にょうせんけつ
尿潜血
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

基準値(参考)

陰性(ー)(5 /μL 以下)

数値が高いとき

血尿ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿

詳細

尿潜血は尿中に血液が混ざっているかを示しています。通常、尿中に血液は混入していません。尿中に血液が混入している場合、赤血球に含まれるヘモグロビンが試験紙と反応して陽性と判定されます。目でみて尿が赤いとわからないほどの軽い血尿であっても検出することができ、鋭敏な検査であると言えます。
一方、血尿以外でも、女性では月経時や、尿にヘモグロビンやミオグロビンが混ざっている場合にも尿潜血は陽性となります。血尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿は尿沈渣という尿を顕微鏡で観察する検査(尿沈渣)によって見分けることができます。

判定基準

判定 赤血球数
(ー) 5 /μL 以下
(±) 6-19 /μL
(+) 20-49 /μL
(++) 50-249 /μL
(+++) 250 /μL 以上

数値が高いとき

 尿潜血陽性の原因として、以下が考えられます。

  • 血尿
    • さまざまな病気が原因となります。尿沈渣では赤血球が確認されます。
    • 例:腎炎、高血圧、腎不全、腎腫瘍腎盂炎、膀胱炎、結石、膀胱がん など
  • ヘモグロビン尿
    • 体内で溶血が起きていると尿中にヘモグロビンが排出されます。目でみて尿が赤いとわからなくても、尿沈渣で鉄染色を行うことで診断可能です。
    • 例:輸血の副作用、新生児溶血性疾患、自己免疫性溶血性貧血、重症感染症 など
  • ミオグロビン尿
    • 目でみて尿が赤いとわかるほどの多量のミオグロビンが排出されることはまれです。
    • 例:筋肉疾患、外傷、心筋梗塞 など

血尿とタンパク尿の組み合わせ

  • 血尿:(+)、タンパク尿:(+)
    • 例:全身の出血傾向、腎障害、下部尿路の病変
  • 血尿:(ー)(±)、タンパク尿:(+)
  • 血尿:(+)、タンパク尿:(ー)(±)
    • 例:微量の出血(尿路結石の初期の無症候性血尿など)