ふんりゅう
粉瘤
皮膚の下にできた袋状の構造物に皮膚の老廃物が溜まってこぶのようになったもの
8人の医師がチェック 225回の改訂 最終更新: 2023.06.18

においや痛みがある粉瘤(感染性(炎症性/化膿性)粉瘤)の治療について

粉瘤が悪臭を放ったり、炎症により痛みが出る場合、それは感染性粉瘤(または炎症性/化性粉瘤)の状態になっているのかもしれません。粉瘤は外見が気にならなければ、無治療も可能ですが、感染性粉瘤は治療が必要です。このページでは、感染性粉瘤の原因と治療法について説明します。

 

1. 感染性粉瘤とは?

粉瘤(ふんりゅう、アテロームとも呼びます) に痛みやにおいがある場合・赤く腫れているという場合は、もしかしたら感染が起こっているのかもしれません。このような症状が強く現れる粉瘤を、感染性(炎症性/化膿性)粉瘤と呼びます。

粉瘤では、皮膚の下にある嚢胞(のうほう)という袋の中に細菌が入り込み、粉瘤の中が感染して炎症を起こすことがあります。粉瘤が感染すると周りの皮膚が赤く腫れたり、痛むようになり、袋の中には膿がたまって悪臭を放ちます。においや痛みを改善するには、まず感染による炎症を抑えることと、最終的には嚢胞を手術で取り除くことが必要になります。嚢胞を取り除かない限り、いくらその場では改善しても再発する恐れがあるのです。

2. 感染性粉瘤の治療について

粉瘤を取り除く方法として手術があります。手術では粉瘤の真上の皮膚を切開して、皮膚の下に出来た嚢胞(のうほう)という袋を取り除きます。しかし、手術の際にはひとつ注意点があります。感染して炎症が起きている嚢胞は非常に破れやすく、手術で綺麗に取り除くことが難しいのです。そのため感染性粉瘤では、手術前に感染を抑えこんで炎症をコントロールする必要があります。

手術の詳しい説明は「潰すな危険!粉瘤は手術時間5分・痛みなしの「へそ抜き法」で完治!」をご覧ください。

感染を抑える治療には、抗菌薬抗生物質)や塗り薬を使います。抗菌薬は飲み薬を使うことが多いです。
また、同時に皮膚を切開して膿(うみ)を出す処置を行うこともあります。炎症がおさまって手術ができる状態になるまで、およそ1、2ヶ月かかってしまい、その後に手術を行います。

感染性粉瘤は通常の感染していない粉瘤と異なって、手術まで時間がかかります。無症状または、軽い症状のときに受診すると、治療期間が短くて済むので、感染性粉瘤が心配な人は早めの受診をお勧めします。