アトピー性の病気と貧血に関連はあるか?
アトピー性の病気には、炎症などの特徴があり、それらは貧血に関連性があることが指摘されています。そこで、アトピー性の病気と小児の貧血について調査が行われました。
◆データベースから小児のデータを使用
アトピー性の病気とは、
◆アトピー性の病気と貧血との関連性
データから次の結果が得られました。
NHISの多変量解析では(主な結果を調整オッズ比[95%CI]として記す)、湿疹(1.83;1.58-2.13)、喘息(1.31;1.14-1.51)、花粉症(1.57 ; 1.36-1.81)、食物アレルギー(2.08;1.71-2.52)が、貧血のオッズが高かった(すべてP<.001)。NHANESでは、喘息(1.33;1.04-1.70;P=.02)および湿疹(1.93;1.04-3.59;P=.04)の現病歴が貧血、特に小球性貧血(喘息;1.61;1.09-2.38;P=.02;湿疹:2.03;1.20-3.46;P=.009)のオッズが高いことと関連したが、花粉症の病歴は貧血とは関連性が認められなかった(0.85;0.62-1.17;P=.33)。
この研究では、湿疹、喘息、食物アレルギーに、貧血との関連性が見られましたが、花粉症については、2つのデータで異なる結果となりました。
このデータでは、アトピー性の病気を持つ小児には、貧血の心配があるのか、貧血だからアトピー性の病気にかかるのかは判別できません。ただ、アトピー性の病気と貧血に関連性が認められたということは、今後の診断、予防に役立つかもしれません。
執筆者
Association Between Atopic Disease and Anemia in US Children.
JAMA Pediatr. 2016 Jan 1
[PMID: 26619045]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。