きゅうせいにょうさいかんえし
急性尿細管壊死
腎臓の一部である尿細管の細胞が壊れ、腎臓の働きが悪くなること。脱水や出血、腎臓の感染症などが原因となる
4人の医師がチェック 64回の改訂 最終更新: 2022.02.18

急性尿細管壊死の基礎知識

POINT 急性尿細管壊死とは

尿細管という腎臓の一部分が壊れて、腎臓の働きが悪くなる病気です。低血圧や脱水、感染症、薬の副作用などによって起こります。軽症な場合は症状がないので気づかれないこともありますが、進行すると尿量の減少や、だるさ、疲れやすさといった症状が現れます。血液検査や尿検査、腹部超音波検査が診断に用いられます。原因を治療すると、尿細管壊死も改善します。例えば脱水であれば点滴などで水分を補い、感染症であれば抗菌薬などを用いて治療します。原因の治療が上手くいくと、多くの場合は時間の経過とともに改善していきますが、腎臓の機能が著しく低下した場合には、透析が必要になることがあります。尿細管壊死の検査や治療は内科や腎臓内科、泌尿器科で行われます。

急性尿細管壊死について

  • 腎臓の一部である尿細管の細胞が壊れ、腎臓の働きが悪くなること
  • 以下のことが原因で起こる
    • 低血圧
    • 脱水
    • 出血
    • 感染症
    • 腎臓に影響のある薬剤の使用

急性尿細管壊死の症状

  • 初期であれば、検査で異常が見つかるのみで、自覚症状はない
  • 進行すると、以下の症状が出る
    • 尿の量が少なくなる
    • だるさ、疲れやすさ
    • 食欲不振、吐き気

急性尿細管壊死の検査・診断

  • 血液検査:腎臓の働きを調べる
  • 尿検査:腎臓の働きを調べる
  • 腹部超音波検査:その他の腎臓の病気が存在するかどうかを調べる
  • 腹部CT検査:腎臓の大きさや形を調べる

急性尿細管壊死の治療法

  • 原因となっている病気を改善させる
  • 十分な水分摂取を行う(場合によっては点滴や輸血を行う)
  • 腎臓に影響を与えうる薬剤を中止する
  • 原因となった病態が初期に改善されても、治癒までに1~3週間程度かかる
  • 進行が早い場合には、急速に重篤な腎不全となって、透析が必要になる場合もある
  • 透析については「慢性腎臓病」を参考

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