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鉄欠乏性貧血

体内に蓄えられている鉄の量が不足することで起こる貧血。鉄は赤血球の原料であり、鉄が不足すると貧血(赤血球不足)になる

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15人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2016.08.17

鉄欠乏性貧血の基礎知識

鉄欠乏性貧血について

  • 体内に蓄えられている鉄(鉄分)が不足して起こる貧血
    • 赤血球血液の中の血球の一種。酸素を肺から取り込んで、全身へ運ぶ役割をしている。血液が赤いのは赤血球が赤いことによるが足りないことを貧血というが、赤血球の原材料である鉄分が不足していると貧血になって、体中に酸素を運ぶことができなくなる
  • 主な原因
    • 過剰な出血や鉄摂取不足
      ・月経による出血
      ・ダイエットなど、食事の偏り など
    • 妊娠
    • 消化管出血炎症、潰瘍、悪性腫瘍などの様々な原因で、消化管から出血していること
      ・男性や閉経後の女性では、消化管出血の可能性が高い
      ・消化管出血があると、血便主に大腸からの出血が原因で、赤い血液が付着した便が出ること。血液量が少ないと、検査をしない限り肉眼では分からないこともあるや黒色便(黒い炭のような弁)がでる
      ・ヘリコバクター・ピロリ感染による胃潰瘍でも出血が生じる
  • 体内の鉄分はある程度貯蔵されており、これを使いきるには数か月かかるため、鉄欠乏性貧血はゆっくりと進行することが多い
  • 日本人の貧血患者の約7割が鉄欠乏性貧血と言われる
    • 若年~中年の女性に起こりやすい

鉄欠乏性貧血の症状

  • 鉄欠乏性貧血になると主に貧血による様々な症状が起きる
    • ただし、貧血の出現がゆっくりであった場合、体が貧血状態に慣れてしまい、症状を自覚しないまま貧血が進行してしまっていることも多い
  • 貧血による主な症状
    • 頭痛
    • めまい、立ちくらみ
    • 動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
    • 息切れ
    • 易疲労感(疲れやすい)
  • その他の症状
    • さじ状爪(爪の真ん中がスプーン状に凹む)
    • 異食症(氷などを無性に食べたくなる)
    • ひどくなると舌炎、口角炎やそれに伴う嚥下障害が起こることがある

鉄欠乏性貧血の検査・診断

  • 血液検査
    • まずは赤血球血液の中の血球の一種。酸素を肺から取り込んで、全身へ運ぶ役割をしている。血液が赤いのは赤血球が赤いことによるの量を測定して貧血の程度を確認する
    • 更に詳しい血液検査(血清フェリチン、血清鉄など)で体内の鉄の不足や欠乏を確認する
  • 鉄欠乏性貧血の原因となる疾患(消化管出血炎症、潰瘍、悪性腫瘍などの様々な原因で、消化管から出血していることや性器出血など)を問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことや身体検査で探すことも大事である
    • 症状や血液検査の結果から、貧血を起こす他の病気の疑いがあれば骨髄骨の内側のすかすかとした部分。主に血球を作っている。骨髄に異常が起こると、正常な血球が作れなくなり、白血病や貧血などが起こる。検査などを行う
    • 消化管出血(胃腸からの出血)が疑われる場合には、胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる大腸カメラ肛門から小さいカメラを直接大腸の中に入れて、大腸の内側の状態を見る検査。小腸まで観察することはできない検査を行う
      ・胃腸からの出血は痛みを感じないことも多く、自覚症状がない場合も多い
    • 血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつの数や凝固の異常、血液を固まりにくくする薬など、出血の原因が他にないかどうかも確認する

鉄欠乏性貧血の治療法

  • 鉄欠乏性貧血の治療としては鉄剤の内服(数か月)が原則
  • 鉄分はオレンジジュースやビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のことCのサプリメントとともに取ると効率よく体内に取り込める
    • 鉄分補給が十分かどうかを確認するために定期的に血液検査を行う
  • 鉄剤は吐き気が見られることが多く、医師と相談しながらきちんと治療を継続することが重要

