にょうどくしょう
尿毒症
進行した腎不全が原因で、体から老廃物や不要な物質を排泄することができず、さまざまな症状が起きる状態のこと
6人の医師がチェック 106回の改訂 最終更新: 2017.12.06

尿毒症の基礎知識

尿毒症について

  • 進行した腎不全が原因で、体から老廃物や不要な物質を排泄することができず、さまざまな症状が起きる状態のこと
  • 症状が起こる原因として
    • 体の水分量調節の異常
    • 血液中電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)調節の異常
    • ビタミンDエリスロポエチンの産生量の低下
      など

尿毒症の症状

  • 多様な症状が起こるのが特徴
  • 全身症状
    • つかれやすさ
    • だるさ
  • 神経症状、精神症状:尿毒症性脳症
    • 頭痛
    • 意識障害
    • 認知症様の症状
    • けいれん
  • 呼吸器症状
    • 息苦しさ(肺水腫胸水などによる)
  • 循環器症状
  • 血液症状
  • 消化器症状
    • 強い口臭(尿のような匂い)
  • 皮膚症状
    • 掻痒症
    • 皮下出血、あざ
  • 二次性副甲状腺機能亢進症が起こる

尿毒症の検査・診断

  • 血液検査:腎機能を調べる
  • その他、症状に応じて必要な検査が行われる

尿毒症の治療法

  • 腎不全の治療を行う
    • カルシウム拮抗薬、利尿薬、ARBなどで血圧を下げる
    • 鉄欠乏性貧血がある場合、鉄剤を飲む
    • 高カリウム血症がある場合、陽イオン交換樹脂製剤を使用しカリウムの吸収を抑える
  • 長期的には食事療法(タンパク質や食塩を控える)が必要
  • 腎不全の程度によって、透析治療(一時的な場合と、その後定期的に行い続ける必要のある場合がある)が検討される

尿毒症に関連する治療薬

陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)

  • 腸管内で薬剤のもつ陽イオンをカリウムイオンと交換しカリウムイオンを排泄させて血液中のカリウム値を下げる薬
    • 慢性腎不全では腎機能低下により血液中のカリウム値が高くなりやすくなる
    • 血液中のカリウム値が高いままだと高カリウム血症がおこりやすくなる
    • 本剤は腸管内でカリウムイオンを本剤のもつ陽イオンと交換し、体外へ排泄させる樹脂製剤
陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)についてもっと詳しく

球形吸着炭

  • 腎不全における体内の毒素を吸着し、便と一緒に排泄することで尿毒症を改善する薬
    • 腎不全では老廃物などを排泄する腎臓の機能が低下し、体内に毒素が残りやすい状態
    • 活性炭は体内で毒素などを吸着し、吸着した毒素を便と一緒に体外へ排泄する作用をもつ
    • 本剤は活性炭の製剤であり、体内に毒素が蓄積する尿毒症の改善作用をあらわす
  • 本剤は通常、食後2時間後や食間(食事から食事までの中間時間)などに服用する
球形吸着炭についてもっと詳しく

尿毒症の経過と病院探しのポイント

尿毒症でお困りの方

尿毒症は一つの病気というよりも、腎機能が低下したことで出てくる症状の総称です。だるさや息苦しさを始めとする様々な症状の原因となりますが、腎機能が正常な状態で尿毒症だけを発症するということはありません。

腎臓は体内に溜まった老廃物を体の外に出すための臓器です。尿の中にはそのような老廃物が多く含まれています。しかし腎臓の機能が低下して尿が出せなくなると、老廃物が溜まって様々な臓器に悪影響を及ぼすことで尿毒症を発症します。

尿毒症の治療のためには、根本的には腎臓の機能を改善させることが第一です。急性腎障害と呼ばれる、数日間以内の経過で腎機能が悪くなってきた状況であれば、まだ腎臓の機能は改善が見込めます。そのような場合には、腎臓の治療そのものが尿毒症の治療になります。このような治療は、腎臓内科や救急科のある病院で行われます。

一方で、慢性腎臓病と呼ばれ徐々に数か月から年単位で腎機能が低下してきている場合には、腎臓の機能は元通りにならない場合があります。このような時には、対症療法としての透析(血液透析、腹膜透析)が、尿毒症を取り除くために必要となります。腎臓移植も選択肢の一つではありますが、他の方から腎臓の提供を受けなければならないため、現在の日本では多くの方が受けられる治療ではありません。

血液透析のためには血管の手術を受ける必要があります。手術を行っている科は病院ごとに異なりますが、血管外科があれば血管外科が担当の科です。総合病院で、外科と腎臓内科が両方あるようなところでは、血管の手術が行えるところが多いでしょう。一部のクリニックでも日帰り手術で行っているところがあります。その上で、血液透析が行えるクリニックや病院に週3回通院するというのが透析の標準的な方法です。慢性腎臓病で低下した腎臓の機能は残念ながら回復が見込めないため、週3回、1回3時間の通院を生涯続けることになります。従って、通院先選びは極めて重要です。医療機関のスタッフ(医師や医師以外も)が信頼できることに加え、通いやすい立地にあるということも無視できません。午前午後の2枠で透析を行っているところや、朝昼晩の3枠で行っているところ、近所から送迎バスが出ているところなど様々な条件があります。ご自身の中で大切にしたい条件を考えた上で、いくつかの箇所を見学に行って決められるのが良いのではないかと思います。

腹膜透析の場合、手術を受けた上で、退院後はご自身で自宅で透析を行うことになります。正しい手順で行えないと体内に菌が入ったり、手術で挿入したカテーテル(体の内側と外側をつなぐ管)の交換が必要になってしまったりなどのリスクがあるため、身体的にも精神的にも、生活が自立している人でないと行うことができません。腎臓内科のある医療機関に入院の上で、手術を受けつつ、自宅での透析処理の方法や注意点をしっかりと習得した上で退院となります。腎臓専門医のいる病院を選択されるのが良いでしょう。中には腹膜透析に特に積極的に取り組んでいる病院もあります。

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