ぼうこうがん
膀胱がん
膀胱の粘膜にできる悪性腫瘍
8人の医師がチェック 174回の改訂 最終更新: 2018.02.09

膀胱がんの基礎知識

POINT 膀胱がんとは

膀胱がんは、50歳以降の男性に多くみられ、喫煙、化学物質、慢性的な感染などと関係があります。膀胱がんの症状で最も多いのが血尿です。血尿は他の病気を原因とすることもありますが膀胱がんの血尿は痛みを伴わないことが特徴です。その他の症状としては排尿時の痛みや頻尿などがあります。 膀胱がんの検査は膀胱鏡、CT検査、MRI検査などで行い、治療は手術、抗がん剤、BCG療法などがあります。痛みがない血尿が出たときは膀胱がんに注意が必要です。速やかに泌尿器科を受診して原因を調べることが大事です。

膀胱がんについて

  • 膀胱の粘膜にできる悪性腫瘍がん
  • 膀胱がんの発症の危険性を高めるもの
    • 喫煙
    • アニリン色素、ナフチラミン、ベンチジンへの慢性的な接触
    • ビルハルツ住血吸虫への感染(日本ではほとんど原因とはならない)
    • シクロフォスファミドという薬の使用
  • 罹患率は、年間人口1万人に1人程度
    • 男性に多い
    • 60歳以降に多い
  • 早期から血尿などの症状が出るので、症状から発見されることが多い
  • 他の病気を調べている最中にも見つかることがある
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膀胱がんの症状

  • 血尿無症候性肉眼的血尿)
    • 痛みを伴わない血尿
    • 排尿の最後の尿が赤くなることが多い
  • 頻尿
  • 排尿の際の痛み
  • 背中から腰にかけての痛み
  • 体重減少
症状の詳細

膀胱がんの検査・診断

  • 血液検査
    • 全身の状態を調べるために行う
    • 膀胱がんの腫瘍マーカーはない
  • 膀胱鏡検査
    • 尿道からファイバースコープを入れて、膀胱の中の状態を調べる
  • 尿細胞診検査
    • 尿中のがん細胞の有無を調べる
    • がんがある場合でも尿細胞診が陽性になるのは約50%前後
  • 画像検査
    • 膀胱の腫瘍の形、大きさなどを調べる
    • 超音波検査
      ・超音波で膀胱の中を観察する
    • 腹部CT検査
      ・胸部から骨盤まで撮影する
      ・他の臓器やリンパ節への転移の有無を調べる
      ・がんの深さの評価はMRIの方が優れている
    • 腹部MRI検査
      ・膀胱でのがんの深さの評価に向いている
  • 画像診断と内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術;TURBT)の結果を基にして、ステージを決める
  • ステージを決める3つの要素
    • 膀胱でのがんの進行状況
    • リンパ節転移の状況(有無や場所)
    • 他の臓器への転移の有無で判断する
  • 膀胱がんの治療方針を決定するために重要なことは、膀胱がんの根の深さを調べることである
  • 膀胱がんの根の深さの最終的な診断は画像診断ではなく内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術;TURBT)で行う
  • TURBTの結果で後の治療法が決まる
検査・診断の詳細

膀胱がんの治療法

  • 膀胱の中に腫瘍があると判明した場合
    • 画像診断の結果に関わらず、まず内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TURBT)を行う
    • TURBTで膀胱腫瘍の切除を行い、膀胱腫瘍の状態を顕微鏡で確認する検査(病理診断)を行う
    • 結果が早期のがん(表在性がん)、上皮内がん、浸潤がん、他の臓器に転移している場合で治療が異なる
  • 治療方針とそれぞれの特徴
    • 表在性がんの治療
      ・がんはTURBTで切除できている状態
      ・ 再発を予防するために抗がん剤もしくはBCGを膀胱内に注入する場合がある
      ・表在性がんが浸潤がんへ進行することは少ない
      ・表在性がんが転移をすることはまれ
      ・膀胱内に再発することが多い(約30-50%)
      ・再発は2年以内が多い
      ・再発しても内視鏡による治療が可能
    • 上皮内がんの治療
      尿細胞診が陽性のことが多い
      ・上皮内がんは膀胱鏡でもがんとはっきりわからない場合がある
      ・上皮内がんにはBCGの膀胱内注入療法が有効
      ・上皮内がんが指摘された場合はBCG療法を行う
      ・BCG療法により約80%の人が完全寛解となる(再発することはある)
      ・BCG療法による治療が上手くいかない場合には浸潤がんに進行する場合がある
    • 浸潤がんの治療
      ・浸潤がんはがんが膀胱の筋層に達している状態をさす
      ・膀胱全摘除術を行い尿路変更術を行う
    • がんが他の臓器に転移している場合の治療
      ・全身化学療法抗がん剤治療
      ・手術は原則行わない
  • 治療法
    • BCG療法
      ・BCGを膀胱の中に入れる治療
      ・表在性がんの再発予防や上皮内がんに対する治療に用いられる
    • 抗がん剤の膀胱内注入療法
      ・表在性がんの再発予防
    • 膀胱全摘除術
      ・浸潤がんに対して行われる
      ・膀胱を切除して骨盤のリンパ節を同時に切除する
      ・膀胱を通らない尿の出口を作り直す必要がある(尿路変更)
      ・主な尿路変更
        ・回腸導管造設術
        ・新膀胱造設術
        ・尿管皮膚(にょうかんひふろう)
    • 全身化学療法
      ・転移がある場合に用いる
      ・治療効果を上げるために膀胱全摘の前後に行うことがある
      ・GC療法、M-VAC療法、PG療法の3つがある
治療法の詳細

膀胱がんに関連する治療薬

分子標的薬(ペムブロリズマブ〔ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体〕)

  • がん細胞を攻撃するリンパ球T細胞を活性化させ、がん細胞に対する免疫反応を亢進させることで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 通常であれば、がん細胞は体内で異物とされリンパ球のT細胞によって攻撃を受けるが、がん細胞が作るPD-1リガンドという物質はリンパ球の活性化を阻害する
    • 本剤はPD-1リガンドによるリンパ球の活性化阻害作用を阻害することで、T細胞のがん細胞へ攻撃する作用を高める

  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(ペムブロリズマブ〔ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体〕)についてもっと詳しく


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膀胱がんに関わるからだの部位

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