Beta 粉瘤のQ&A
粉瘤の原因、メカニズムについて教えて下さい。
粉瘤は、皮膚の下にできた袋状の良性の腫瘍(できもの)です。袋の中には垢がたまっていて、ここに細菌が感染すると赤く腫れて痛むことがあります。
粉瘤は、どんな症状で発症するのですか?
通常は、皮膚の下のできものとして気づきます。
感染症を起こしていなければ通常痛みなどはありません。少し前から気づいていたが、腫れて痛みを伴うようになったということで、病院を受診する人が多いです。
粉瘤は、どのように診断するのですか?
基本的には特別な検査は行われず、診察(見た目と触感)で診断されます。
他のできものと紛らわしい場合には超音波やCTなどの画像検査をすることがあります。
粉瘤の治療法について教えて下さい。
粉瘤自体は良性腫瘍であるため、無治療で様子をみることも可能です。感染症を繰り返したり、見た目が気になる、ほかの病気と紛らわしく診断をつけたいなどの理由があれば手術で切除します。
感染症を起こしている場合にはまず抗菌薬を内服したり、場合によっては膿を切って出す処置をしたりして感染症に対する治療をします。感染症が落ち着いても粉瘤の袋自体は残っていることがあり再発を起こすことがあるため、粉瘤そのものの手術は別に必要です。こちらは通常、感染症が落ち着くのを待ってから行います。
粉瘤は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?
正確な頻度は不明ですが、皮膚の下にできるできものとしては、頻度が最も高い病気の一つです。
粉瘤の、その他の症状について教えて下さい。
感染症を起こすと腫れて、赤くなり、熱を持ち、痛みを伴うようになります。
また、腫れがひどくなると袋が破れて中の膿が出てくることがあります。
粉瘤と診断が紛らわしい病気はありますか?
脂肪腫、毛母腫、皮様嚢腫、多発性毛包嚢腫症、皮膚混合腫瘍、皮膚繊維腫、各種肉腫など皮膚の下のできものとなる多くのできものが鑑別になります。
ほかの病気を疑う場合には必要に応じて画像検査などをすることがあります。
粉瘤では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?
感染症が重症である場合には、まれに入院が必要になることがあります。
膿を出す切開処置をした場合には、処置の内容によっては連日外来通院が必要になります。期間は通常1-2週間程度ですが、感染症の程度によっては長くなることがあります。
粉瘤と脂肪腫の違いについて教えて下さい。
粉瘤は皮膚の下の袋に垢がたまったできものであるのに対し、脂肪腫は脂肪のできものです。脂肪腫は粉瘤のように細菌が入って感染症をおこすことはありません。
粉瘤が重症化すると、どのような症状が起こりますか?
感染症を長く放置したり、糖尿病などの合併症があると周囲の組織に感染症が広がりやすくなります。蜂窩織炎や、最重症な場合には壊死性筋膜炎などの重い感染症になると治療が難航し、手術が必要な場合もあります。
痛みや熱など感染症の症状があれば早めに病院を受診されて下さい。
粉瘤に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。
粉瘤のあるところが腫れてきて、痛みや熱、赤みが出てきたといった場合には感染症が疑われるため、早めに病院を受診することが必要です。
粉瘤の人が他に注意すべき病気はありますか?
粉瘤では細菌が入って感染症を起こすことがあります。
赤く腫れて痛みを伴うときには抗菌薬などの治療が必要ですので、炎症がひどくなる前に病院を受診してください。
粉瘤は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?
粉瘤自体は手術でできものを取り切れれば完治します。後遺症は通常ありませんが、手術の痕は残ります。
粉瘤は、他人にうつったり、遺伝したりする病気ですか?
人にうつったり、遺伝したりすることはありません。