膀胱がんの再発を防ぐBCG注入療法の効果は?

悪性度が低い膀胱がんの治療法のひとつに、結核の予防接種としても知られるBCGを膀胱に注入する方法があります。BCGの効果を確かめる研究が行われました。
◆BCGとエピルビシン/インターフェロンはどちらが効く?
ここで紹介する研究は、再発を経験している軽度の膀胱がんの患者229人を対象として、BCGの効果を調べています。
対象者は最初の手術治療と
対象者はランダムにグループに分けられ、BCGで治療するグループ、エピルビシンとインターフェロンで治療するグループとされました。
◆再発が少なく、膀胱がんによる死亡が少ない
次の結果が得られました。
7.4年時点で、再発の確率はBCG群で39%、EPI/IFN群で72%だった(ハザード比0.41、95%信頼区間0.28-0.60、P<0.001)。
[...]疾患
特異的 死亡率には、BCG群が勝る有意 差があった(ハザード比0.20、95%信頼区間0.04-0.91、P=0.04)。
BCGのグループのほうが、研究開始から7.4年後までに膀胱がんが再発することが少なくなっていました。また、膀胱がんが原因の死亡もBCGのグループで少なくなっていました。
実際の治療結果として、BCGの効果の一面が示されました。BCGは、膀胱がんに苦しむ人には重要な助けになるかもしれません。
執筆者
Intravesical Bacillus Calmette-Guérin Versus Combination of Epirubicin and Interferon-α2a in Reducing Recurrence of Non-Muscle-invasive Bladder Carcinoma: FinnBladder-6 Study.
Eur Urol. 2016 Apr 13. [Epub ahead of print]
[PMID: 27085624]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。