再発・進行した尿路上皮がんにキイトルーダは効く?

膀胱がん、尿管がんなどは尿路上皮がんと総称されます。治療法のひとつが抗がん剤ですが、治療後に再発するなどの場合もあります。再発・進行があった人を対象にペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ®)の効果が試されました。
再発・進行尿路上皮がんに対するペムブロリズマブの効果
多国籍の研究班が、尿路上皮
ペムブロリズマブは
この研究は、進行した尿路上皮がんの患者で、プラチナ製剤を含む
対象者542人がランダムに2グループに分けられました。
- ペムブロリズマブを使うグループ(ペムブロリズマブ群)
- パクリタキセル、ドセタキセル、ビンフルニンから担当医が選んで使うグループ(化学療法群)
パクリタキセル、ドセタキセル、ビンフルニンはいずれも
効果判定のため、生存期間と、がんが進行することなく生存した期間を比較することと決められました。
10.3か月 vs 7.4か月
治療から次の結果が得られました。
全生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ群で10.3か月(95%信頼区間8.0-11.8)、対して化学療法群では7.4か月(95%信頼区間6.1-8.3)だった(死亡のハザード比0.73、95%信頼区間0.59-0.91、P=0.002)。
ペムブロリズマブ群では半数の人が10.3か月以上生存しました。化学療法群では半数の人が7.4か月以上生存しました。ペムブロリズマブ群のほうが生存期間が長いと見られました。
がんが進行することなく生存した期間については、統計的に違いを確認できませんでした。
薬の副作用やその他の原因による
尿路上皮がんにキイトルーダは有効?
プラチナ製剤で治療後に再発または進行した尿路上皮がんに対して、ペムブロリズマブが化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル、ビンフルニン)に勝るとした研究を紹介しました。
日本では、2017年11月24日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で、ペムブロリズマブの尿路上皮がんに対する承認について報告される予定です。
ペムブロリズマブの役割を考えるために、実際に試されたときのデータを材料とすることができるかもしれません。
執筆者
Pembrolizumab as Second-Line Therapy for Advanced Urothelial Carcinoma.
N Engl J Med. 2017 Mar 16.
[PMID: 28212060]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。