。

「しこり」と言われたら「かたまり」のことだと思ってください。「かたまり」と言うと手のひらでつかめるぐらいの大きさを想像するかもしれませんが、粉瘤の「しこり」は1cm以下で見つかることもあります。

ほかの病気で「しこり」と言われる症状の中には肩こりぐらいの硬さの「しこり」も、石のように硬い「しこり」もあります。粉瘤の「しこり」は触ると周りの皮下脂肪よりは硬いことがわかる程度の硬さです。

5. 粉瘤ができる場所は?

粉瘤は皮膚のどこにでもできます。粉瘤の原因は皮膚が袋状にめくれることですが、小さい変化なので皮膚、毛穴がある部位(場所)にはどこでも生じる可能性があります。粉瘤ができやすい場所を挙げます。

  • 顔面
  • 耳たぶや耳の裏
  • 背中
  • おしり
  • お腹
  • 手足
  • 股の間、陰部

粉瘤はどこにでもできるので、見た目が粉瘤の特徴に似ていれば、上に挙げた場所以外でも粉瘤かもしれません。

たとえば、女性の外陰部に粉瘤ができて歩きにくくなったという報告、男性の乳房に粉瘤ができてマンモグラフィーで検査されたという報告もあります。

関連記事:皮膚のどこにでもできる「粉瘤」、こんなところにも(参照文献:Int J Surg Case Rep. 2015  Jan 21

関連記事:25歳男性の左胸が膨らんできた…その驚きの正体とは?(参照文献:BMJ Case Rep. 2015 Dec 7

6. 粉瘤で見た目以外の症状は出る?

粉瘤は普通、見た目以外に痛みなどの症状はありません。放置していても多くの場合は問題ありません。多くの人が気にするのは見た目の問題です。

もし粉瘤が感染を起こすと、粉瘤の周りが赤く腫れたり、痛むようになり、嚢胞の中には膿がたまって強い嫌な臭いを放ちます。このような粉瘤は感染性粉瘤と呼ばれます。感染性粉瘤については、「においや痛みがある感染性(炎症性/化膿性)粉瘤の治療」で詳しく説明しています。