皮膚のどこにでもできる「粉瘤」、こんなところにも
粉瘤(アテローム、表皮のう腫、類表皮のう腫)は皮膚の一部が袋状に周りの皮膚の下に入り込み、老廃物などが溜まってこぶのような塊になったものです。根治には手術が必要です。顔や背中などができやすい場所とされますが、体のどこにでもできると言われ、まれには性器にできることもあります。ここで紹介するトルコの47歳の女性は、小陰唇にできた粉瘤を報告された史上初の例とされています。
◆大きな塊ができ歩きにくくなった
この人が受診したときの様子は次のようなものでした。
47歳の複数の出産を経験した女性が、
外陰部 に触れる痛みのない腫瘤と、腫瘤による歩行困難の訴えで受診した。腫瘤は径6cmで、左小陰唇に位置していた。
受診までに複数の出産の経験があり、婦人科の手術を受けたことはなく、外陰部に外傷を受けたこともありませんでした。外陰部に塊ができ、塊に痛みはありませんでしたがしだいに大きくなっておよそ6cmの大さになったため、歩きにくくなって受診しました。塊は左の小陰唇にできていました。
◆手術と病理診断で粉瘤と判明
治療は次のように行われました。
小陰唇の腫瘤は手術で切除された。最終的な病理診断は外陰部の類表皮嚢腫だった。患者は
合併症 なく退院した。
塊は手術で取り除かれました。手術は特に問題なく行われ、患者は無事に退院しました。切り取った組織を顕微鏡で観察するなどした結果、塊は類表皮のう腫、すなわち粉瘤だったことがわかりました。
報告の著者は「類表皮嚢腫は外陰部の腫瘤の
きわめてまれな例ですが、粉瘤がどこにでもできるという点では参考になるかもしれません。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。