ふんりゅう
粉瘤
皮膚の下にできた袋状の構造物に皮膚の老廃物が溜まってこぶのようになったもの
8人の医師がチェック 225回の改訂 最終更新: 2023.06.18

粉瘤の手術費用は病院によって違うのか:自己負担額や保険点数について説明

粉瘤の完治には手術が必要です。手術を検討する際に、費用を気にする人は少なくありません。このページでは、粉瘤の手術にかかる費用について説明します。保険診療か自由診療かによって費用がかなり変わる可能性はありますが、ここでは保険診療を中心に説明します。

1. 粉瘤は手術しないと治らない

粉瘤は皮膚の中にできた袋の中に老廃物が溜まる病気ですが、完治には手術が必要になります。粉瘤を自分で潰したりすると感染して悪化する可能性がありますので避けてください。なお、「たこの吸い出し」と呼ばれる薬は粉瘤を潰す行為とほとんど同じなのでおすすめできません。
手術をすると多少の傷痕が残ってしまうのですが、半年から1年ほどで目立たなくなることが多いです。

2. 粉瘤の手術を保険診療で行った際の費用について

粉瘤の手術は、一般的なクリニック、病院において保険診療で行われています。そのため、保険を使って治療を受けることができます。保険診療の場合、厚生労働省によってそれぞれの医療行為に対して「診療報酬点数」が定められています。診療報酬点数によって費用が決まります。

粉瘤手術の保険点数について

粉瘤の手術では、以下の診療報酬点数が定められています(令和4年度 診療報酬点数)

  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 直径3cm未満:1280点
  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 直径3cm以上6cm未満:3230点
  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 直径6cm以上12cm未満:4160点
  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 直径12cm以上:8320点
  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 直径2cm未満:1660点
  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 直径2cm以上4cm未満:3670点
  • 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 直径4cm以上:4360点

露出部とは、頭、首、顔、肘から手首にかけて、膝から足指にかけての部位のことを言います。露出部以外は、胸部、腹部、腰部、上腕部、大腿部を指します。

粉瘤手術費用の自己負担額はどのくらいなのか

簡単に計算するのであれば、診療報酬点数を3倍したものが、自己負担額となります。

保険点数1点は10円として計算されるので、保険の自己負担が3割の方は、上記の診療報酬点数に10を掛けて、さらに0.3(3割)を掛けた額、つまり診療報酬点数に3を掛けた額を支払うことになります。

例えば顔面の1cmの粉瘤であれば、「皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 直径2cm未満:1660点」が適用され、自己負担額は4,980円となります。

別の例を示すと、背中の10cmの大きな粉瘤であれば、「皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 直径6cm以上12cm未満:4160点」が適用され、自己負担額は12,480円となります。

自己負担額が点数×3と違う場合がある

自己負担が1割の方であれば、診療報酬点数に1を掛けた額、つまり診療報酬点数の値そのものが支払う金額になります。

その他には初診料(209~282点)、再診料(53~72点)、検査料(超音波検査(350点)や病理組織検査)、薬代が追加されることになります。

3. 粉瘤の手術が保険診療にならない場合

一方、美容外科や美容皮膚科では、粉瘤の手術が保険診療ではなく、自由診療で行われている可能性があります。

その場合、各クリニックがそれぞれの基準に基づいて自由に値段を設定することが出来ます。保険診療よりもかなり高い価格となる場合が一般的なので、粉瘤の手術を受ける前に値段はしっかりと確認しておくとよいです。