じんうにょうかんがん
腎盂尿管がん
腎盂・尿管に発生する癌
3人の医師がチェック 58回の改訂 最終更新: 2018.01.04

腎盂尿管がんの基礎知識

POINT 腎盂尿管がんとは

腎盂尿管がんは腎盂または尿管にできる悪性腫瘍で、喫煙や化学物質が発病に関連があるとされます。痛みのない血尿(無症候性肉眼的血尿)や背部痛などをきっかけに発見されることがあり、 診断はCT検査や尿細胞診などで行います。治療は手術や抗がん剤で、手術では腎臓と尿管を切除します。 腎盂尿管がんは血尿などをきっかけに発見されることが多いので血尿が出たときには泌尿器科を受診して詳しく調べることが大事です。

腎盂尿管がんについて

  • 腎盂尿管に発生するがん
  • 痛みを伴わない血尿が特徴的な症状
  • 膀胱がんと同じく尿路上皮がんという部類に属する
  • 腎がん腎細胞がん)とは異なる
  • 腎臓に発生する悪性腫瘍の5%程度に過ぎない

腎盂尿管がんの症状

  • 排尿時の、痛みを伴わない血尿が初期症状として出やすい
  • 進行して水腎症に至ると、腰、背中、腹部の痛みが出現する
  • 水腎症とは尿の流れが悪くなり、行き場をなくした尿が腎盂に停滞することによる腎盂の拡張のこと

腎盂尿管がんの検査・診断

  • 尿検査
    • 尿中の赤血球白血球を調べる
  • 尿細胞診
    • 尿の中にがん細胞がいないかを顕微鏡で観察する
  • 血液検査
    • 腎臓の機能の低下の有無や全身の状態を確認する
    • いわゆる腫瘍マーカーはない
  • 腹部超音波検査
    • 腎臓の大きさや形を観察する
  • 腹部造影CT検査
    • 特殊な撮影により、腎盂尿管にある腫瘍を観察できる
    • 診断精度に優れているが、腎機能が低下していると造影剤の使用で腎機能がさらに低下することが懸念されるので行えない場合がある
  • 逆行性腎盂造影・分腎尿採取
    • 尿道から膀胱に内視鏡を挿入し、腎盂までカテーテルを挿入する
      ・内視鏡は硬いものと柔らかいものがある
    • カテーテルから尿を採取する(分腎尿)
      ・分腎尿を病理検査に提出しがん細胞の有無を確認する
    • 最後に腎盂と尿管に造影剤を注入し腎盂や尿管の形を確認する
  • 静脈性腎盂造影
    • 腎盂、尿管に腫瘍があると、その部分がでっぱりとして写り診断につながる
    • 逆行性腎盂造影に比べると診断の精度は劣る
  • 内視鏡検査
    • 尿管鏡検査
      ・画像検査で腫瘍がはっきりしない場合に行う
      ・腫瘍の大きさや表面の様子が確認できる
      生検をするために行われることがある
    • 膀胱鏡検査
      ・膀胱の中を観察する
      ・腎盂尿管がんと膀胱がんは同時に起きていることがあるので調べる
  • 診断は画像検査で明らかな腫瘍が確認でき尿からもがん細胞が検出されること
    • 尿からのがん細胞の検出は必須ではないという意見もある
    • ただし尿からがん細胞が検出されていない場合はリンパ腫などの稀な病気の除外が必要

腎盂尿管がんの治療法

  • がんの広がりの度合い(転移があるかどうかも含めて)に応じて下記のように異なる治療が行われる
    • 手術
      ・腎尿管全摘除術
       ・腎臓、尿管、膀胱の一部分切除する腎尿完全摘除術が標準治療
       ・手術の方法としては、開腹手術以外にも腹腔鏡を用いたものもある
      ・尿管部分切除術
       ・膀胱に近い尿管(下部尿管)にがんがあり、腎臓の機能が低下している場合に検討
       ・残った尿管や腎盂に再発することがある
      内視鏡治療
       ・レーザーによる治療
       ・治療成績は開腹手術に比べて劣る
  • 診断時に転移がある場合や手術後に再発した場合
    • 全身化学療法
  • 治療後の経過
    • がんが腎盂と尿管だけにとどまっていれば、5年生存率 80-90%と比較的予後は良好
      ・腎盂や尿管は壁が薄い臓器なのでがんが他の臓器に浸潤しやすい
    • 膀胱内での再発が多いため、尿路全体(膀胱と対側の腎盂・尿管)を定期的に検査する

腎盂尿管がんのタグ

腎盂尿管がんに関わるからだの部位

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