粉瘤の手術の傷跡は残るのか
粉瘤は顔を始めとして目立つ部分にできることも多く、「手術したら綺麗に治るのか」、「手術の傷跡は残るのか」という関心を持つ人は少なくありません。残念ながら手術を行うと多少の傷跡は残るのですが、近年では手術法が改良されつつあり、小さいな傷跡で済むようになっています。また、手術後に傷跡を綺麗にするためのコツもあります。
1. 手術の方法について
従来の切開手術では、粉瘤の真上の皮膚をひし形に切るため、切った数cmの傷が残ってしまいました。しかし、最近ではくり抜き法(へそ抜き法)という方法が普及してきていて、数mmの穴を開けるだけで済むようになってきています。
(手術方法の詳細は「潰すな危険!粉瘤は手術時間5分・痛みなしの「へそ抜き法」で完治!」で詳しく説明しています。)
2. 手術後の傷の経過について
手術後だいたい1週間から2週間で傷自体は完全にふさがります。糸で縫っていた場合は、1週間~10日後に抜糸します。傷跡が目立たなくなるには、一般的には半年~1年ほどかかります。
傷跡の中には、白や赤の色が残ったり、傷の部分が盛り上がったり、傷の表面がテカテカと光ったりといったものが残ることがあります。色々な傷跡の残り方があるのですが、傷跡が赤く盛り上がった状態を「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼びます。さらに周りの正常な皮膚にも赤く広がるようであれば「ケロイド」と呼びます。肥厚性瘢痕やケロイドになってしまうと、その治療にはさらに時間がかかってしまいます。特にケロイドの場合はなかなか有効な治療がないので難しい状態です。
3. 傷をきれいに治すために自分でできること
上記のように肥厚性瘢痕やケロイドになってしまうことは体質的な問題で少なからずあるのですが、できるだけ可能性を下げる取り組みがあります。具体的には、傷を治りにくくする要因を避けることです。
たとえば、糖尿病の治療をしっかりしておくことがその一つです。
また手術直後に傷跡を紫外線にあてたり、服などで擦ったりすると、跡が残りやすくなります。手術後しばらくはガーゼや絆創膏などで覆って、保護することが大事です。
粉瘤の手術後、傷跡が残ってしまうと粉瘤の部位によっては気になります。どれくらいの傷がどのような形で残るかは医師にしっかり説明を受け、傷が治りにくい生活はできる限り避けるようにしてください。