2015.08.15 | コラム

テープの薬は咳止めではないって知ってました?〔小児科に行く前に〕

簡単に使える薬こそ正しく使いましょう!
テープの薬は咳止めではないって知ってました?〔小児科に行く前に〕の写真
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ツロブテロール貼付薬を咳止めのテープとして勘違いされているケースが多々あります。この貼るお薬は気管支拡張薬であり、結果的に咳が収まるケースもありますが、気管支ぜんそくや、気管支炎の時の狭くなった気管支を広げるための拡張薬であり、咳止めではないことを覚えておきましょう。そして、正しく使うことが重要です!

ツロブテロール貼付薬について以下に挙げる5つの特徴があります。

  1. ツロブテロール貼付薬は咳を止める薬ではない
  2. 狭くなった気管支を広げる効果がある
  3. 気管支炎で気管支が狭くなった状態を緩和したり、気管支喘息長期コントロール薬として使用する
  4. 薬の効果が出るまでに6〜8時間程度かかり、24時間以上持続して気管支を広げる効果がある
  5. 副反応、副作用として、体液の中に入っているカリウムという大切な物質が体外に出て、筋力の低下や動悸不整脈などを引き起こしたり、重篤なアレルギー症状を呈する場合もある

この点を踏まえ、より詳しく解説していきたいと思います。

 

◆ツロブテロール貼付薬ってなあに?

ホクナリンテープ、セキナリンテープ、ツロブテロールテープは「ツロブテロール」という成分が入っています。気管支や心臓を刺激して、気管支を広げたり、脈を速くする効果があるものです(正確には気管支に対して強く反応し、心臓に対しては反応しにくくなっています)。

ツロブテロール貼付薬の裏にはこの薬が塗ってあり、貼るとじわじわと皮膚から薬が吸収され、6〜8時間後に血中濃度が上がり、24時間以上持続して気管支を広げる効果があります。夕方に貼っても朝まで効果が持続するので、早朝に起こる喘息発作を予防することができます。喘息の発作とは、息を吐くときに気管支が狭くなってヒューヒュー、ゼーゼーすることを指し、咳だけの症状では喘息発作とはいいません。

注意していただきたいのは、「ツロブテロール貼付薬は咳止めのお薬ではない」ということです。また、ツロブテロール貼付薬は喘息発作の予防には効果がありますが、既に起こっている喘息発作をすぐに止めることはできません。効果が出るまで、多少時間がかかるからです。

 

◆ツロブテロール貼付薬は何に効く?

少し専門的な話になりますが、ツロブテロール貼付薬の効能は「下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解:気管支喘息急性気管支炎慢性気管支炎肺気腫」と、製薬会社発行の添付文書に記載されています。

この「気道閉塞性障害に基づく」という部分に注目してください。気道閉塞性障害とは、気管支喘息気管支炎で気管支を取り巻く筋肉が炎症によって分厚くなり、呼吸困難となる症状のことを指します。簡単に説明すると、ヒューヒュー、ゼーゼーし、息が吐きにくくなる症状のことです。この症状を緩和するものがツロブテロール貼付薬で、咳を止める効果は添付文書には明記されていません。

つまり、ツロブテロール貼付薬は気管支を拡げる「気管支拡張薬」であり、基本的に咳を止めるお薬ではないということなのです。咳は喉から肺までの異物(痰、唾液、食物)などを外に出すための防御反応であり、気管支の筋肉が厚くなることとはあまり関係がありません。

 

ツロブテロール貼付薬は咳止めのお薬ではないのです。また、気管支の筋肉に作用するだけでなく、多少、心臓や他の臓器にも作用し、副反応、副作用の心配もあります。具体的には、体液の中に入っているカリウムという大切な物質が体外に出て、筋力の低下や動悸、不整脈などを引き起こしたり、重篤なアレルギー症状を呈する場合もあります。

貼るお薬は手軽ではありますが、危険も付き物です。咳が出たからツロブテロール貼付薬という考え方は正しいとは言えず、本当に必要な状態なのかを確認して使用しましょう。

ツロブテロール貼付薬の処方を受けた時も、実際に「閉塞性障害=ヒューヒュー、ゼーゼー」といった症状があるかを確認し、本当に必要かを保護者の方自身でも確認してみてください。必要なお薬を必要な時に使うことがお子さんの健康を守ることにつながります。

適正な薬の選択と使用はお子さんの健康を守る第一歩です。

 

【編集部注】

この記事は、「キャップスクリニック」のサイトで公開中の記事をもとに作成しています。

http://www.caps-clinic.jp/forparents/part05

執筆者

白岡 亮平

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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