ふんりゅう
粉瘤
皮膚の下にできた袋状の構造物に皮膚の老廃物が溜まってこぶのようになったもの
8人の医師がチェック 225回の改訂 最終更新: 2023.06.18

粉瘤はセルフケアで治療ができるのか? 「たこの吸い出し」などには効果があるのか?

粉瘤の完治には手術が必要です。一方、塗り薬でセルフケアしようとする人も中にはいます。果たして、セルフケアで粉瘤の完治は可能なのでしょうか。

1. 粉瘤の完治には手術が必要

粉瘤は薬で治りません。
粉瘤(ふんりゅう、アテロームとも呼びます) を完治させるためには、嚢胞(のうほう)という袋を手術で取り切るしかありません。

薬局で売られている薬でも、病院で出される薬でも「粉瘤を完治させる」という薬はありません(もちろん、抗炎症薬は効果がありますが完治ではなく、対症療法になります)。ですので、セルフケアで粉瘤を治すことはできないと考えてもらってよいです。
粉瘤に対する唯一の治療法である手術に関しては、「潰すな危険!粉瘤は手術時間5分・痛みなしの「へそ抜き法」で完治!」で詳しく説明しています。

2. 粉瘤の完治は塗り薬でできるのか

インターネットなどを中心に「たこの吸い出しは粉瘤に効く!」という情報に出会うことがあります。 たこの吸い出しと呼ばれる薬の有効成分は、硫酸銅とサリチル酸という物質です。硫酸銅には腐食作用があり、サリチル酸には角質軟化作用があります。

そのような成分を含むたこの吸い出しを粉瘤に塗ることで、塗った場所の皮膚と嚢胞の壁が溶けて、穴が空きます。その穴から内容物を出すことが出来ます。一見これでも完治ができそうに思えるかもしれませんが、結局のところ「たこの吸い出し」を使ってやっていることは、自分で粉瘤を潰して、皮膚と嚢胞(のうほう)の壁に穴をあけ、内容物をひねり出しているのと同じなのです。これは感染のリスクがあり、粉瘤の完治に必要な「嚢胞壁の摘出」はできません。ですので、粉瘤には塗り薬は向いていません。

詳しい情報は、「粉瘤(アテローム)を潰すとどのような危険があるの?粉瘤の再発と併せて解説」をご覧ください。

繰り返しになりますが、粉瘤を完治させるためには、嚢胞を手術で取り切るしかありません。そのためには医療機関で相談することが必要です。
なお手術内容については「粉瘤の治療法とはどのようなもの?手術を中心に解説」で詳しく説明しているので、参考にしてください。