鉄欠乏性貧血に関連する治療薬

経口鉄剤

  • 鉄欠乏性貧血による頭痛やめまい、息切れなどの症状を改善する薬
    • 血液中の赤血球には酸素を運ぶヘモグロビンという成分が含まれ、ヘモグロビンをつくるには鉄が必須である
    • 鉄が足りないと全身に十分な酸素が運べなくなる
    • 本剤は鉄分を体内に補給することで、赤血球を増やす作用をもつ
  • 手術前の造血目的などで使用する場合もある
経口鉄剤についてもっと詳しく

鉄欠乏性貧血の経過と病院探しのポイント

鉄欠乏性貧血かなと感じている方

鉄欠乏性貧血は貧血の一種ですので、進行すると少しの運動で息切れがしたり、動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こるがしたりします。このような症状は貧血に限らず様々な状況で生じますが、鉄欠乏性貧血の場合には、そうなった原因が別にあるはずです。頻度として多いのは、女性であれば月経にともなう出血、高齢者であれば消化管出血炎症、潰瘍、悪性腫瘍などの様々な原因で、消化管から出血していることです。消化管出血の場合には便が赤や黒といったように普段と異なる色調になることがありますが、少量の出血は目で見ても色の違いが分からないため、便の色が正常だからといって消化管出血が無いとは言い切れません。

上記のような症状に心当たりがある場合には、一度お近くの内科クリニックを受診されることをお勧めします。内科の中での診療科は、消化器内科や血液内科など原因によって様々ですので、まず始めに受診するのはかかりつけの内科があればそちらが良いでしょうし、特にかかりつけがなければ通常の一般内科で問題ありません。貧血や、体内の鉄分の量は簡単な血液検査で確認することができますし、ある程度以上に進行した貧血であれば顔色や目の診察で当たりを付けることができます。そして、血液検査で実際に鉄欠乏性貧血があるとなった場合には、その先の詳細な検査に進むことになります。

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鉄欠乏性貧血でお困りの方

鉄欠乏性貧血の原因を調べるために大切なのは、消化管出血炎症、潰瘍、悪性腫瘍などの様々な原因で、消化管から出血していることの有無を確かめることです。消化管口から肛門までの食物の通り道で、消化、吸収を行う管の総称。胃や腸などを含むから出血していると便の中に血液の成分が含まれることになりますので、便検査を行います。もし便の中に血液が含まれているということになれば、胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれる大腸カメラ肛門から小さいカメラを直接大腸の中に入れて、大腸の内側の状態を見る検査。小腸まで観察することはできないを行い、実際に出血している部位がないかを確認します。食道、胃、十二指腸は胃カメラで確認でき、直腸、大腸は大腸カメラで確認ができます。しかし、これらの間の小腸は長く、かつ奥深くにあるため、通常の内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある検査では確認することができません。小腸の検査には小腸カメラ自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途があると呼ばれる、飲み込むカプセル型の内視鏡が用いられます。

消化管出血がないとなると、偏った食生活がないかどうか、また、女性であれば婦人科臓器からの出血や妊娠がないかどうかといったことを確認し、必要に応じて対応、治療を行います。

鉄欠乏性貧血そのものについては、鉄分を含んだ内服薬飲み薬のことで治療します。体内の鉄分不足が原因の貧血ですので、鉄分を補うことで貧血が改善します。この薬はいつまでも飲み続けるものではなく、数週間から数か月の経過で血液が正常化したら内服をやめることが可能です。定期的に血液検査を行いながら通院することになりますが、その際の診療科は、内科、消化器内科、産婦人科、血液内科など様々です。鉄欠乏性貧血自体はよくある一般的な病気ですので、特別な専門病院でなければ治療が行えないということはありません。

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