ちょうふくじんうにょうかん
重複腎盂尿管
通常、左右に1つずつしかない腎盂と尿管が2つ以上ある先天的な形態異常
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最終更新: 2023.11.06
重複腎盂尿管の基礎知識
POINT 重複腎盂尿管とは
腎盂と尿管の発生異常です。腎盂と尿管は左右に1つずつありますが、重複腎盂尿管では腎盂と尿管が2つ以上あります。症状がない人もいますが、膀胱尿管逆流症などを起こして腎盂腎炎(発熱や背部痛などの症状)や腎臓の機能低下(倦怠感や吐き気など)の原因になる場合があります。腎臓の機能が低下したり腎盂腎炎を繰り返す場合は、尿管の片方を切除したり、腎臓の摘出が必要になることもあります。腎盂腎炎などを繰り返し起こす場合は重複腎盂尿管の可能性もあるので、泌尿器科で詳しく調べてもらうことをお勧めします。なお、重複腎盂尿管と診断されても症状がない場合や腎臓の機能に影響がない場合は特に治療の必要性は低いと考えられています。
重複腎盂尿管について
- 通常左右の腎臓に1つずつしかない
腎盂 (じんう;腎臓の尿が尿管 に流れ出す前に集まる場所)と尿管が2つ以上ある先天的な形態異常 - 重複腎盂尿管の主な原因
- 遺伝子異常
染色体 異常
- 女児に多い(男:女=1:3)
重複腎盂尿管の症状
重複腎盂尿管の検査・診断
- 血液検査
炎症 が起きていないかを調べる
- 尿検査
- 血の成分が含まれるか調べる
- 画像検査
CT 検査- CT ウログラフィー
- 尿路の形を確認できる
MRI 検査- MRウログラフィー
- 尿路の形を確認できる
- IVU(静脈性尿路
造影 )- 尿路の形を確認できる
- 腎
シンチ クラフィー- 腎臓の瘢痕化や機能を測定する
重複腎盂尿管の治療法
経過観察 が行われる場合- 発熱や尿失禁などの症状がみられない
- 治療が必要な場合
- 尿管異所開口
尿管 が本来存在している腎盂 と膀胱以外の場所につながっている状態)
- 膀胱尿管逆流
- 膀胱から尿管へ尿が逆流すること
- 尿管異所開口